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構成要件 → 刑罰法規に規定された違法かつ有責な処罰に値する行為

目的犯一定の目的を主観的構成要件要素とする犯罪
結果犯構成要件の要素として結果を必要とする犯罪
挙動犯構成要件的行為としての人の外部的態度があれば足り、結果の発生を必要としない犯罪
侵害犯法益を侵害したことが構成要件要素になっている犯罪
抽象的危険犯社会通念上法益侵害の可能性があるものとして類型化された犯罪
具体的危険犯法益侵害の危険が構成要件要素となっている犯罪
即成犯構成要件的結果の発生によって
法益侵害が発生し、
犯罪も既遂となる
その後、行為者が関与せずに
法益侵害の状態が継続する
状態犯その後、行為者が関与して
法益侵害の状態が継続しても
犯罪とはならない
継続犯その後、法益侵害が継続している間は
犯罪の継続が認められる


(一) 構成要件の構造と要素 Edit

構造 (Q 違法類型か責任類型でもあるか) Edit

客観的要素 Edit

擬臑 Edit

Q 法人の犯罪能力

結果 Edit

行為 Edit

行為論に求められるもの広狭の別
(1)限定機能外部に法益侵害をもたらさないものを除外する(処罰範囲を限定する)
↓BUT
上記以外は全て処罰の対象となるものでなければならない
(2)前提機能構成要件・違法・責任という、主観・客観の両方の前提となるものでなければならない。
(3)統合機能構成要件・違法・責任が統合して説明されていなくてはならない

刑法上の行為とは → 身体の動静(自然的行為論)

(理)もともと、(1)(2)と(3)は相矛盾する。
↓ ∴
どちらかで割り切るしかない。
↓そこで、
限定機能をはたしてさえいれば足りる。( ← (1)で割り切る。)

忘却犯(Q 母親が睡眠中に乳児を圧死させる行為は、刑法上の行為か) →肯定

  • 実行行為 → 犯罪の結果発生の現実的危険を有する行為
    →構成要件の予定する結果を惹起する程度の類型的な危険を有する行為
    (理)刑罰法規は一定の法益保護を目的に規定されているので、その点から実行行為の内容を判断すべき。

 「危険」→行為時に一般人が感ずるであろう現実の危険
 (理)一般人に処罰範囲を明示するものだからである。

不作為犯 Edit

不真正不作為犯→作為の形式で規定されている構成要件を不作為によって実現する犯罪 

作為義務の体系上の地位

  • 成立要件
    1. (1)実行行為性があること ← 不作為が結果発生の危険を有するかぎり認めうる。
      1. )[Ь紊虜邂抖遡海あること
        (理)
        不真性不作為犯については構成要件に作為義務が明示されていない。
                 ↓∴
        処罰範囲が無限定になる恐れがある.
                 ↓そこで、
        作為義務によって成立範囲を限定すべき。

        作為義務の発生要件
        結果発生の現実的危険が生ずること(結果発生の危険性)
        結果防止が可能であること(結果防止の可能性)
        行為者に被害者(法益)保護が社会通念上依存していること

        依存関係発生の根拠→法令・契約・事務管理・先行行為による
        (依存関係)
        結果防止のための作為が可能であったこと(作為可能性)

         

      2. ∈邂抖遡海生じたのに作為に出なかったこと


        Q 積極的意思が必要か

    2. (2)不作為と結果との間に因果関係があること
      1. ‐魴鏨愀犬あること(この場合は例外的に、仮定的条件関係があれば足りる)
      2. ∩蠹性があること
  • ひき逃げ事犯の罪責(殺人罪・保護責任者遺棄罪の成否)


    要求されるべき作為義務の程度・内容

因果関係 Edit

→実行行為と構成要件的結果の間にある原因と結果の関係
(構成要件該当性の問題 VS 発生した結果に対する客観的帰責の問題)

要件(因果関係の有無) Edit

  • 要件(1)実行行為が存在すること
  • 要件(2)条件関係(AがなければBがないであろうという関係)があること
仮定的因果関係択一的競合重畳的因果関係
複数の独立した行為が競合して結果を生じさせたが、
いずれの行為もが単独で同じ結果を発生させることができた場合
単独では結果を発生しえない行為が
二つ以上重なり合って結果を発生した場合
Aが車でXをひいたが、
Aがひかなくても後続のBが車でひいたであろうとき
条件関係公式からすると、Aの行為とXの死は条件関係がないのか
XYが(意思の連絡なく)Aを殺そうと同じウイスキーに致死量の毒を入れる。
Xの行為がなくてもAは死亡したし、Yの行為がなくてもAは死亡したといえる。
そうすると、
XYの行為と死の結果との間には条件関係がないことになるのか
Q 条件関係あるある各行為にある
(理)AがXをひかなければ結果は発生しなかったからである。
条件関係はあくまで現に発生した行為についてのみ考えるべき。
(この公式を
仮定的な他の事実をつけ加えて判断することは許されない)
XYが致死量の半分の毒しか入れていない場合は
二人とも条件関係が認められる。
よって、この結論は妥当でない。
また、危険な行為をしながら未遂に止まるのも不合理。
そこで、
条件関係の公式を修正し、
すべての行為を除けば結果が発生しない場合、
すべての行為につき条件関係を認めるべき。
とすると
XYの行為を一括して除けば結果が発生しない。
だから、条件関係は認められる。
  • 要件(3)相当性があること

−広義の相当性判断(行為時に特殊事情が存する場合)−
→その行為からその結果が生じることが社会通念上相当といえること(相当因果関係説)
(理)条件関係は無限に広がるおそれがあるから、条件関係のみでは犯罪の成立範囲を限定できなくなる。
 
Qでは、相当性判断のためにはいかなる事情を基礎として考えるべきか

客観説主観説折衷説
判断資料々坩抻の全事情
⇒集可能な行為後の事情
々坩拏圓認識しえた事情
行為者が特に認識していた事情
^貳命佑認識しえた事情
行為者が特に認識していた事情
(理)経験則上偶然的結果でないものを
基礎事情から排除できない。
一方で
因果関係は行為者にとり偶然的事情を
帰責の範囲から除外するためである。
基準科学的一般人一般人一般人

−狭義の相当性判断(行為後の異常な因果経過の場合)−

検討の手順類型
(1)原因行為の危険性まず、(1)が結果に及ぼした影響の大小
(2)介在事情の異常性次に、(2)により生じた
  当初因果の変更が
  行為者に帰責されるか否か
ー己の行為
被害者の行為
B荵絢圓旅坩
(3)介在事情の寄与度さらに、(2)により生じた当初の因果の変更度



※概括的故意
→第一の行為により意図した結果を実現していないのに実現したものと誤信し、第二の行為に出たところ、それによって意図した結果が実現した場合

Q1 第一の行為と第二の行為を区別して評価すべきか

→第一の行為と結果との間に因果関係があるか否かによる
↓そこで
上記(1)〜(3)を検討する
↓その結果


因果関係行為の個数処理
あり1個第1行為の罪責 → 殺人罪(故意不阻却)(←因果関係の錯誤)
第2行為の罪責 → (2)[犒 ∴→ 刑法上は評価しない
なし2個第1行為の罪責 → 殺人未遂罪
第2行為の罪責 → 過失致死罪(故意阻却)(←抽象的事実の錯誤)

Q2 因果関係の錯誤は故意(§38-1「罪を犯す意思」)を阻却するか

主観的要素 Edit

故意 Edit

総説 Edit

Q 認識の程度(Q 故意責任を問うにはどの程度の認識を要するか)(意欲までも要するか)


故意の要件(未必の)故意と(認識ある)過失の区分の基準
外部事情による内心事情による
表象説(前田)事実認識蓋然性説

未必の故意→犯罪事実を認識、but結果発生が蓋然性である
認識ある過失→
−−−−
意思説事実認識
+
実現意欲
−−−−認容説
動機説認識した事実を
動機としたこと
−−−−動機説

故意論(行為の認識対象) Edit

Q いかなる主観的事情がれば故意(§38-1「罪を犯す意思」)があると言えるのか
→一般人ならば当該犯罪類型の違法性を意識を持ち得る事実(実行行為性)の認識
(理)

刑罰シテムが有効に機能するには、
国民の規範意識からみて故意犯に見合うだけの非難を向ける主観的事情が必要。

Q このような認識があるといえるには(認識の対象)

実行行為これがあれば、一般人ならその罪の違法性を意識しえるに
必要かつ十分である
構成要件的結果
因果関係不要

Q1 規範的構成要件要素(裁判官の規範的・評価的な価値判断を有するもの)の錯誤
→ 素人的な認識があれば故意責任を問いうる。
(理)

構成要件の要素である以上、行為者に故意責任を問いうるにはその認識が必要である。
しかし、
その内容についての正確な認識を素人に求めることは不可能である。
(1) 公務執行妨害罪の適法性の錯誤
(2) 名誉毀損罪における真実性の錯誤
(3) 不作為犯における作為義務の錯誤
(例 父親が容易に助けられるのに子供を助けなかった)
(歉攷妖地位を構成要件要素、保証人的義務を違法要素と二分して処理する見解
(批)このような区分は必ずしも明確になしうるものではない。
一般の故意論により処理する。(大谷)

作為義務は規範的構成要件要素。

規範的構成要件要素は、素人的認識としての、意味の認識を要する。

素人的認識として作為義務があるとの認識があれば、故意は阻却しない。
他の子供が溺れていると考えた場合事実の錯誤
(故意阻却)
そもそも作為義務を認識していないから
自分の子供が溺れているのに助けなくてよいと考えた場合違法性の錯誤
(→故意不阻却)
素人的認識として規範の問題は与えられていたから


Q3 違法性に関する事実に錯誤ある場合故意は阻却しない(理)構成要件に該当する事実についての認識はある。
違法性の意識の可能性がない場合は、責任阻却(理)違法性阻却事由を認識している以上、行為者は違法性の意識を持ち得ない可能性がある。
  • 違法性の意識の取り扱い(Q 故意の成立に、行為の違法性を意識したことを要するか)
    ※ 違法性の意識→自己の行為が法律上許されないという意識
(1) 不要説(判)
 (批)不可抗力によって違法性の意識を欠いても処罰するのは、責任主義に反する
(2) 厳格故意説
 (批)違法性の意識ない場合は処罰できないとすると、
     確信犯・行政犯の処罰において不都合を生じ、妥当でない。
(3) 制限故意説
(4) 自然犯法定犯二分説
(5) 制限責任説
(6) 厳格責任説(大谷)
    →違法性の意識は故意の成立には不要である
      違法性の意識は、故意とは別個の責任要素である。
      行為者に違法性の意識の可能性がなかった場合には、責任を阻却する

故意の要件(認識対象)§38-3の意味

構成要件
(人を殺す)
違-阻却事由の不存在
(正当防衛ではない)
違法性の意識
(悪いことだ)
本文
(「法律」とは)
但書
(適用場面)
厳格故意説
  (大塚)
法律の条文

条文あてはめの錯誤は、
故意不阻却
条文を誤ったが、
違の意識が、
あるする場合
制限故意説
  (団藤)

OR
違の意識可能性
違の過失も
処罰する旨の
特別規定
過失なので、
軽減の余地を
認めたもの
法律の条文

条文あてはめの錯誤は、
故意不阻却
違の意識は可能
but
困難だった場合
制限責任説
  (平野)
×
(責任要素)
違の意識
+
違の意識可能性
法律

法の不知により、
違の意識が欠けても、
故意不阻却
厳格責任説
  (大谷)
×
(責任要素)
違-阻却事由の不存在
+
同上の認識可能性
×
(責任要素)
違の意識
+
違の意識可能性
判例(前田)
(裸の事実の認識)
+
(社会的意味の認識)
×違の意識が欠け、
宥恕すべき場合

あてはめの錯誤 Edit

故意の認識対象錯誤の区別あてはめの錯誤
裸の事実必要事実の錯誤×
社会的意味
(例:「わいせつ」)
法的意味
(例:「他人」性)
行為の法的評価×法律の錯誤
条文・刑罰法規×法律

錯誤論(事実の錯誤による故意の阻却) Edit

態様事実の錯誤
客体の錯誤行為は認識どおりの客体に向けられたが、
その客体の性質が認識と異なる場合
方法の錯誤行為自体が認識内容と異なる客体に向けられる場合
因果関係の錯誤行為者が認識した因果の経過と
現実に発生した因果の結果とが一致せずに
予期した結果が発生した場合
×
(因果関係は、故意の認識対象でない。)
  • 具体的事実の錯誤(同一構成要件内の錯誤) (法定的符合説VS具定適符号説)
    →認識した内容と発生した事実がおよそ構成要件の範囲内で符合していれば故意がある。
    (理)
    故意責任の本質は…(故意責任の本質について論じて)
    とすれば
    構成要件に該当する事実さえ認識していれば故意責任を問いうる。

※ 故意の個数論
Q 犯罪結果を一つの客体に発生させる意図で、二つの客体に発生させた場合には複数の故意が成立するか
→成立する
(理)

々柔要件の範囲内における認識の一致しか問題としない。∴→ 故意の個数は問題とならない
△海里茲Δ鵬鬚靴討癲⇔昇瓩牢冉暗競合となるから、刑の不均衡は生じない
  • 抽象的事実の錯誤(異なる構成要件間の錯誤) (法定的符合説VS抽象的符号説)
    → 認識の内容と発生した事実とが2つ以上の構成要件にまたがって食い違っている場合

構成要件該当事実の認識がなければ規範の問題は与えられないから、
その認識がない場合に行為者を処罰することはできない。
従って、
故意は阻却される。
但し、
構成要件に実質的な重なり合いが認められる限度で反対動機を形成できる。
従って、その限度で故意責任を問いうる。

Q1 実質的重なり合いの有無の判断基準(符合の有無の判断基準)
→々坩拌嵳諭及び∧欷酲 ̄廚龍δ明により判断する(法益符合説)
(理) 犯罪とは法益侵害行為なので

Q2 符合の有無(理)
窃盗と占有離脱物横領
(占有離脱物横領が成立)
両者ともに、
保護法益→財産権。
行為態様→領得行為
有形偽造と無形偽造
(虚偽文書作成罪が成立)
正犯と狭義の共犯
(正犯の故意で狭義の共犯を招来した場合)
狭義の共犯間
(教唆の意思で幇助を招来した場合)

過失 Edit

体系的地位( Q 犯罪論体系のいずれの段階で検討すべきか) Edit

過失とは →注意義務を怠る内心の態度

過失犯の実行行為→客観的注意義務違反

過失の主観的事情は、責任段階で判断する。
(理)客観主義刑法を徹底させる立場は、判断対象も客観的であるべきである。
(批)
客観主義とは判断基準が客観的であることを要求しているのであり、判断対象まで客観的である必要はない。

律上要求される義務を払っても結果が避けえない場合に処罰するのは不当である。
そこで、
過失犯は違法性のレベルでも取り上げるべきである。(注意義務違反という違法行為を行うものと考える)
(理)
複雑な現代社会においては,社会的に有用な行為について,必要とされる注意を尽くした場合には,たとえ結果が生じたとしても,違法と評価すべきではない。

しかも、
構成要件の問題でもある(過失の有無は、まず構成要件段階で取上げ判断する)
(理)結果が不可抗力で発生する場合は構成要件該当性もないから、

なお
理論的にはその後の違法性・責任でも過失の有無が影響することになるが、
構成要件段階で過失があれば、後の段階ではこれがある。

事実上、構成要件段階以降では、過失の有無についての判断をする必要はない。

構造 (注意義務違反・予見可能性の内容)(旧過失論VS新過失論VS新新過失論) Edit

成立要件 Edit

過失の種類 Edit

Q 業務上過失の刑の加重理由

◆ 信頼の原則
 複数の者が関与する事務に関して,他の関与者が規則を守り適切な行動をとることを信頼するのが相当な場合には,
 たとえ他の関与者が不適切な行動をとり,それと自己の行動とが相まって構成要件的結果が発生しても,

 行為者は,それに対する過失責任を問われないとする原則
Q 根拠(許された危険の法理)
Q 過失犯の構造との関係
Q 適用範囲

結果的過重犯 Edit

→基本犯から生じた結果を重視して、基本犯に対する刑よりも重い法定刑を規定した犯罪

  • 処罰根拠
    →基本となる犯罪に重い結果発生の危険がある
    (基本犯は、重い結果を生じさせる高度の危険性を含んだ犯罪である故に、
    それを特に重く処罰しようとしたものである)
  • 要件 (Q 重い結果の発生に過失ないし予見可能性は必要か)
    →不要(基本となる構成要件該当行為と重い結果との間に因果関係があれば重い結果について責任を問える)
    (理)
    責任主義の観点からすれば、
    重い結果について過失が認められない限り、責任は問えないはずである。
    しかし、
    もとの行為から当然予想されるその射程範囲内の波及効果として発生した重い結果は、
    責任を問うても責任主義には反しない。



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Last-modified: 2018-12-24 (月) 12:15:58 (846d)