08年4月6日(日)

対行政の企業法務戦略

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 
金沢大学で実施されている行政書士会のADR研修会は、最終講義が行政手続法でした。そこで提出を求められたレポートの課題は、風俗営業の出店規制にあった企業が行政書士に相談を求めてきた場合に、「あなたならどのように依頼者にアドバイスするか」というものでした。弁護士法に違反しない限度で、訴訟も見すえて検討することが求められています。
そのため、久しく中断していた行政法の勉強を、全般に渡ってやり直すハメになりました。とりあえず「行政法判例百選」Ⅰ、Ⅱを、ひととおり読み終えましたが、これからその内容を整理する作業が残っています。

この書籍は、そんな時期に書店でたまたま見つけた本ですが、ひととおり読んだところ、痛快の一言につきる本です。
(著者の阿部泰隆先生は、確か以前は兵庫県行政書士会の顧問をなさっていたはずですが、現在は、神戸大学を定年退官して、東京で弁護士登録をして活動しています。)
もっとも、書いてある内容は、行政法を勉強してからでないと理解できない記述が多々あります。

08年3月4日(火)

ADR研修課題 (その7)(国際私法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第3課程は、陳一先生が担当する国際私法です。
提出を命じられたレポートの問題と当方の解答は、以下のとおりです。
この問題に関しては、相当時間をかけて調べたのですが、締め切り時間に追われて、十分に推敲されていません。特に最後の方になると、ヨレヨレになっています。

問題1
通則法第24条、25条、26条、27条、及び36条における準拠法決定の仕方を比較しなさがら、それぞれの特徴と問題点について分析しなさい。

解答
一 分析の視点
国際私法の目的は、各国の実質法の内容が異なっていることを前提に、あらゆる私法上の法的問題について、国境を越えても安定した法秩序を形成することである。

そこで、国際私法は、私法上生起する法的問題について、その法的性質を決定し(①単位法律関係の法的性質決定)、それを規律すべき法域を指定し(②連結点の設定と③準拠法の決定)、その指定された法域のしかるべき実質法規範により解を与える(④準拠法の適用)という仕組みをとる。

したがって、法的問題の解決のために適用すべき準拠法は、①単位法律関係ごとに、②連結点を介して指定されるが、その指定される準拠法は何よりも、③最も密接に関連する地の法律となっていることが要請される。なぜなら、③の要請を満たすことによりはじめて、上述の「国境を越えても安定した法秩序を形成すること」が可能となるからである。

以上より、準拠法決定の際に要請されることは、以下の3点となるであろう。
(1)単位法律関係につき最も密接に関連する地の法律となっていること
(2)指定される法それ自体がわかりやすいこと
(3)保護すべき当事者の配慮がなされていること

(1)の理由は、上述したところから明らかであるが、(2)(3)は、次の理由に基づく。
すなわち、国際私法も私法上のルールである以上、(2)により適用される法律につき当事者の予測可能性に配慮することが必要であるからである。また、(3)により、当事者の公平を図ることも必要となるであろう。

そこで、以下では、上記(1)(2)(3)の要請を満たしているかを視点として、検討する。

二 準拠法決定の仕方とその特徴

まず、§24~§27及び§36は、婚姻及び相続の準拠法を定めるものであるが、各単位法律関係とその準拠法及びそれぞれの特徴を一覧表にすると以下のようになる。

法適用通則法

条文 単位法律関係 準拠法決定の仕方
§24-1 (婚姻)(成立)(実質的要件) 配分的適用
§24-2 (婚姻)(成立)(方式) 選択的適用
§24-3 (婚姻)(成立)(方式)
§25 (婚姻)(効力) 段階的適用
§26-1 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 段階的適用
§26-2 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 部分的当事者自治
§26-3 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 取引保護主義
§26-4 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 取引保護主義
§27本文 (婚姻)効力(離婚)
§27但書 (婚姻)効力(離婚)
§36 (相続) 統一主義 cf 分割主義

三それぞれの問題点

1.婚姻の成立(実質的要件) (§24-1)

§24-1は、婚姻の成立につき定めているが、§24-2が成立要件のうち方式を定めているので、成立要件のうち残りの実質的要件を定めていることになる。
そして、その準拠法として、「各当事者の本国法」を指定している。(§24-1)
これは、婚姻が成立するには、①婚姻両当事者につき、②本国法上の要件を満たさなければならないことを意味する。(配分的適用)

では、本条の定めは、先の一(1)(2)(3)の要請を満たしているであろうか。

まず、連結点として国籍を採用している点で、一(1)の要請に配慮しているといえるであろう。また、②は、両性の平等に配慮したものであるから、一(3)の要請を満たしている。
しかし、③の配分的適用は、準拠法の適用関係を複雑にする。(その点で、一(2)の要請が犠牲になっている。)なぜなら、準拠法が各当事者ごとに指定されるため、婚姻が成立するか否かは、複数の実質法を検討しなければならないからである。また、各実質法の定める各要件を検討して、それが一方的要件か双方的要件かを決定しなければならないからである。

この点、もし挙行地法を準拠法とすると、指定されるのは単一の準拠法であるから、準拠法の適用は複雑とはならず、また、当事者の期待にも反することはないと考えられる。
しかし、挙行地法を準拠法とすることは戸籍実務の要請にそぐわない。
なぜなら、婚姻の要件は当事者の本国で定めている以上、挙行地国が自国民以外について挙行地法上の婚姻要件を具備していることを証する書類を発行することはない。したがって、申請のあった戸籍窓口では、挙行地法上の要件具備の審査が容易ではないからである。

これに対して、本国を準拠法とすれば、自国民の婚姻要件具備の証明が容易である以上、これを証する書面を要求することにして、戸籍審査を容易に行うことができる。

以上より、本条は、実務上の要請に配慮して、挙行地法主義をとらなっかったのであろう。

2.婚姻の成立(形式的要件)(方式)(§24-2,3)

§24-2,3は、婚姻の成立要件のうち形式的要件である方式の準拠法を定める。
そして、その準拠法は、「挙行地法」(§24-2)と「当事者の一方の本国法」(§24-3本文)を選択できることにしている。(選択的適用)
これは、婚姻の成立を容易にするものであるから、当事者の期待を保護する点で、一(3)の要請を満たす。また、一(2)の要請にもかなうであろう。

問題は、§24-3但書である。但書の場合には、準拠法が挙行地法と指定されている。
したがって、常に日本法の方式によらねばならないことになる。これは、次のような理由
に基づく。すなわち、第一に日本人の身分変動は、できる限り迅速に戸籍に記載される必要がある。第二に、また、外国法による方式により婚姻した日本人にも届出(報告的届出)が求められる(戸籍法§41)。したがって、挙行地法である日本法上の届出(創設的届出)を最初から要求しても当事者にとって負担は大差ない。

しかし、§24-3但書のように常に日本法が強制されるとすると、有効な婚姻を成立させる機会が狭められることになる。なぜなら、外国人と婚姻する日本人について考えてみると、相手の本国(外国)で婚姻する場合は、相手の本国(=挙行地)法か日本法のどれかを選択できるのに対し、日本で婚姻する場合には、日本法以外の法によることができないからである。

したがって、本条は、戸籍の要請(日本人の身分登録)を優先することにより、一(3)の要請が犠牲になっている。

3.婚姻の効力(身分的効力)(§25)

§25は、婚姻の効力について定めであるが、§26で婚姻の財産的効力である夫婦財産制を定めているので、本条は身分的効力の準拠法を定めていることになる。
そして、その準拠法として、夫婦の「共通本国法」・「共通常居所地方」・「最密接関係地法」が順次指定されている。(段階的適用)

本条の問題点は、「最密接関係地」を連結点としていることであろう。
なぜなら、最密接関係地法はあくまでも立法上の目標であって、これをそのまま連結点として採用するにはふさわしくない。何が夫婦の最密接関係地法かは一義的に明確ではない以上、一(2)の要請に反するからである。

もっとも、最密接関係地は、準拠法指定の最終段階で連結点になるにすぎないので、
かろうじてこのような立法も許容されるであろう。

4.婚姻の効力(財産的効力)(夫婦財産制)(§26)

§26は、婚姻の効力のうち財産的効力である夫婦財産制について定める。
そして、その準拠法が、段階的に指定されているのは§25と同じである。(§26-1)

但し、当事者に2項1号から3号の範囲で準拠法を選択できる余地を残している。(部分的当事者自治)(§26-2)
これは、夫婦財産制は夫婦間の財産の処分であるから取引行為に関連し、かつ、法律行為の効力の準拠法を当事者の選択に任せてられている以上(§7)、これと足並みを合わせておくのが妥当だからである。また、§26-1により最密接関係地法が準拠法となる場合には、夫婦にとっても準拠法の予測が困難な場合が生じうる。そこで、これを明確にするために選択制を認めるのが望ましいからである。

しかし、そうすると、取引の安全が害される場合が生ずる。なぜなら、夫婦財産制の準拠法が外国法とされ、日本法と異なる制度が適用されると、日本にある財産について取引に入った第三者にとっては不意打ちとなることがあるからである。
そこで、外国法による夫婦財産制を善意の第三者に対抗できないとしている。(取引保護主義)(§26-3)

5.婚姻の効力(離婚) (§27)

§27は、離婚について定めるが、これも婚姻の効力に分類できる。
そして、その準拠法が、段階的に指定されているのは§25と同じである。(§27本文)

但し、その例外として、§27但書では、日本法が強制されている。
これも、戸籍実務に配慮した規定である。なぜなら、協議離婚の受理判断を戸籍吏がする場合に、もし離婚準拠法が最密接関係国法であるとすると、準拠法決定に困難を生じるため、届出の審査が容易でないからである。
そこで、準拠法を日本法と明記することで、その困難を軽減する趣旨である。

6.相続(§36)

§36は、相続の準拠法を、「被相続人の本国法」としている。
これは、次のことを意味する。
第1に、相続に関する事項は広範であるにかかわらず、全て一括して扱う。
第2に、財産の区別やその所在地の区別を問わない。(統一主義)

しかし、相続の財産法的側面に着目して、財産の所在地にお於ける法律関係にも配慮すべき必要性が少なくない。

以上。

08年2月17日(日)

ADR研修課題(その6)(行政手続法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第4課程は、米田雅宏先生が担当する行政手続法です。以下の設問に対するレポートの提出を命じられました。

パチンコ店営業許可の申請に関する次の事例を読んで、以下の問いに答えて下さい。
(参考法令:風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律・石川県風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律施行条例)

Xは、石川県A市のB地区でパチンコ店「パチンコドラゴン」を経営しようと考え、
その営業許可取得のため、Y行政書士事務所を訪れた。
Yは、早速必要書類をまとめ、所轄の警察署に提出しようとしたが、担当職員Kは、
次のように対応した。

K:「この地区は学校などが立ち並ぶ地区ですので、今回のパチンコ店営業に関して、地元周辺の住民から反対の声が出ております。Xさんのパチンコ店は非常に規模が大きいようですし、予定どおりパチンコ店を営業してしまうと付近住民と対立することが予想されます。A市市議会でも、この問題について取り上げられていることは既にご存じかと思います。

こちらとしては、住環境の維持・保全という責任もありますので、地元住民の方々と良く意見交換して頂いて、住民の同意をもらってきて下さい。
ですので、それまでの間、この申請書は預からせていただきます。」

Y:「……分かりました。」

Yは、翌日、担当職員からいわれたことをXに伝えたが、Xは納得のいかない様子である。

X:「わしの申請書の内容は、法律に違反しとらんがやろ。なんで、役所は申請書を受理せんかったん。住民と意見交換ゆうたってえ、どうすりゃいいか分からんわ。
こっちとしちゃあ、半年後にオープンすることがもう決まっとるさかい、そんな時間もないし……。何とかならんのですか」

問1
このような場合、Yは迅速に許可を得るためにはどのような行動を採るべきであるか、答えて下さい。また、併せて、(訴訟も見据えた)紛争解決の見通しについて、Xが納得するような説明を考えて下さい。(弁護士法72条に違反しない限りで。)

解答 メモ
1.迅速に許可を得るために採るべき行動
(1)要件の整備
(2)交渉
(3)第三者機関への申立(行政評価事務所)
(4)証拠の収集(公証人(事実見聞公正証書)、配達証明付郵便で申請)

2.紛争解決の見通し
(1) 違法か否かの判定
①手続規定(行政手続法)違反の有無
②実体規定違反の有無
(2) 違法である場合
① 国家賠償
② 行政訴訟(この場合に、選択する救済方法)
抗告訴訟(法定外抗告訴訟)、当事者訴訟、仮の救済(刈の義務づけ)
(3) 違法でない場合
不服申立

問2
許認可申請業務において、これまで体験したトラブルがあれば、
その事実の概要とその解決方法について紹介して下さい。

08年1月27日(日)

ADR研修課題 (その5)(国際私法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第3課程は、陳一先生が担当する国際私法です。
以下の設問に対するレポートの提出を命じられました。

下記二つの課題から一つ選んで、1200~1500字程度のレポートを執筆・提出して下さい。

問題 1

通則法第24条、25条、26条、27条、及び36条における準拠法決定の仕方を比較しなさがら、それぞれの特徴と問題点について分析しなさい。

問題 2

下記事実関係(当事者及び事案内容)をよく読んで小問(1)・(2)に答えなさい。

○当事者:(日本人と記載されている者以外はすべて外国人である)
A:男性。P国人。1970年生まれ。P国法上、すでに成人しており、
婚姻年齢にも達している。
Bとの婚姻以前に婚姻履歴はない。1995年より日本在住。

B:女性。Q国人。1970年生まれ。Q国法上、すでに成人しており
、婚姻年齢にも達している。
Aとの婚姻以前に婚姻履歴はない。1995年より日本在住。

C:女性。日本人。1970年生まれ。Aとの婚姻以前に婚姻履歴はない。
出生地、日本。出国歴、なし。

※P国・Q国は、不統一国ではない。

○事案内容:
AとBは、2007年1月に日本で知り合った後、同年4月にハワイ
(アメリカ合衆国・ハワイ州)で結婚した。
ところが、結婚の翌月即ち同年5月に、AとBは日本で離婚手続きを行い、
同年月に離婚が成立した。
その後Aは、同年7月にCと知り合い、同年10月にCとハワイ
(アメリカ合衆国・ハワイ州)で結婚した。
A・C間の婚姻関係は現在継続中である。

小問(1)
A・B間の結婚(婚姻の成立)と離婚に関する準拠法が
どの国の法律になるかについて分析しなさい。

小問(2)
Aと結婚したCの戸籍と氏が。①変動するかどうか、
②変動するならば、それはどのような要件と手続の下で変動するか
について分析しなさい。

以上

ウーム、普段から勉強していないので、このレポートに関しては全く見通しが立たない。
まずは、教科書と判例百選で、該当しそうなところをあたってみるほかない。
とりあえず、問題1についてメモしておこう。

問題 1

解答

一 準拠法決定の仕方

法適用通則法

条文 単位法律関係 準拠法決定の仕方
§24-1 (婚姻)(成立)(実質的要件) 配分的適用
§24-2 (婚姻)(成立)(方式) 選択的適用
§24-3 (婚姻)(成立)(方式)
§25 (婚姻)(効力) 段階的適用
§26-1 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 段階的適用
§26-2 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 部分的当事者自治
§26-3 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 取引保護主義
§26-4 (婚姻)(効力)(夫婦財産制) 取引保護主義
§27本文 (婚姻)効力(離婚)
§27但書 (婚姻)効力(離婚)
§36 (相続) 統一主義 cf 分割主義

二それぞれの特徴と問題点

07年11月20日(火)

ADR研修課題 (その4)(民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

問題 2
「相続させる」旨の遺言に関する最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)
について、事実関係及び最高裁の判断の概要(主たる判決理由をそのまま
引用して下さい)を説明した上で、この判決の問題点や実務に与える影響などに
触れつつ、この判決に対するあなた自身の意見を述べなさい。

解答

一、事実関係
最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)の事実関係は、以下のとおりである。
相続関係図

被相続人Aは、生前に自己の所有する不動産産つき、4通の自筆証書遺言を
残していた。
それらの遺言書においては、左のX1~X3にA所有の不動産を取得させる趣旨とも思われる記載があったが、Y1・Y2が、この遺言書によるX1~X3の権利取得を争うので、X1~X3はY1・Y2を被告として、本件の土地につき所有権を有することの確認訴訟を提起した。
この訴訟において、最高裁まで争われたのは、上記遺言書のうち次の記載の趣旨である。
────────────────
「~の土地は『X1の相続とする』」
────────────────
二、最高裁の判断(主たる判決理由)

この事案について、最高裁は以下の判断を示した。

(1) まず、「相続させる」旨の遺言の性質については、
「遺言において特定の遺産を特定の相続人に『相続させる』旨の
遺言者の意思が表明されている場合、当該相続人も当該相続人と
共にではあるが当然相続する地位にあることにかんがみれば、
遺言者の意思は、右の諸般の事情(※注)を考慮して、当該遺産を
当該相続人をして、………単独で相続させようとする趣旨」であると解する。
そして、更に続けて、
「遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は
遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺贈と解すべきではない。」とする。

(※注)
上記の「諸般の事情」として以下が指摘されている。

「遺言者と各相続人との身分関係及び生活関係、
各相続人の現在及び将来の生活状況及び資力その他の経済関係、
特定不動産その他の遺産についての特定の相続人とのかかわりあいの関係等」

(2) 次に、
「他の相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、
さらには審判 もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、
遺言者の意思に合致す るものとして、遺産の一部である当該遺産を
当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の
承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を
当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、
何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に
直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継される。」
「そしてその場合、遺産分割の協議又は審判においては、……
当該遺産については、右の協議又は審判を経る余地はない。」とする。

(3) もっとも、
「……当該特定の相続人……が所定の相続の放棄をしたときは、
さかのぼって当該 遺産がその者に相続されなかったことになる」し、
「また、場合によっては、他の相続人の遺留分減殺請求権の行使を
妨げるものではない」とする。

三、この判決の問題点

1.被相続人が特定の不動産を特定の相続人に相続させる旨の遺言をした
場合において、その遺言の趣旨をどのように解釈するかは、被相続人の
意思解釈の問題である。
したがって、本件においても、Aの意思がどのようなものであったかを
合理的に解釈するほかない。
ところで、遺言は遺言者の最終の意思を尊重するため、相手方のない
単独行為とされている。これは、意思表示をすれば、それだけで遺言者の
死後に効力を生ずることを意味する。つまり、意思表示が相手方に到達
しなくとも、または、相手方の承諾を得なくても、意思表示としては効力
を生ずる。このため、遺言によってなしうる事項は、法律によって特に
許されたものに限られている。
そこで、遺言事項として法定されているものの中から、本件の遺言に
該当し得るものを選び出すと、以下があげられる。
(1)相続分の指定(§902)、(2)遺産分割方法の指定(§908)、(3)遺贈(§964)

2.では、本件遺言は上記(1)(2)(3)のいずれにあたると解すべきであろうか。
この点を検討するに先立ち、まず(1)(2)(3)を分類すると、2分できる。
1つは、(1)及び(2)で、他は(3)である。
前者のいずれかに該当すれば、遺産分割協議を経て相続人は権利を取得し、
取得原因は相続である。これに対して、後者に該当すれば、直ちに受遺者は
権利を取得し、取得原因は贈与になる。
その他、農地につき「相続」と「遺贈」があった場合を例にして両者を比較すると、
下記のようになる。

相続と遺贈の比較

  遺贈 相続
登記原因 贈与 相続
登記申請人 共同申請
(受遺者と相続人全員)
単独申請(相続人)
登録免許税 20/1000 4/1000
農地転用許可 必要 不要

この表からいえることは、遺贈よりも相続の方が権利取得者にとっては有利であるということである。
また、遺贈なら、相続人全員の協力を要する以上、遺言者の通常の意思に 反すると思われる。
なぜなら、共同相続人間で容易に遺産分割協議が合意に至る保証はない。
そのため、あえて遺言を残す趣旨は、残 された共同相続人間に無用の相続争いが生ずることを避け、
自己の望みどおりに財産を処 分したいと考えていたからこそである。
以上より、「相続させる」旨の遺言の解釈としては、(3)の遺贈にあたる場合は、
通常はなく、特段の事情がある時のみであることになろう。例えば、受遺者が
相続人でなければ、相続により権利を取得し得ないのであるから、遺贈にあたる
ことになる。
また、受遺者と相続人の全員から贈与を原因として登記申請があれば、
たとえ受遺者が相続人の一人であったとしても、遺贈と扱ってよいと思われる。
なぜなら、相続人の全員があえて遺贈として申請している以上、その意思を
尊重してよいからである。
(前記二、(1)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

そうすると、本件遺言が上記(1)(2)のいずれか(又はその組合わせ)にあたるかを
検討すればよいことになるであろう。

3.この場合の問題点としては、相続分の指定や遺産分割方法の指定においては、
後の遺産分割協議を予定していることである。つまり、分割協議が済まない以上、
最終的に権利取得し得ないのであるから、上記(1)(2)のいずれかに該当するとは
直ちには言い切れない。
では、「相続させる」旨の遺言において物権移転効を認めてよいであろうか。
(それともやはり、遺産分割協議を要するとすべきであろうか。)
この点については、認めてよいと考える。
なぜなら、前記三、2.で述べた趣旨から、やはり物権移転効を欲していたと
することが、遺言者の通常の意思(合理的意思)に合致する。
しかも、相続分の指定や遺産分割方法の指定があれば、もはや相続人は、
指定に反する遺産分割をなし得ないからである。
(前記二、(2)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

そして、以上からすれば、本件遺言は、(2)の遺産分割方法の指定に当たる
と考える。

4.もっとも、以上のように遺言者の意思を貫くことは、民法の予定する
均分相続の原則を破ることでもある。
そこで、遺言者の意思に均分相続の原則を破るほどの効力を与えてよいかを
検討しておかなければならない。
しかし、これも認めてよいと考える。
なぜなら、遺言者はもともと自己の自由に処分できる財産を有している。
(民§964)
そして、相続人としては、相続財産のうちの自由分を差し引いた残りの財産
である遺留分の限度で保護されているにすぎない。(民§1028、民§1031)
したがって、相続人の遺留分を侵害しない限り、均分相続の原則が遺言者の
意思を制限する理由になるとは思われない。
(前記二、(3)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

四、結論

かねてより、登記実務においては、「相続させる」旨の遺言に基づき相続を
原因とする所有権移転登記を認めている。
(昭和47年4月17日民事甲第1442号民事局長通達)
本判決が、本件遺言により相続人は直ちに権利を取得すると判断したのは、
以上の理由に基づき、この実務を追認したものといえるであろう。

以上

なお、残された問題点として、物権移転効をめぐって

(1) 登記の要否

(2) 遺言執行者の代理権の有無

(3) 遺留分減殺請求権行使の順序

Q §1033の趣旨

結論
①相続させる旨の遺言→②死因贈与→③生前贈与

07年10月21日(日)

ADR研修課題 (その3_民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第2課程は、民法です。
9月22日は、民法の最後の講義が演習形式で行われました。
講義終了後、以下の設問に対するレポートの提出を命じられました。

問題1
Aは遺言なしに死亡し、Aの子、XYZの3人が相続人である。
3人の間で未だ遺産分割協議は成立していない。

(1) Aの死後、遺産である土地と居宅(以下「本件不動産」という)は、
Aの生前中から一緒に居住していた長男のXがそのまま占有し、
そこに居住している。

YZは、Xに対して、その明渡し又はYZの持分に相当する賃料相当額を請求できるか。

参考:
・家族法判例百選(6版)P144
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P114

(2) 相続人Yは、遺産に属する本件不動産の3分の1の持分を第三者Bに譲渡した。
Bは、YZに対して分割請求できるか。

参考:
Q 遺産共有の性質
→共有説
(理)§909但

Q 遺産中の特定財産の持分譲受人は分割請求できるか

参考:
・家族法判例百選(6版)P138

(3) Zは、自分の会社の事業資金としてCから1000万円の融資を受けた。
ところが、会社が倒産した。
Aの遺産分割協議において、XYZは本件不動産につき、X持分2分の1、Y持分2分の1とする遺産分割協議を行い、その旨の登記をした。
Cとしてはどのような法的措置を講じることができるか。論じなさい。

※ 解答を作成するにあたっては、法規定、学説、特に通説の立場、判例理論をふまえた上で、各自の結論を導きなさい。

参考:
Q 債権者の権利保全手段

Q 遺産分割協議と登記
・家族法判例百選(6版)P148

Q 遺産分割協議は詐害行為取消の対象となるか
・家族法判例百選(6版)P140
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P280

Q 遺産分割協議を取消後にどのような措置を講じることができるか
(1) 相続登記を抹消する
(2) 法定相続分に応じた共同相続登記(代位登記)
(3) Zの持分を目的とした担保権の設定登記

問題2
「相続させる」旨の遺言に関する最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)について、事実関係及び最高裁の判断の概要(主たる判決理由をそのまま引用して下さい)を説明した上で、この判決の問題点や実務に与える影響などに触れつつ、この判決に対するあなた自身の意見を述べなさい。

※ 解答する際に、参照ができる場合には、本判決の評釈である
家族法判例百選【第6版】176頁、
伊藤昌司・ジュリスト平成3年度重要判例解説83頁等
を見てください。

参考:
・家族法判例百選(6版)P176()
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P282

07年9月13日(木)

ADR研修課題 (その2_民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第2課程は、民法です。
9月22日には、演習形式で授業が行われる予定となっています。

以下は、その際に使用するために樫見先生が出題された事例問題です。
ざっと眺めただけですが、手強そうな問題もあります。
こんなのホントに我々がこなせるのでしょうか。

【事例問題1】
AのBに対する貸金債権850万円について、Cを連帯保証人とする契約が
成立している。
この連帯保証契約は実は、Cの子であるYがCから預かっていた実印を
Cに無断で押印して成立させたものであった。
その後、Cが死亡してCの妻DとYとが、Cの権利義務を2分の1の割合で
相続した。
Aより右債権を譲り受けたXは、Yに対して、民法117条に基づいて
850万円の支払いを請求した。
これは認められるか。
X側の主張としては、YはCを相続し、本人の地位と相続人の地位が一体となり、本人Cがしたのと同様になるから、2分の1については連帯保証契約の責任を負うべきだと主張し、残りの2分の1は無権代理人として1177条の責任を負うべきだというものであった。

【事例問題2】
本件建物はAが所有し、本件土地はその妻Bが所有していたが、Aが死亡し、その後Bも死亡したことから、本件建物は、最終的にはABの養子であるYとCとが持分2分の1で相続することとなった。

その後、YCの間で遺産分割協議が成立していない段階で、CがXに本件土地建物の持分2分の1を贈与し、XはYに対して共有物分割の訴えを提起した。

Yは、遺産を構成する特定財産の共有持分権が第三者に譲渡されても遺産分割の対象から除外されないから、遺産分割前には共有物分割の訴えを提起できないと主張した。

Xの共有物分割の訴えは認められるか。

【事例問題3】
被相続人A所有の山林の立木を買主であるYが、売買契約において約定した本数を上回って伐採したために、AはYに不法行為に基づく損害賠償として400万円を請求した。

ところがAは訴え提起後死亡したために、妻X1・子X2が訴訟を承継したとして、X1とX2は、それぞれ相続分に応じた各200万円の支払いを求めた。
これに対して、Yは、遺産は合有であり、可分債権であっても相続により直ちに分割されるものではないと主張した。

Xらの主張は認められるか。

【事例問題4】
被相続人Aの遺産について、共同相続人X・Y・Bの遺産分割協議が成立した。

しかし、Yが勝手に本件土地について所有権移転登記を済ませたため、XはYに対して所有権に基づく抹消手続を求めた。

Yは、本件土地について、先に行われた遺産分割協議を修正する合意(遺産分割の解除を含む)が共同相続人間で再度行われ、Yが2分の1で、残りはBが2分の1で、Xに所有権はないと主張した。

遺産分割の合意解除は認められるか。

ADR概論レポート

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR), 09_未分類 | 

以下は、7月22日に掲載したADR概論の研修課題について、当方が提出したレポートです。締め切り間際になって、担当者から怒られて大あわてて書いたものなので、出来映えはよくないかもしれません。一応、参考になれば幸です。

問題 1
食肉の卸売りを業とするXは、Yとの間で、売掛金をめぐって紛争となっていたが、
両者は、次のような内容で和解が成立した。

① YはXに対して、Xの主張のとおり250万円の支払い義務があることを認める。
② Yは250万円の内金200万円の支払いに代えて、YがAに保管させている国産牛肉を譲渡する。
③YがXに対して牛肉を引き渡したときは、Xは残債権50万円の支払いを免除する。

その後、Yは、Xに本件牛肉を引き渡した。
以上を前提として、以下の場合に、Xは和解の効力を争うことができるか。

(1) その後、Yの債務が実は300万円であったことが判明した場合
(2) Yが引き渡した牛肉が実は、国産牛肉ではなく、外国産の安物であることが判明し た場合
(3) Yが牛肉を引き渡した後、ほどなくして、国産牛にBSEが多発し、国産牛の価格 が暴落するに至った場合

解答

一、はじめに
XY間に和解が成立した以上は、契約は維持されねばならないのが原則である。
しかし、契約の拘束力がいかなる場合にも制限されないとすると、当事者に酷な場合が生ずる。そこで、法は、例外的に契約の拘束力を制限する制度を設けている。

本問において検討すべきものとしては、以下の2点であると考えられる。
第1は、法律行為時において意思表示に瑕疵・欠缺があり法律行為が無効・取消となる 場合である。
第2は、法律行為は有効に成立したが、後の事情により、契約が解除される場合である。

ところで、小問(1)~(3)は、いずれも、一見すると和解契約の拘束力を維持することに難があると思われる事案である。しかし、子細に分析すると、(1)及び(2)と(3)では、事情が異なっている。すなわち、(1)と(2)は、和解契約の当初から契約内容に瑕疵が存在していたとも考えられる事案である。これに対して、(3)は契約当初において瑕疵はなく、契約後に事情が変化が変化している事案である。
したがって、小問(1)と(2)においては、法律行為が有効に成立していないのではないかが問題となり、小問(3)においては、有効に成立した和解契約を解除できるのではないかが問題となる。

以上を前提として、Xが和解の効力を争えるかを検討する。

二、小問(1)

和解契約により250万円の債務の存在が確定したが、300万円の債務の存在が判明した以上、Xとしてはこの金額を請求したいであろう。
そして、契約の一般原則から考えると、意思表示に錯誤がある以上、契約は無効であるはずである。(民§95)

そこで、Xは、和解契約の錯誤無効を主張できないかを検討する。

ところで、和解契約が成立すると、たとえ合意後に契約内容と異なった証拠が現れたとしても、新たな法律行為をしたものとして契約は維持され、錯誤無効の主張が許されない。(和解の確定効)(民§696)

これは、以下の理由に基づく。すなわち、和解は、当事者が互譲して、争いの対象となった権利関係を不問として、新たな法律関係を形成することにより、争いを終結することを目的とした契約である。それなのに、争いのむし返しを許すと、和解をした意味をなさないからである。

では、本条の適用範囲はいかなる事項に及ぶのであろうか。
和解の確定効が及ぶ範囲は、争いの対象となった事実に限られると考えるべきである。

なぜなら、もともとは無効であるはずの契約について、一般原則を変容して確定効を設ける以上、その適用範囲は制限的に考えるべきだからである。

そこで、本問において和解の確定効が及ぶか否かを考えると、本問の争いの対象は、売掛金の存否(ないしはその金額)であり、これは争いの対象そのものである。
したがって、確定効が及び、Xは、錯誤無効の主張ができない。

三、小問(2)
本問においても、和解契約当時において錯誤が存在しているので、Xとしては契約の無効を主張することが考えられるが、和解の確定効(民§696)が適用されるとすれば、この主張が封じれらる関係にある。
そこで、Xが錯誤無効の主張が封じられるのではないかを検討する。

しかし、本問においては、和解の確定効は及ばないと考えるべきであろう。
なぜなら、前問で検討したとおり、和解の確定効の及ぶ範囲は制限的に考えて、争いの対象となった事項に限られ、XY間にいて、争いの対象となっていたのは国産牛か否かではないからである。

では、Xは、錯誤無効の主張ができるか。
Xとしては国産牛と思っていたものが実は外国牛であったのであるから、この点に錯誤がある。しかも、これは和解契約の重要な要素として、この錯誤がなければ和解契約を締結しなかったと考えられる場合には、錯誤無効の主張要件(民§95)を満たす。

もっとも、給付物に瑕疵がある以上担保責任を主張することもできる。(民§570)そこで、この場合、錯誤と瑕疵担保責任のいずれをも主張できるのかが問題となる。
ところで、瑕疵担保責任の主張期間には制限(民§570、§566-3)が設けられている。
これは、法律関係を早期に安定させようとする趣旨に基づく。ところが、無効の主張期間には制限が設けれていないため、いつまでたっても契約の無効を主張できるとすると、法律関係は安定しない。

以上より、錯誤無効の主張はできず、瑕疵担保責任のみを主張できるにすぎない。

四、小問(3)
いったん有効に成立した契約を、後に生じた事情により解消できる方法としては、契約の解除が考えられる。
しかし、一方的な意思表示により解除できるとする明文の規定は、債務不履行を原因とする場合に限られる。(民§540以下)
本問では、国産牛の価格暴落につきYに帰責事由がないので、Xは債務不履行により解除できない。
もっとも、いかなる事情があろうとも、Xが契約の拘束に服さねばならないとすると、不合理な場合がありうる。そのため、事情変更の原則を適用して、契約内容の改訂することや契約を解除することが認められてよい。なぜなら、もともと契約当事者間においては、信義に従い誠実に合意内容を履行すべき関係にある以上(民§1-2)、合意の基礎とした事情に著しい変更が生じた場合には、当初の合意内容に変更を認める方がむしろ信義にかなうからである。

そこで、本問において、事情変更の原則を適用できるかを検討する。

まず、この原則の適用要件は、一般に以下の3つと考えられている。
①事情が著しく変更したこと
②事情の変更が予見不可能であったこと
③事情の変更につき当事者の責めに帰すべき事由がないこと

しかし、本問では上記要件のうち②を満たさないと思われる。
なぜなら、事情変更の原則は契約の拘束力を例外的に解消するものであるから、その要件は厳格に解さなければならないからである。

したがって、戦争時等の非常事態においてはこの要件を満たすことがありうるが、通常は価格が暴落したとしても当事者に予見可能性がないとはいえないと考えるべきである。

本問においても、Xに予見可能性がないとはいえないと思われる。

以上より、Xは、事情変更の原則を適用して契約を解除できないと考える。

以上

07年7月22日(日)

ADR研修課題 (その1_ADR概論)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

石川県行政書士会では、行政書士が将来においてADRの手続実施者となることを想定して、関係法律や諸制度を学ぶための研修を行っている。
今年も金沢大学と提携して研修会が開催され、当方も、この講義を受講している。

以下は、その1課程である「ADR概論」を担当していただいた福本先生から出題された課題である。問題1又は問題2のいずれかを、レポートとして提出しなければならない。

さて、これをどのように書こうか?

問題 1
食肉の卸売りを業とするXは、Yとの間で、売掛金をめぐって紛争となっていたが、
両者は、次のような内容で和解が成立した。

① YはXに対して、Xの主張のとおり250万円の支払い義務があることを認める。
② Yは250万円の内金200万円の支払いに代えて、YがAに保管させている国産牛肉を譲渡する。
③YがXに対して牛肉を引き渡したときは、Xは残債権50万円の支払いを免除する。
その後、Yは、Xに本件牛肉を引き渡した。
以上を前提として、以下の場合に、Xは和解の効力を争うことができるか。

(1) その後、Yの債務が実は300万円であったことが判明した場合
(2) Yが引き渡した牛肉が実は、国産牛肉ではなく、外国産の安物であることが判明した場合
(3) Yが牛肉を引き渡した後、ほどなくして、国産牛にBSEが多発し、国産牛の価格が暴落するに至った場合

問題 2
石川県行政書士会においては、民事紛争解決のための新たな手続きを創設し、ADR基本法による認証を取得することを想定して、以下の書面を作成して下さい。
(法6条に定める認証の基準、先に配布した「ガイドライン」その他、その後に公にされた各種資料があればそれも参考にして下さい。)

(1) 一般の利用者が簡単に分かるような手続のアウトラインの説明書
(2) ADR基本法2条1号に定める紛争当事者との契約の標準的な内容

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