法令ノート/刑訴法/証拠/証拠調べ手続

証人適格 †

証人 ⇒ 自己の経験に基づいて知りえた事実を裁判所に対して供述する訴訟の第三者

Ｑ被告人の証人適格(被告人がすすんで証人になることを求めたとき証人尋問できるか)
→否定
(理)
被告人の黙秘権（311条）がある以上証言義務を負わせることは矛盾する。
また、
これを認めるなら、すすんで証言をしない者には後ろめたいことがあるとの推認が働くおそれがある。

Ｑ共同被告人の証人適格
→否定
(理)
黙秘権を有するのは被告人と同様であるし、
肯定すると、共同被告人の意思に反しても証人となしうるおそれがある。
また、証人適格を認めるための手続規定がない
但し、手続を分離すれば、証人として喚問できる。
(この者が自己負罪拒否の特権を有するのは通常の証人と同様である。）

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共同被告人の供述の問題点 †

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被告人としての供述 †

Ｑ証拠能力を認めうるか (被告人質問に答えて、共犯者の犯罪事実に関してなした供述の証拠能力)
→肯定
(理)
もとより、被告人に黙秘権が保障される以上、反対尋問権が当然には保障されない。
しかし
任意の供述を求めうる（§311-3）から事実上反対尋問権の行使は確保できる。

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証人としての供述(甲の供述を他の共同被告人(乙)に対する証拠とする場合) †

※ 共犯者と共同被告人との区別

┌──────┐　　　　　　   
│      ┌──┼─────┐   ① 共犯者である共同被告人 　
│共犯者│    │共同被告人│　 ② 共犯者でない共同被告人
│  ③  │ ① │    ②    │　 ③ 共同審理を受けていない共犯者
│      └──┼─────┘　
└──────┘

		甲の供述			Q 甲の証人喚問
		供述事項	乙の反対質問		Q 甲の証人喚問
１公判延の供述	(1)証人適格 (Q 甲の証人適格)			→ ×(通説) (理) 被告人は黙秘権を持つ｡ (§311) これに対して､証人は供述義務がある｡ ∴ 同一手続内で被告人･証人の地位が併存すると､心理的混乱を招く｡	---
	(2)証拠能力 (伝聞法則の問題)	乙の公訴事実	応答	→ 証拠能力あり	---
		乙の公訴事実	不応答	→ 供述不獲得手続分離し、甲を証人喚問するほかない	・肯定説(通) ・否定説(田宮)
		甲の公訴事実	応答	→ 証拠能力あり	---
		甲の公訴事実	不応答	→ 供述不獲得手続分離し、甲を証人喚問するほかない。	・肯定説(通) ・否定説(田宮)
	(3) 証明力 (補強法則の問題)
２公判廷外の供述	(1) 証拠能力 (Q 甲の検面調書の根拠)			① §322説
				② §321-1②説(通判) (被告人以外の供述に関する§321による) (理) ①甲は、乙からすれば第三者である。 ↓∴ その供述録取書は通常の伝聞証拠。また ② 反対尋問権を保障する必要がある。
				③ 競合説(団藤)
	(2) 証明力 (補強法則の問題)

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鑑定 †

証人との比較知 P105

	証人	鑑定人
代替性	×	○
勾引	○(§152,153)	×(§171)
報酬	×(§164)	○(§173)
証拠能力の根拠	§321-1各号	§321-4
強制処分	×	○ (§168) 但裁判所の許可

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