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#region(目次)
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*１意義､種類 【202】 [#k99c9231]
|手形抗弁|手形債務者が手形上の権利行使に対して主張できる、&BR;権利行使を拒むための一切の事由|
|手形&BR;抗弁|>|>|>|�ー蠏塑通骸圓�手形上の権利行使に対して主張できる、&BR;��権利行使を拒むための一切の事由|
|>|>|CENTER:分類|CENTER:民法|CENTER:手形法|
||債務の有効な成立を否定し、&BR;又は&BR;消滅させる事由|意思無能力|CENTER:物的抗弁|CENTER:物的抗弁|
|~|~|行為能力の制限|~|~|
|~|~|意思表示の瑕疵|~|CENTER:人的抗弁&BR;(判例)|
|~|~|無権代理･偽造･変造|~|CENTER:物的抗弁&BR;(判例)|
|~|>|証書の記載に基づく事由|~|CENTER:物的抗弁|
|~|>|時効による債務消滅|~|~|
|~|>|供託による債務消滅|~|~|
|~|>|除権判決|~|~|
|~|>|権利保全手続の欠缺|CENTER:----|~|
|~|証書の性質から&BR;当然に生ずるもの|証券の不呈示|CENTER:物的抗弁|~|
|~|~|署名捺印の無効|~|~|
|~|~|原因関係の&BR;不存在･解除･取消･&BR;無効･消滅|~|CENTER:人的抗弁|
|~|~|原因関係の&BR;解除権･取消権の存在|~|~|
|~|上記以外|同時履行の抗弁&BR;相殺&BR;支払猶予の合意|CENTER:人的抗弁|~|
|~|~|受戻なき支払&BR;記載のない一部支払|~|~|
|~|~|無権利者からの譲受&BR;(善意取得なし)|~|~|

**人的抗弁･物的抗弁の区別 [#re3adf0d]
||CENTER:物的抗弁|>|CENTER:人的抗弁(広義)|h
||CENTER:手形金支払請求をされる者が、&BR;誰に対しても主張できる|>|CENTER:手形金支払請求をされる者が、&BR;特定の者に対してだけ主張できる|
|||CENTER:人的抗弁(狭義)|CENTER:無権利の抗弁|
||||特定の者が、&BR;他の特定の者しか主張し得ない|
|||特定の者が、&BR;他の特定の者しか主張し得ない||
|｢全部支払済｣の記載&BR;(Q人的抗弁か)【203】||||
|原因関係不法の抗弁【206】||||
|当事者の原因関係に基づく抗弁&BR;(Q 法的性質)【204】||||
|有効性の抗弁 【205】||||
|原因関係不存在の抗弁&BR;(直接当事者間で&BR;原因関係が無効の場合)&BR;(Qなぜできるのか)【207】【208】||||
~
|人的抗弁の個別性|→ 各手形債務者は、自己の有する抗弁のみを主張することができ、&BR;他の手形債務者の有する抗弁を援用することはできない|
*２人的抗弁の切断    (§17) [#k87ee3f6]
 →手形行為自体については瑕疵がなく、
   手形外の法律関係に基づいて抗弁が生ずる場合に、
   害意なく取得した者に対して
   この抗弁を主張できないとする制度

**手§17本文と但書の趣旨 [#cbada06a]
Ｑ人的抗弁制限と｢悪意の抗弁｣の法律構成【210】

|CENTER:(1) §17本文の趣旨&BR;(人的抗弁を切断する理由)|CENTER:(2) §17但書の趣旨&BR;(悪意者に対して人的抗弁を主張できる理由)|h
|CENTER:�ー蠏曽紊慮⇒�の移転は、債権譲渡。(債権譲渡説)&BR;そして、&BR;�⊂�受人は、譲渡人が有していた以上の権利を取得し得ない。&BR;↓∴本来ならば、&BR;債務者が譲受人に全ての抗弁を主張できる(§468-2)&BR;↓しかし&BR;その原則を維持すれと、&BR;手形が転々流通する間に抗弁が増えるので、&BR;手形上の権利行使が困難になり、手形の流通を阻害する。&BR;↓そこで、&BR;手形取得者の保護を図り、手形の流通を図るため、&BR;手形上の義務者は人的抗弁を主張できないと定めた。|CENTER:人的｣抗弁の切断(§17本)は、&BR;手形流通促進の為の制度であるから、&BR;悪意者を保護する必要がない。|



**手形抗弁の制限が認められない場合 【209】 [#f7214d19]
|CENTER:理由||h
|1.取得者の保護をはかる必要がない|(1)債務者を害することを知りて取得した場合(§17-1但)|
|~|(2)取得者に固有の経済的利益がない場合&BR;    ・ 取立委任裏書の被裏書人&BR;    ・ 二重無権の抗弁が成立する場合|
|2.手形流通の促進の必要性がない|(3)手形法的方法によらない譲渡&BR;(4)期限後裏書|

***1.(1)害意者(§17但) [#e81fda04]
Ｑ ｢債務者を害することを知りて｣の意味【211】【212】
→満期日において、
債務者が取得者の前者に対して
手形金の支払を拒み得 かつ
拒むことが確実だと予測されるような事情を知っていること(河本フォーミュラー)
(理)
拒むことが確実でないとすれば、
必ずしも手形金の請求が債務者を害するとは言えないからである。
|Ｑ ｢債務者を害することを知りて｣の意味&BR;【211】【212】|CENTER:(理)|h
|�）�期日において、&BR;�∈通骸圓�取得者の前者に対して&BR;��手形金の支払を拒み得 かつ&BR;�さ颪爐海箸�確実だと予測される事情を&BR;�ッ里辰討い襪海�&BR;(河本フォーミュラー)|拒むことが確実でないとすれば、&BR;必ずしも手形金請求が債務者を害するとは言えない|
~
||>|CENTER:抗弁対抗の可否&BR;(支払を拒めるか)|CENTER:(理)|h
|�� 通常の抗弁|>|単に知っていれ足りる(原則)|これは確実に行使される。|
|~|>|(例外)&BR;善意者がいったん現れれば、&BR;その後現れた事情につき悪意者は保護される。|振出人は、善意者には手形金を支払わなければならない以上、&BR;事情に悪意でも害意あるとは言えない。&BR;しかも、&BR;そのように考えないと善意者の手形を譲渡する権利が制限される|
|�� 相殺の抗弁|>|抗弁が確実に行使されるという事情を知っていること|通常は行使されるか否か分からない。|
|�Ｍ残娘蠏舛旅格�&BR;(自分の信用を&BR;満期日まで他人に利用させるために&BR;振出された手形)&BR;&BR;(Q拒みうることが確実であり&BR;拒むことが確実な場合とは) 【217】|CENTER:実質的&BR;保証関係&BR;あり|CENTER:×&BR;融通手形であることを&BR;知っていても、&BR;振出人は拒めない。||
|~|CENTER:〃&BR;なし|CENTER:○|融通者と被融通者の間の債務不履行を知って手形を受け取った者は、&BR;振出人が保証人たることを拒むことを当然知りうる。|

�� 通常の抗弁
→単に知っていれば 害意あり(原則)
(理)これは確実に行使される。

�� 相殺の抗弁
→抗弁が確実に行使されるという事情につき知っている必要がある
(理) 通常は行使されるか否か分からない。
→但し、善意者がいったん現れれば、その後現れた事情につき悪意のものは保護される。
(理)
振出人は、善意者には手形金を支払わなければならない以上、
事情に悪意でも害意あるとは言えない。
しかも、
そのように考えないと善意者の手形を譲渡する権利が制限される

�Ｍ残娘蠏舛旅格�(Q拒みうることが確実であり拒むことが確実な場合とは) 【217】

［融通手形］→ 自分の信用を満期日まで他人に利用させるために、振出・引受などの手形行為がなされた手形

|実質的な保証関係|CENTER:抗弁対抗の可否&BR;(支払を拒めるか)|h
|CENTER:あり|CENTER:×&BR;融通手形であることを知っていても、振出人は拒めない。|
|CENTER:なし|CENTER:○&BR;(理)&BR;融通者と被融通者の間の債務不履行を知って手形を受け取った者は、&BR;振出人が保証人たることを拒むことを当然知りうる。|


***1.(2)固有の経済的利益論【218】 [#v96dd91c]

-二重無権(原因関係の二重欠缺)【219】
Ａ→Ｂ→Ｃと手形が流通したが、ＡＢ間・ＢＣ間の原因関係が不存在の場合
&color(red){Ｑ}; ＣはＡに手形金を請求できるか
~
(問題の所在)
ＢのＣに対する抗弁をＡは対抗できない(§17但)
Ａは、ＢのＣに対する抗弁を主張できない(§17但)
とすると
ＣのＡに対する権利行使は認められるはずである
ＣはＡに権利行使できるはずである
しかし、
�。辰麓村租�に無権利者であるし、
�■辰�Ａに請求できなら、ＡはＢ、ＢはＣに不当利得請求できる以上、
資金の無意味な循環を生じる。
そこで、
&color(red){Q}; Ｃの権利行使を封じるために、どのような法律構成が妥当か
�■辰�Ａに請求できたなら、ＡはＢ、ＢはＣに不当利得請求できる以上、資金の無意味な循環を生じる。
そこで、Ｃの権利行使を封じる必要がある。
&color(red){Q}; そのために、どのような法律構成が妥当か

|CENTER:(無因論)|CENTER:(有因論)|h
|ＢＣ間の原因関係がない以上&BR;Ｃは人的抗弁の切断の利益を享受しうべき地位にない。&BR;従って、&BR;法17の適用はない|ＡＢ、ＢＣ間の原因関係が消滅した場合、&BR;手形上の権利移転行為も同時に消滅する。&BR;従って、&BR;ＡはＣに無権利の抗弁を主張できる。|

-後者の抗弁【220】
Ａ→Ｂ→Ｃと手形が流通したが、ＢＣ間の原因関係が不存在の場合
&color(red){Ｑ}; ＣはＡに手形金を請求できるか。
~
(問題の所在)　
ＣはＢからの抗弁をＡには主張されない。
しかし、
Ｃは本来Ｂに手形を返還すべき債務を負う者であり、
�。辰亘寨茖造房蠏舛鯤峇圓垢戮�債務を負う者であり、
しかも、
ＣがＡに請求できるとするとＡはＢ、ＢはＣに不当利得の請求をし、資金の無意味な循環を生じる。
そこで、
&color(red){Q}; Ｃの権利行使を封じるためにどのような法律構成が妥当か
�■辰�Ａに請求できるとするとＡはＢ、ＢはＣに不当利得の請求をし、資金の無意味な循環を生じる。
そこで、Ｃの権利行使を封じる必要がある。
&color(red){Q}; そのためにどのような法律構成が妥当か

|CENTER:(無因論)|CENTER:(有因論)|h
|Ｃの権利行使は権利濫用として封じる|ＢＣ間の原因関係が消滅した場合、&BR;手形上の権利移転行為も同時に消滅する。&BR;従って、&BR;ＡはＣに無権利の抗弁を主張できる。|

***人的抗弁の属人性 [#g62afac3]

Q 人的抗弁が切断された後の取扱【214】
→善意者がでた以上、後の者が悪意であっても人的抗弁は切断される。
(理)
善意者は手形金を請求できるから、譲渡の際も対価を得られねばならない。
また、
善意者に振出人は手形金を支払う必要があるから、悪意でも振出人を害する結果にはならない。
　
Ｑ 戻裏書と人的抗弁【215】【216】
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