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(一) 心裡留保(§93)  Edit

本条の趣旨 Edit

効果 Edit

原則 有効(§93本)
例外 無効(§93但)

Q 心裡留保の無効を善意の第三者に対抗できるか [47]

適用範囲 Edit

Q1 代理人が権限を濫用して法律行為を行った場合に本条を類推適用できるか
(例 土地の売却の代理行為→代金着服のつもりで代理行為)

(1) 93条但書類推適用説 [48]
(2) 信義別説 [49]

代理行為として意思表示する際、本人の為にすることを示すことが必要であるが、本人の利益をはかる必要はない。
従って、表示と真意との間に不一致はなく代理行為は原則有効である。
しかし、権限濫用された代理行為が完全に有効であるとすれば、本人にとって酷である。
そこで、本人に効果帰属させる意思と、自己の利益をはかる真意との間には心裡留保類似の関係が認められる。
そこで、§93を類推適用して決すべきである。
具体的には、原則代理行為は有効である。
但し、相手方が、代理人の真意について知り、または知りうべき時には代理行為は無効になる。

代理人が本人をだますつもりで相手方と通謀して虚偽表示をした。
Q2 相手方(丙)は乙の意思表示の効果を本人(甲)に主張できるか [50] 答P183
(代理人が相手方と行った通謀虚偽表示につき本人は責任を負うか)
→代理人に通謀して本人をだます権限はない。
従って、代理人は相手方の意思を伝える使者として行動しているに過ぎないと構成すべきである。
そこで、相手方がそうと知りながら、真意にない表示をしているので、§93により決すべきである。
従って、
代理人の意思表示は→原則として有効(§93本文)
本人が相手方の真意について悪意・有過失なら無効(同条但書)

  本人(甲)
金↑ │             S14,9,22
銭│ │代理権授与        S14,12,6
交│ ↓                     Q甲は契約の成立を主張して
付                         丙に金銭の返還請求ができるか
  代理人(乙) ───────── 相手方(丙)
  but      金銭消費貸借契約
  乙は金銭を消費   ─────→ 
  そこで       金銭交付
  丙と通謀し     ←───── 
            借用書差入(but 仮装)

(二) 虚偽表示(§94) Edit

1要件 Edit

(2) 要物契約で要物性の要件を充たさない場合、94条2項の適用があるか [52]
(5)  虚偽表示を詐害行為として取消し得るか [60]
(3) §94-2「第三者」
一般的意義(Q§94-2「第三者」とは) [53]
→‥事者及び包括承継人以外のもので、

 虚偽表示に基いて新たに独立の利害関係を有するに至ったものをさす

(理)
条文上からは「第三者」の範囲に限定がない。
しかし、
利害関係が無い者に虚偽表示の無効主張への対抗を認めたところで、意味がない。
そこで
§94-2による保護に値する者者だけをさすとすべき。

土地の仮装譲渡受人が勝手に建てた建物の賃借人〈賃家人)は該当するか [54]

善意の判定時期
無過失の要否(Q 第三者は、善意の他に無過失でなければならないか) [57][58] →不要
(理)虚偽表示をした者は、帰責性が強く、その前では有過失のものも保護に値する。

ヅ亠の要否( Q 対抗要件を具備する必要があるか) [59]
→不要
(理)
§94-2「第三者」は、承継取得で、目的物を取得した者であり、実質的に当事者と同視しうるからである。
  
転得者が含まれるか [55]

→含まれる

(理)
94条2項の目的は、権利者が作出した外観に対する信頼を保護することにあるから、
同じ論理が転得者に対しても妥当しうる。
すなわち、
直接の第三者が悪意で保護されない場合、
真の権利者は不動産を早く取り戻して実際の権利関係に合致しない外観を取り除くべきであり、
それをなさないうちに、外観を信頼した転得者が出現したのなら、
直接の第三者が保護されるのと同じ理由で、転得者は保護される

従って、
。辰悪意、Dが善意の場合→、九四条二項の第三者として、Dは保護される。
それでは、
■辰善意、Dが悪意の場合(Q、Dは保護されるか)
Cを追奪担保責任から逃れさせる必要性があるし、
法律関係も早期に安定させることが要請される。
よって、
一人でも善意者がでたら、以降、虚偽表示に基づく行為は有効になる
但し、
悪意者が、善意者を介在させ、脱法をするおそれがある。
右のような場合は、善意者の後の悪意者と雖も保護されないと解する。

無効主張の適格者
二重譲渡が絡む場合の取扱い

(4) 絶対的構成 [56]
(Q 第三者が善意で転得者が悪意のとき、転得者は保護されるか)

2効果 Edit

3§94-2の適用範囲 Edit

§94-2の趣旨 Edit

→虚偽の外観作出に帰責性のある真の権利者の犠牲の下、これを信頼した第三者の保護

要件1 虚偽の外観

   2 真の権利者の帰責性

  3 相手方の善意(無過失)

虚偽登記を現出せしめた者に§94-2を類推適用して
善意の第三者に対しては登記の無効を主張することを封ずることができるか 思P129,182

Q1 §94-2の適用(類推適用)範囲を拡張してよいか
    それとも制限すべきか(意思表示本質論との関係)(類推適用の必要条件)

Q2 実体法上の意思表示に関する規定を
    登記申請行為(公法上の行為)に適用してよいか (類推適用の十分条件)

Q3 これを認めると登記に公信力を与えたと同様な結果となるがそれでもよいか

     q1 現行の登記制度においてどの程度登記に公信力を認めてよいか

         そもそも登記に公信力が認められないのは何故か
       
        では登記に公信力を認めるべき事情があるか
     
      q2 ではいかなる要件の下に§94-2の類推適用を認めるべきか

Q片面的仮装表示の場合も類推適用できるか

不動産譲渡担保への類推適用の可否

詐欺・強迫・無能力・錯誤により無効(又は取消)である場合に
本条を類推起用して第三者を保護すべきか

(1) 甲が勝手に乙の知らない間に乙名義に不動産の所有権移転登記をしていた。
後に乙がこれを奇貸とし、善意・無過失の第三者丙に当該不動産を売却した場合の丙の保護 [51]

(6) 不動産が甲から乙、乙から丙へと移転した後
(甲乙間は虚偽表示、丙は善意・無過失)、甲が当該不動産を丁に譲渡した。
丙丁の優劣関係(丙は移転登記を受けておらず、登記は依然乙にある) [61][62]

(三) 錯誤(§95)→内心的効果意思と表示との不一致を表意者自身が知らないこと Edit

要件 Edit

1 意思表示の「要素」に錯誤があること
→「要素の錯誤」とは、法律行為の重要部分の錯誤であり、
もし錯誤がなかったら法律行為をしなかったであろうと一般的に認められる場合

2 表意者に重過失がないこと

(1) 動機の錯誤は§95の「錯誤」にあたるか

動機表示必要説 [63]
動機表示不要説 [64]

動機の錯誤においては、効果意思と表示の間に不一致はない。
従って
動機の錯誤はそのままでは九五条の錯誤にあたらない。
しかし
表意者を保護すべき場合は動機に錯誤ある場合が多い。
しかも内容の錯誤と動機の錯誤との違いは紙一重である。
そこで
動機が表示されたときには、法律行為の内容となるので、九五条の対象になる

錯誤が問題となるケースの多くが動機の錯誤が問題となるのに、これを認めなければ表意者の多くが保護されない結果となり、95条の趣旨が表意者保護にあることからも不都合である。
そこで、表意者が意思表示の段階で‘圧,鯡声┐發靴は黙示に表示しており、
  △修虜誤が要素の錯誤に該当する場合は、
  表意者は錯誤無効を主張できるものと解する。
要素の錯誤とは、表意者が意思表示の内容の主要な部分とし、
この点について錯誤がなければ”衆媼圓楼媚徂充┐鬚靴覆ったであろうし、

                             意思表示をしないことが一般取引上至当と認められるものをいう。

■【論点】 相手方の主観的事情を考慮するか

95条には相手方保護規定が付されていない。
相手方の主観的事情を考慮する必要はないか。
思うに、錯誤を無効とする実質的な目的は、表意者の保護にある。
そして、
表意者に重過失あるときは、95条が表意者を保護する必要がないと考えているのだから、結局誰も無効主張できない、と解すべきである。
また、Aに重過失のないときであっても、表意者が無効を主張する気がないのに、相手方や第三者からの無効の主張を認める必要はないともいえそうである。
しかし、
詐欺取消の場合は善意の第三者が保護されるのに、錯誤無効で保護されないのでは、自分で勝手に勘違いした場合を想定している錯誤よりも他人に騙された詐欺の方が本人保護の要請が強いはずなのに、96条3項によって、逆に表意者の保護が薄くなってしまい、均衡を失する。
そこで
錯誤の場合にも96条3項を類推して第三者保護を図るべきである

効果 Edit

(2) 錯誤無効の主張の可否

   (1) 相手方による錯誤無効の主張 [65]
   (2) 第三者による錯誤無効の主張     思P127
    〕弖                      [66]
    ◆〆銚⊆埖絨鵡柔説          [67]

(3) 錯誤無効と善意の第三者の保護 [68][69](Q 96-3を類推適用できるか)

適用範囲 Edit

錯誤と詐欺の関係(Q 詐欺が同時に要素の錯誤(95条)を招くときの取扱い) [78]

錯誤による意思表示を為したことについて、重過失ある者は、錯誤無効の主張ができない(九五条但書)。
しかし
かかる錯誤が詐欺によって引き起こされた場合、詐欺するものの要保護性は低い。
従って
重過失あっても錯誤無効の無効主張はできる
このように解すると、表意者には錯誤無効の主張と、詐欺取消の二つの主張を為すことが考えられる。
そこで、…(無効と取消の二重効 → 前述)

(4) 和解契約と錯誤 [70]

(5) 瑕疵担保責任(566条・570条)と錯誤 [71]

瑕疵担保責任が認められる場合、錯誤の主張も考えられるが、両者の関係はいかに解すべきか。
→担保責任の規定が優先して適用される。
(理)
錯誤の主張は期間制限がない。
従って
錯誤の規定が適用されるとすれば、
売買の法律関係を短期に確定させようとした法の趣旨が没却される。

しかし
わざわざ立証の困難な錯誤を立証してきたのに、瑕疵担保でなければだめだとして棄却するのは適当ではない。
そこで
当事者の主張に応じて瑕疵担保なり錯誤なりを認めればよいと考える。
ただし、錯誤主張に期間制限がないのが問題なので、信義則上妥当な期間に制限する必要がある。

(6) 錯誤無効によって相手方が損害を被った場合、錯誤者は損害賠償責任があるか [72]

(7) 表見代理が成立する場合、本人は錯誤無効の主張ができるか [73]

(四) 詐欺(§96) Edit

 96条3項の第三者→取消前に、詐欺によって作出された法律関係を前提として利害関係を有するに至った者 Edit

(理)九六条三項の趣旨は、取消の遡及効を制限し、第三者を保護する点にある。

(1) 無過失の要否 [76]
→必要
(理)
条文上は、主観的要件として善意しか要求されていない。
しかし
九四条の場合に比較し、本人保護の必要性が高いから

         

(2) 対抗要件の具備の要否 [77]

Q 甲(被欺岡者)→乙(欺間者)→丙(善意・無過失)へ不動産が順次売却された場合の法律関係 Edit

(1) 通説・判例 [74]

九六条三項は取消後の第三者には適用されない。
そこで、取消後の第三者と本人とはいかなる法律関係に立つのか
取消後の第三者は、単なる無権利者と取引をしているに過ぎない。
しかし、一切保護されないとするのは取引の安全を害し妥当でない。
思うに、遡及効と雖も現実的には、取消が為された場合、被詐欺者への復帰的物権変動を観念しうる。
そうすると、詐欺者を中心として二重譲渡類似の関係となる。
従って、登記の有無で本人と第三者とのいずれが優先するか決する。

(2) 四宮説 [75]

 第三者による詐欺 Edit

(五) 強迫 Edit

(1) 強迫による取消と善意の第三者の保準 [79]
(2) 動産取引における96条3項(94条2項・545条1項但書)と192条の関係

   (動産が甲↓乙↓丙と売却され、甲が乙の詐欺を理由に取消した場合
    (あるいは甲乙間の契約が虚偽表示の場合)の甲丙の関係) [80]

(3) 瑕疵担保責任(566条・570条)と詐欺 [81]



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Last-modified: 2009-12-21 (月) 02:43:44 (3613d)