強制処分に対する規制 † 
(1)強制処分法定主義(§197-1但) †
⇒ 法定されている場合にのみ実施しうる
Q 明文にない強制処分は一切許されないか
→ 許される
- (理)
§197-1但は、有体物に対する捜索・押収等古典的な処分を念頭に置いて、
令状主義のもと、司法的抑制による可及的な人権保障を図る点にある。
しかし
自覚的に法が明確に位置づけてこなかった捜査方法にまで及ぶものではない。
(科学技術の発展に伴う新しい捜査方法に対する規制を予定するものではない)
(2)令状主義(憲§33) †
⇒ 権限ある司法官憲の発付する令状によらなければならない
- (理)
強制捜査は、被疑者のみならず、関係者ないし一般市民の人権を侵害する可能性があるから、
強制処分に対して個別具体的に事前に司法的抑制を図ることにより対象者の人権保障を図る必要がある。
- 例外
�� 現行犯逮捕･準現行犯逮捕(§212)
�� 緊急逮捕(§213)
�� 逮捕に伴う捜索･差押(§220)
�� 被逮捕者の指紋の採取(§218-2)
�� 裁判所による捜索･差押(公判廷内)(§106)
�� 裁判所による検証(公判廷の内外を問わない)(§)
�� 写真撮影･盗聴(§)
Q 明文の規定なく無令状による強制処分はができるか
→できる
- (理)
強制処分法定主義(§197-1但)の趣旨は、
令状主義のもと、司法的抑制による可及的な人権保障にある。
ならば
令状主義の精神を及ぼす限りで、明文にない強制処分も許される
![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
