執務ノート総目次?>>
目次>>第５部 組織再編>>第5 株式移転
１ 実体手続 † 
(1) 当事会社 †
株式会社は、株式会社を完全親会社として、株式移転をすることができる(会§2-32号)
(2) 株式移転計画(策定事項)(会§773) †
ア 完全親会社の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
イ アのほか、完全親会社の定款で定める事項
ウ 完全親会社の設立時取締役の氏名
エ 完全親会社が会計参与設置会社、監査役設置会社又は会計監査人設置会社である場合には、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人の氏名又は名称
オ 完全子会社の株主に対して交付するその株式に代わる完全親会社の株式の数等並びに完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
カ オの株式の割当てに関する事項
キ 完全子会社の株主に対してその株式に代わる完全親会社の新株予約権等を交付するときは、その内容等
ク キの新株予約権等の割当てに関する事項
ケ 完全子会社の新株予約権者に対してその新株予約権に代わる完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権の内容等-123-
コ ケの場合には、当該新株予約権の割当てに関する事項
ただし、施行日から1年間は、キ及びクを定めることはできない(会社法附則第4)
(3) 株式移転計画の承認 †
原則として株主総会の特別決議によらなければならないが、
株主総会又は種類株主総会の特殊決議が必要な場合及び
種類株主総会の特別決議が必要な場合がある。
新設合併消滅株式会社と同様(会§804-1,3、309-3��、322-2��)(第2の1の(3)のイの(ｱ)のａ、ｃ、ｄ)
(4) 株券提供公告及び新株予約権証券提供公告 †
完全子会社がしなければならない株券提供公告等の手続及び新株予約権証券提供公告等の手続は、
株式交換の場合と同様である(会§219-1�─�293-1��)
(5) 債権者保護手続 †
完全子会社は、その新株予約権付社債についての社債に係る債務を完全親会社が承継するときは、
その社債権者に対し債権者保護手続を行わなければならない。(会§810)
手続内容は、組織変更の場合と同様である(第1の1の(2)のウ)
(6) 株式移転の効果 †
完全子会社の株主は、完全親会社の成立の日に、株式移転計画の定めに従い、
親会社の株主、新株予約権者等となる。(会§774-2,3)
(2)のケの定めがあるときは、完全親会社の成立の日に、株式移転計画新株予約権は消滅し、
その新株予約権者は、株式移転計画の定めに従い、完全親会社の新株予約権者となる。(会§774-4)
株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、
完全親会社は、その成立の日に、当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する。(会§774-5)
２ 登記手続 †
完全親会社の株式移転による設立の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない(商登§90)
(1) 株式移転計画書
(2) 完全親会社に関する書面
新設合併による株式会社の設立の登記において
添付すべき新設合併設立株式会社に関する書面と同様である(第2の2の(2)のアの(ｲ)参照)
(3) 完全子会社の手続に関する書面
ア 完全子会社の登記事項証明書
イ 株式移転計画の承認機関に応じ、株主総会又は種類株主総会の議事録
ウ 債権者保護手続関係書面
エ 当該会社が株券発行会社であるときは、株券提供公告等関係書面
オ 完全子会社が新株予約権を発行している場合において、その新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる完全親株社の新株予約権を交付するときは、新株予約権証券提供公告等関係書面
![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
