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一、序論 Edit

二、取得 Edit

1. 占有権と相続 Edit

(一) 甲所有の家屋を乙が賃借していたが、乙死亡後、乙の相続人丙が乙所有の家屋であると信じて、10年間現実に右家屋に居住・占有した。 [189]

    丙は家

Q 相続が§185の「新権原」にあたるか
例 父親が家を借りて住む→相続した子供が、自分の家だと思い、税金を払い続ける
   ↓
  貸主が契約解除・建物明渡を請求

目的物を時効取得するための占有は自主占有でなければならない。
父の占有は他主占有である。
そこで
Q 相続により他主占有が自主占有に変更するか(§185)

185条(他主占有から自主占有への変更)の趣旨
→永続した事実状態の尊重と時効中断の機会の保障との調和
要件;1 所有の意思の表示、又は
   2 新権原による占有開始

→肯定(相続も§185「権限」にあたる)
(理)
相続は包括承継だから、単に相続があったのみでは占有がその性質を変じることはない。
しかし、
相続に加え、所有の意思を示すべき外形的事実が存在した場合は、
占有態様が自主占有に変じたと見うる。

(二) 187条1項の「承継人」の意義(Q相続人を含むか) [190]

例 Aが善意で無権限占有(5年) → Bが悪意占有(6年)

                              譲渡

QBは時効取得できるか?(占有の承継取得者は「瑕疵も亦之を承継す」る(§187-2))

(理)
自己の占有を前主の占有と併せて主張できる(§187-1)
これは、前主・後主の占有が一個であるとみなしているからに他ならない。
そして
単独で占有をしていた場合、途中で悪意となっても善意占有とされるから、
このような場合との均衡をはかる必要がある。
従って、
自己の占有と前主の占有を併せ主張する場合は、前主の占有の性質をもって、自己の占有を主張できる。

三、効力 Edit

1. 占有訴権
2. 権利の推定
3. 果実集取権
4. 回復者との関係

  • 滅失・毀損に対する責任
  • 費用償還請求権

占有訴権 Edit

(一) 本権との関係 [191]
(二) 198条などの「損害賠償」の意義 [192]
(三) 占有の交互侵奪 [193](甲から乙が物を盗み、甲が実力で乙から奪い返した。 乙は甲に占有回収の訴えを提起できるか)

占有回収の訴え

論点】悪意は無過失を含むか
目的物の素性について善意の者には占有回収の訴えを提起できない(二〇〇条二項但書)
§200「善意」とは善意・有過失も含むか。
→肯定(有過失ある占有者にも占有回収の訴えは提起できない)
(理)
善意者の下に占有が移転した場合、占有状態が平穏に落ち着いたといえる。
本条の趣旨は、そのような平穏な占有を保護する点にある。
そして、
有過失でも右の理に変わりはない。
 

果実収取権 Edit

(一) 189条1項の果実を「取得ス」の意義 [194]
(二) 189条・190条と703条・704条の関係 [195][196]

(無能力者甲は法定代理人の同意を得ないで自己所有の家屋を乙に売り渡し、乙はこれを丙に賃貸したが、その後甲は、甲乙間の売買契約を取消した。
Q 乙の賃料の返還義務如何

(1) (通判)の立場 
(2) 不当利得類型論の立場

占有者と回復者との関係 Edit

善意占有者悪意占有者
(実収取権 (注1)を包含する)
本権ありと誤信する占有者
本訴の敗訴者(起訴の時から) (§189-2)
強暴・隠秘による占有者   (§190-2)
果実収取権
(一切返還不要)
(§189-1)
×
果実(※)は返還
かつ
価格賠償
(§190-1)
損害
賠償
請求権
要件\衢者の責による
∪衢物の滅失・棄損
範囲所有意思 有所有意思 無損害全部
(§191本・前)
現存利益
(§191本・後)
損害全部
(§191但)
費用
償還
請求権
必要費必要費
(但 果実を取得すれば通常の必要費の償還請求不可)(§196-1)
必要費
(§196-2)

(価格増加が現存する場合で
(回復者が選択した)
費やした金額or増加額)

(同 左)
(但 裁判所による期限の許与 可)

(注1) 果実収取権者
     所有者 (§206)
     地上権者 (§265)
     永小作権 (§270)
     不動産質権 (§356)
     引渡前の売主(§575)
     使用借主 (§593)
     賃借人 (§601)
     親権者 (§828)
     受遺者 (§992)
(注2) ・消費した果実、・果実の棄損、・収取を怠った果実

費用償還請求権 Edit

請求権者相手方範囲時期
占有者(196)
抵当物件の第三取得者(391)
買戻実行の買主 (583-2)
回復者

売主
必要費(但 果実を取得した場合は通常必要費×)

有益費(価格現存の限度で費やした金額・増加額)
物の引渡時

同 上(但 期限許与可)
留置権者(§299)
質権者 (§350)
所有者全必要費(∵ 果実は利息・元本に充当 可)請求時
有益費(1と同じ)同 上(但 期限許与可)
賃借人(§608)賃貸人必要費支出後直ちに返物後1年内
(§622)
有益費(1と同じ)賃貸借終了時
使用借主(§595-2)貸主特別必要費 (∵ 通常必要費は借主の負担)物の返還時
有益費(1と同じ)同 上(但 期限許与可)
受任者(§650-1)
受寄者 (§665)
業務執行組合員 (671)
委任者
寄託者
組合員
全必要費 + 支払日以後の利息費用前払請求 可(§649)
事務管理者(§702)本人有益費(本人の意に反する時は現に利益を受ける限度)
遺贈義務者(§993)2と同じ
(但 果実収取のための通常必要費は果実の価格を超えない限度で可)

(三) 189条と不法行為責任 [197]



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Last-modified: 2019-10-26 (土) 20:29:47 (16d)