- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
●横断的論点
#norelated
#block
横断的論点
◎１一部請求訴訟の問題点
Ｑ 申立自体の適否
Ｑ 訴訟物分断の適否（残部を後訴請求できるか）
Ｑ 時効中断の範囲
Ｑ 二重起訴にあたるか
Ｑ 過失相殺の方法
Ｑ 上訴できるか（控訴の利益の有無）
Ｑ 後遺症による損害賠償請求訴訟の扱い（S48,4,5）
-１ 一部請求訴訟の問題点
-２ 消極的確認訴訟の問題点
-３ 相殺の抗弁の特異性
-４ 債権者代位訴訟の問題点
◎２消極的確認訴訟の問題点
例 債務は３００万円を越えては存在しないとの確認を求める訴え（Ｓ40,9,17.）
序
-訴訟と非訟
-民訴制度の目的
-基本理念
Ｑ 訴えの利益が認められるか （LS80-6）
Ｑ 時効中断効の有無
Ｑ 二重起訴にあたらないか
Ｑ 立証責任の分配はどうなるか（弁済の事実は誰が立証責任を負うか）
Ｑ 訴訟物は何か
請求の特定の有無
Ｑ 一部認容判決ができるか
Ｑ 認容判決の既判力の範囲
裁判所
-第３節 管轄
--�� 種類
--�供ヾ紐蹐猟敢此福�14）
--�掘＾楞�（§16〜§22）
-第４節 裁判機関の構成
--除斥(§23)･忌避(§24)･回避(規§)
当事者・代理人
-第１節 当事者とその確定
--�� 氏名冒用訴訟
--�� 死者を当事者とする訴訟
--�� 表示の訂正と当事者の変更の区別
--�� 任意的当事者変更
-第２節 当事者能力（§28,29）
-第３節 訴訟能力
-第３章 代理人･代表者･補佐人
◎３相殺の抗弁の特異性
Ｑ 既判力が生ずる理由（§114-2の立法趣旨）
Ｑ 既判力の遮断効を受ける範囲
Ｑ 二重起訴の禁止に該当する場合はどれか
Ｑ 予備的相殺の抗弁の許否
Ｑ 控訴の利益の有無
訴え
-類型
-訴訟要件
--訴えの利益
--当事者適格
---選定当事者 (§30･144)
-訴え提起の方式と訴訟物
--�� 訴状の記載事項
--�� 訴え提起に対する処置
--�� 訴訟物
-訴訟の開始･対象の自己決定−処分権主義(1)
--申立事項と判決事項の一致
-訴え提起の効果
--訴訟係属の発生
--二重起訴の禁止(§142）
--時効の中断
┏━━━━━━━━┓
┃ 以下 論点 ┃
┗━━━━━━━━┛
● 序
訴訟の審理
-審理の進行(裁判所と当事者の役割)
-期日･期間･送達
-訴訟手続の停止 (§124〜132）
-口頭弁論
--�� 必要性
--�� 諸原則 （受58-9）
+双方審尋主義
+口頭主義（§87）( VS 書面主義)
+直接主義(§249-1)
+公開主義
+集中審理主義( VS 併行審理主義)
+職権進行主義( VS 当事者進行主義)
+適時提出主義
--口頭弁論の準備
--口頭弁論の懈怠
◎第１節 民事紛争解決のための諸制度
-事案の解明
--当事者の申立権・異議権
--�� 弁論主義
--�� 釈明権
--�� 職権探知・職権調査
【通常手続】 判決手続 強制執行手続
１編 総則
１章 通則 (§1〜§3)
２章 裁判所 １節 管轄 (§4〜§22)
２節 除斥、忌避･回避 (§23〜§)
３章 当事者 １節 当事者能力･訴訟能力 (§28〜§)
２節 共同訴訟 (§38〜§)
３節 訴訟参加 (§42〜§)
４節 訴訟代理人･輔佐人 (§54〜§)
４章 訴訟費用 １節 負担 (§61〜§)
２節 担保 (§75〜§)
３節 訴訟救助 (§82〜§)
５章 訴訟手続 １節 訴訟の審理 (§87〜§)
２節 期日及期間 (§93〜§)
３節 送達 (§98〜§)
４節 裁判 (§104〜§)
５節 手続の中断･中止 (§124〜§)
２編 第一審の訴訟手続
１章 訴 (§133〜§)
２章 口頭弁論及その準備 １節 口頭弁論 (§148〜§)
２節 準備書面等 (§161〜§)
３節 争点及び証拠の整理手続
１款 準備的口頭弁論 (§164〜§)
２款 弁論準備手続 (§168〜§)
３節 書面による準備手続(§175〜§)
３章 証拠 １節 総則 (§179〜§)
２節 証人訊問 (§190〜§)
３節 当事者訊問 (§207〜§)
４節 鑑定 (§212〜§)
５節 書証 (§219〜§)
６節 検証 (§232〜§)
７節 証拠保全 (§234〜§)
４章 裁判 (§243〜§)
５章 裁判によらない訴訟の終結 (§261〜§)
６章 大規模訴訟に関する特則 (§268〜§)
７章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則 (§270〜§)
３編 上訴
１章 控訴(§281〜§)
２章 上告(§311〜§)
３章 抗告(§328〜§)
４編 再審(§338〜§)
８編 執行停止(§398〜§)
【特別手続】
【手形・小切手訴訟】５編(§350〜§367)
【少額訴訟手続】 ６編(§368〜§381)
【督促手続】 ７編(§382〜§392
【保全命令手続】 （保全法§１〜§32）
【人事訴訟手続】 （人訴§１〜§32）
【倒産処理手続】会社更生・民事再生・破産・特別清算
【行政訴訟手続】 （行政事件訴訟§１〜§45）
【裁判上の和解】１【訴訟上の和解】
２【起訴前の和解】§275
【仲裁手続】 (公示催告･仲裁§786〜§805)
【調停手続】１【民事調停】（民事調停法§１〜§38）
２【家事調停】（家事審判法§17〜§26）
【公示催告手続】 (公示催告･仲裁§764〜§785)
【非訟事件手続】 （非訟事件手続法§１〜§210）
-訴訟行為
--�軌婬�
--�曲�類
--�凝渦鵝�取消
--�圭�問題（訴訟行為と私法行為)
--�� 信義則
◎第２節 訴訟と非訟
○ �� 訴訟と非訟の区別基準は何か
○ �� 手続の相違
○ �� 訴訟の非訟化はどのような場合に許されるか
-証拠
--証明の対象と不要証事実
---�� 証明の対象
---�� 証明を要しない事項
--証拠による事実認定
---�� 自由心証主義（§247）
---�� 証明責任
--証拠調手続
◎第４節 民訴制度の目的と訴権
#block(next)
○ �� 訴権論
訴訟の終了
-１ 当事者の意思による終了−処分権主義(2)
--�� 訴えの取下 (§261〜263)
--�� 請求の放棄・認諾 (§266)
--�� 訴訟上の和解 (§264〜265･267)
-２ 終局判決による終了
--第１節 裁判の意義と種類
--第２節 判決の種類
--第３節 成立と確定
--第４節 裁判の効力
○ �� 民事訴訟制度の目的は何か
複数請求訴訟
-�� 訴えの客観的併合(§136)
-�� 訴えの変更 (§143)
-�� 反訴 (§146)
-�� 中間確認の訴え (§145)
○ �� 基本理念 (設営者側の要請 VS 利用者側の要請)
当事者意思の尊重←私的自治の反映
手続の公益性←紛争解決の実効性
手続の安定と訴訟経済
適正−真実発見
適正−手続保障
多数当事者訴訟
-共同訴訟
--�� 共同訴訟 (§38)
--�� 同時審判申出共同訴訟
--�� 必要的共同訴訟
--�� 主観的追加的併合
信義則の適用 (Q どのような場合に適用され､どのような効果が生ずるか )
適用の類型
(1)訴訟状態の不当形成(訴訟状態を不当に形成した場合)
(2)禁反言 (先行行為に矛盾する挙動をした場合)
(3)権利の不行使 (訴訟上の権能を長期間行使しなかった場合)
(4)権利濫用 (訴訟上の権能を濫用した場合)
�‐總文△陵�用
��忌避権の濫用
�Ａ文△陵�用
�ご�日指定申立権の濫用
-訴訟参加 （参加各制度の要件・効果の整理！）
--�� 補助参加（狭義）（§42〜§46）
--�� 共同訴訟的補助参加
--�� 訴訟告知
--�検‘販�当事者参加（§47･48）
--�后ゞζ荏幣抻臆叩福�52）
◎第５節 法源と種類
-訴訟承継（§49〜50）
--任意的当事者変更：
◎第６節 効力の限界
○ �� 時的限界
○ �� 地域的限界
上訴･再審
-総説
--上訴制度の目的 424
--上訴の効果
● 裁判所
-控訴
--�� 控訴審の構造
--�� 控訴の利益
--�� 附帯控訴(§293)（受58-5）
◎第３節 管轄→裁判所間における事件分担の定め
-再審
○ �� 種類
┌────────────────────────────┬─────────┐
│ 種類（§１〜§6） │ 専属管轄の有無 │
┌─┼────────────────────────────┼─────────┤
│ │ �ー�訴裁判所と執行裁判所の管轄 │ │
│１│(1)職分管轄 �⊃概藉紐�(第一審､控訴審､上告審) │ 原則 専属 │
│ │ �４丙�(即決和解､督促手続,公示催告)の管轄 │ │
│法├────────────────────────────┼─────────┤
│定│(2)事物管轄→第1審につき同一地域間での地裁と簡裁との分担│ │
│管├────────────────────────────┤法が定めた場合のみ│
│轄│(3)土地管轄→所在地を異にする同種の裁判所間の職分の分担 │ │
├─┼────────────────────────────┼─────────┤
│２│(1)指定管轄（§10） │ │
│上│ │ │
│記│(2)応訴管轄（§12） │ │
│以│ │ │
│外│(3)合意管轄（§11） │ │
│ │ │ │
└─┴────────────────────────────┴─────────┘
略式訴訟手続
-簡易裁判所の手続(§352〜§359)
-督促手続 §430〜§443
-手形訴訟･小切手訴訟 §444〜§463
-少額訴訟
#block(end)
----
CENTER:[[戻る>FrontPage]]
Ｑ 併合請求の裁判籍（§7）
→訴えの主観的併合にも適用できる
Ｑ 合意管轄（§11）
要件
２ 合意の解釈(Ｑ 附加的合意か、専属的合意か不明確な場合、どちらに推定すべきか)
(原則)→附加的合意 (理)専属的合意は一方の当事者に不利益に働く可能性が高い。
(例外)→専属的合意 �）…蠅隆紐躡枷十蠅鯑団蠅垢訃豺�
��特定の法定管轄裁判所を否定する場合
(理)この場合も附加的合意とするなら、
管轄裁判所を特定する意味をなさないから
(例外の例外)→附加的合意 (�´△�保険の契約約款で定められている場合)
(理)この場合は、一方の便宜の為に形式的に合意されている。
契約の一方の相手方の合意が実質的に認められないから、
その者を害することを避ける必要がある
３ 合意の効力
Ｑ 特定承継人にも及ぶか
Ｑ 管轄の合意の法的性質
Ｑ 外国裁判所を管轄裁判所とする合意の有効性
Ｑ 附合契約においてこの合意の効力をそのまま認めると
経済的弱者の保護がはかれない。
そこでどのように解すればよいか。これ民Ｐ8
○�供ヾ紐蹐猟敢此福�14）
○�掘＾楞�（§16〜§22）→訴訟係属を裁判により他の裁判所に移すこと
┌──────┬────────┬─────────┬────────────────────────────────┐
│ 種│ 管轄違 │損害･遅滞の回避 │ 簡裁→地裁の移送 │
│ ├────────┼─────────┼────────┬───────────────────────┤
│ 類│ │ 裁 量 │ 裁量 │ 必要的 │
│ │ │ ├────────┼──────┬──────────┬─────┤
│要 │ │ │ │一般訴訟 │ 不動産訴訟 │ 反訴提起 │
│ │ │ ├────────┼──────┼──────────┼─────┤
│件 │(§30-1) │ (§31) │(§31の2) │(§31の3-1) │ (§31の3-2) │(§355) │
├──────┼────────┼─────────┼────────┼──────┼──────────┼─────┤
│申立者 │ × │ 被 告 │被告又は原告 │被告又は原告│ 被 告 │ 本訴原告
(反訴被告)│
├──────┼────────┼─────────┼────────┼──────┼──────────┼─────┤
│職 権 │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ │
│専属管轄にあ│ ○ │ │ ○ │ ○ │ ○ │ │
│たらないこと│ │ │ │ │ │ │
├──────┼────────┼─────────┼────────┼──────┼──────────┼─────┤
│手続遅滞を │ │ │ │ ○ │ ○ │ │
│生じないこと│ │ │ │ │ │ │
├──────┼────────┼─────────┼────────┼──────┼──────────┼─────┤
│その他 │事物･土地管轄を │管轄に属する事件で│管轄に属する事件│相手方の同意│被告が本案につき │反訴が │
地裁の管轄に
│ │誤ったこと │ること │であること │あること │弁論していない │属すること│
│ │ │ │ │ │ │ │
│ │但し､地裁はこの │損害･遅滞をさける │相当の理由がある│ │ │ │
│ │場合でも審判 可 │必要があること │こと │ │ │ │
│ │(§30-2) │ │ │ │ │ │
│ │ │管轄権ある裁判所へ│ │ │ │ │
│ │ │移送すること │ │ │ │ │
└──────┴────────┴─────────┴────────┴──────┴──────────┴─────┘
Ｑ 移送の裁判に対する即時抗告の可否
１管轄違いに基づく移送（§16-1）
立法趣旨
Ｑ 上訴すべき裁判所を誤った場合にも§16が適用されるか
→肯定（判例）（新堂）
Ｑ 訴訟裁判所から非訟裁判所へ移送できるか
→否定（判例）
Ｑ 移送申立権を有するか(§21)
→ 肯定
２著しい損害または遅滞を避けるための移送（§17）
立法趣旨
Ｑ すでになされた訴訟手続の移送後の効力
専属的合意管轄に属する事件の移送
Ｑ 移送前に移送裁判所でなされた訴訟手続の移送後における効力
◎第４節 裁判機関の構成
○ �� 除斥 （§23）→裁判官が法律上当然に職務執行ができなくなる制度
○ �� 忌避 （§24）→職務執行の公正を妨げる事由があるときに当事者の申立により裁判官が職務執行できない場合
Ｑ 忌避の申立と訴訟手続の関係 （§26）
Q1 急速を要しない行為をし､忌避理由なしとなった場合
Q2 急速を要する行為をし､忌避理由ありとなった場合
Ｑ 忌避権の濫用に対して刑訴§24-2を類推適用できるか
→ 肯定
○ �� 回避 （規§）
● 当事者・代理人
◎第１節 当事者とその確定
当事者とは→�〜覆┐泙燭倭覆┐蕕譴襪海箸砲茲衄酬茲量尚舷佑箸覆觴�(形式的当事者概念)
�� (実質的当事者概念)
当事者の確定→訴訟において誰が当事者であるかを明らかにすること
当事者確定の必要性
・当事者以外の者が訴訟に関与している場合に排除
・判決の効力が及ぶ者を明らかにする
Ｑ 当事者確定の基準(百選 ��15,16)
１、本件訴訟の当事者は誰と確定すべきか。
→当事者の確定には、訴状の記載を基準とする
(理)当事者が確定されなければ、訴状送達ができず、訴訟を開始することができない。
したがって、基準を明確にし、当事者を迅速に確定する必要があるからである。
もっとも、
まったく形式的に判断するならば、具体的に妥当な結論を導くことはできない。
そこで、一切の訴状の表示を合理的に解釈して、当事者を判断すべきである。
２、例えば、Ａ株式会社代表取締役乙を訴えるにあたって、会社の所在地が不明な場合、
被告を「Ａこと乙」として訴え提起した場合はどうか。
→ Ａが当事者であることを訴状から合理的に判断できるなら、当事者を会社としてよい。
したがって、この場合は、表示の訂正の問題となる。
○ �� 氏名冒用訴訟（受56-9）
例 甲が乙と称して丙に対して訴えを提起する場合
甲の乙への訴訟に丙が乙として応訴した場合
本件訴訟の…（当事者の確定基準の論証）
右基準からすると、本件訴訟の当事者は乙である。
それでは、この場合、当事者及び裁判所はどのように振る舞うべきか。
１ 訴訟継続中に人違いが判明した場合
(1)当事者からは任意的当事者変更の問題となる。
(2)裁判所は無権代理人による訴え提起と同様に扱うことになる。
(理)権限がない者が訴訟追行していた点で共通するからである。
具体的には当事者となるべき者を呼び出し、
任意的当事者変更の要件を満たすならば、その者に訴訟を続けさせる。
そうでなければ、訴えを却下する（§70）。
２ 人違いを看過したまま判決が下された場合、被冒用者に判決効が及ぶことになる。
被冒用者がこれを防ぐには、上訴（§312-2）、再審（§338）の手続が必要である。
○ �� 死者を当事者とする訴訟
例 死者が当事者とされているので相続人が訴訟追行
この場合も、当事者はあくまで死者である。
したがって、原則訴え却下すべきであるし、判決が出た場合は無効である。
ただし、いかなる場合も右のように処理をするのは、訴訟経済に反する。
例えば、
訴え提起後、訴訟係属前に当事者が死亡し、その相続人が応訴したような場合、
相手方当事者の訴訟上の既得の地位の保障の必要性がある。
そこで、
右場合のごとく準備段階で潜在的な訴訟係属が生じているといえる場合、
訴訟承継の規定（§124-1� Ν◆砲鯲狄篥�用すべきである。
○ �� 表示の訂正と当事者の変更の区別
法人格否認の法理の適用の可否
○ �� 任意的当事者変更
→新訴の主観的追加的併合と、旧訴の取下げをなす複合行為である
この点、訴えの変更と見る見解がある。
しかし、
訴えの変更は、本来、請求の変更だけを予定しているため、
新当事者の手続保障の要請と従来の手続利用の要請との調整が図れない。
2 要件
(1)主観的追加的併合・旧訴の取下げの要件が必要である
(理)上述
しかも
(2) 一審係属中に限る。
(理)新当事者の審級の利益を保護すべきであるから
3 効果
ただし、新旧両手続の分断を防ぐ必要もある。
そこで、旧訴状を補正して用いてよい。
また、印紙を貼付しなくてよいし、
時効中断等の効果は旧訴提起の時点に生じる
また、新当事者は従来の訴訟追行の結果を追認できる。
一方で、旧当事者が自白した事実に反する主張ができる。
信義則に反しない限り攻撃・防御方法の提出も自由である。
ただし、
新当事者が実質的に従来の旧訴訟手続に関与し、
旧当事者の訴訟追行が新当事者のそれと同視できる場合は、
訴訟追行の結果は維持される。
したがって、
右の場合と、新当事者の同意がある場合、
旧当事者の訴訟追行の結果は維持される。
◎第２章 当事者能力（§28,29）
→訴訟の当事者となることのできる一般的資格
趣旨；無駄な審理・裁判を避ける
(1) 実体法上の権利能力者 （§28）
(2) 法人でない社団・財団で代表者・管理人の定めあるもの（§29）
�仝⇒�能力なき社団・財団
�¬泳‐紊料塙�(S37,12,18）
Q 民法上の組合に§29を適用して当事者能力を認めてよいか
→代表者の定めある限り認めてよい（S37,12,18）
(理)組合財産は個人財産から独立して管理される（民§676-1）
したがって
実質的に組合に帰属すべき法律関係は存在しうる。
この点で権利能力なき社団と異ならない。
以上を踏まえると
組合にもその名で訴訟追行をさせた方が、便宜である。
もっとも、
このように解すると、組合員の一部の者により他の組合員の権利が害される。
しかし
これは組合内部で代表者を選定する方法でコントロールするほかない。
Ｑ 当事者能力の欠缺を看過したまま判決が確定した場合
(1) 有効説1 上訴・再審によって取り消す（312条2項4号)
○(2) 有効説2 当事者とされた者に当該事件限りで当事者能力を認めてよい。
能力欠缺を主張する者は再審でも争えない。
(理)この場合は、当事者が全く存在しない場合ではなく、ある程度実体を備えた組織体が存在する。
こう解した方が紛争解決・訴訟経済に資する。
(3) 無効説(338条1項3号類推)
(理)当事者が存在しない以上、そのような判決の効力は認められない
◎第３節 訴訟能力
→ 単独で有効に訴訟行為をなし、又は相手方や裁判所の行う訴訟行為を受けうる資格
制度趣旨
→ 訴訟追行上自分の利益を十分に主張し守ることができない者の保護にある。
２、訴訟能力の有無は、行為能力を基準として決せられる（28)。
そこで、絶対的無能力者として、未成年者・禁治産者があげられ、
制限的訴訟能力者として、準禁治産者があげられる。
但し、未成年者が独立して法律行為を行える場合は、訴訟上も能力者とされる（31)。
また、準禁治産者が応訴する場合、保佐人の同意は不要である。
(理)保佐人には代理権がないにもかかわらず、その同意を必要とすると、
訴え提起をした者の訴権が害されるからである。
二、無能力者の訴訟行為は当然に無効となる。
(理)訴訟行為が積み重なった後に取り消しうるとなれば、手続の安定を害するからである。
但し、権限ある者は、無能力者がなした行為を追認できる。
また、訴訟能力ない者の訴訟追行は、判決についての上訴・再審事由となる（§312-2��･§338-1��）
三、訴訟能力の欠缺に関して、裁判所が取るべき処置
まず、能力の有無は職権で調査する。
また、一定の期間を定めて代理人の選任などを内容とした補正命令を出す（34)。
┌────────────────┬───┬───────────────┐
│ 未成年者 │禁治産者│準禁治産者 (制限訴訟能力者) │
┌──┼───────────────────────┴───┼───────────────┤
│ │(1)単独で訴訟行為→×(§31本) │ (1)単独訴訟行為→×│
│ │(2)法定代理人の同意を得て訴訟行為→×(§31本) │(2)保佐人の同意を得て訴訟行為→○ │
│ │ │ │ (§45)(民§12-1��) │
│ │ 下記の場合でも訴訟能力はない │ │ │
│ 通 │ �� 法定代理人の同意を得て法律行為をした場合(民§6) │ │ │
│ 常 │ �� 民§5の処分を許された財産に関する訴訟 │ │ │
│ 訴 ├──────────────────────────┼────┼───────────────┤
│ 訟 │(3) (1)の例外 → ○(§31但) │ │(3) 相手方の提起した │
│ │Q §49但｢独立して法律行為を 訴え･上訴に対する訴訟行為
│ │ なすことをえる場合｣とは │ │ → ○(§50-1)│
│ │ �� 営業の許可を得た場合 (民§6) │ │ │
│ │→ �� 無限責任社員となる
│ │ 許可を得た場合(商§6) │ │但し (2)(3)の場合であっても │
│ │ �� 婚姻による成年擬制を受けた場合 (民§753)│ │判決によらずに訴訟を終結させる訴訟行為は│
│ │ �� 賃金請求をする場合 (労基§59)(通説) │ │ → 特別授権必要(§32-2) │
├──┼────────────────────────┼────┼────────────────────┤
│人訴│○(意思能力ある場合に限る) (人訴§1,3-1,24,26) │×(通説)│○(人訴§3-1) │
└──┴────────────────────────┴────┴────────────────────┘
(3) 未成年者の労働契約から生ずる訴訟についての訴訟能力
(4) 人事訴訟における訴訟能力
欠缺の場合の効果
Ｑ 無能力者は単独で上訴できるか
訴訟能力の欠缺を看過してなされた本案判決の効力
○ �� 弁論能力
◎第３章 代理人･代表者･補佐人
代理人→当事者本人に訴訟行為の効果を帰属させるために、
当事者本人の名で、当事者の代わりに、訴訟行為を行い、あるいは受ける者
代理人制度の趣旨
�〜幣挂鞠塾麓圓慮⇒�保護の要請、
�∩幣拉塾麓圓諒惶垢鮨泙蠅Δ�
すなわち、弁護士による訴訟代理を認めると、
当事者の負担を軽くし、より有利な訴訟追行を期待できる。
二、１、訴訟代理権の有無は、書面による証明（規§15・§18）が必要である。
同様に代理権の消滅については、相手方に通知する必要がある（§36）。
２、代理権の有無は訴訟要件であるから、ない場合は補正の対象となる（§34-1）
そして、補正されない場合、当該訴訟行為は無効となる。
当該訴訟行為が訴え提起、訴状の受領にあたる場合、訴えは却下される。
また、欠缺が看過されてなされた本案判決については、上訴・再審を求めうる。
法定代理人；その地位が本人の意思に基づかない代理人
法令による訴訟代理人：一定の地位につくことにより法令が一定範囲の業務につき包括的な代理権を認めている者
訴訟委任に基づく代理人：特定の事件ごとに本人から訴訟追行の委任をうけそのための包括的な代理権を授与された者
┌──────────────────────┬─────────────┐
│ 法定代理人 │ 訴訟代理人 │
┌────────────┼──────────────────────┼─────────────┤
│ 定 義 │本人の意思にもとづかないで │本人の意思にもとづいて │
│ │選任された代理人 │選任された代理人 │
├────────────┼────────────────┬─────┬───────┬─────┤
│ │実体法上の法定代理人 │訴訟法上の│訴訟委任による│法令による│
├────────────────┼─────┼───────┼─────┤
利益相反行為の特別代理人(民§57)│ │ │
│ │ (民§826) │ │ │ │
│ │ (民§860) │ │ │ │
│ │嫡出否認の訴えの特別代理人(民§775)│ │ │ │
│ │不在者･相続財産の管理人 │ │ │ │
│ │ (民§25,§936) │ │ │ │
│ │遺言執行者(民§1012,1006) │ │ │ │
├──┬─────────┼────────────────┼─────┼─────────────┤
│本人│訴訟能力 │× │ │○(弁論能力の補充が目的)││
│の │─────────│────────────────│─────│───────┼─────│
│地位│更正権 │× │ │○(§84) │ │
│──│─────────│────────────────│─────│───────┼─────│
│ │訴状の表示 │必要(§191-1 ) │ │不要 │ │
│ │─────────│────────────────│─────│─────────┼───│
│代 │判決書の表示 │必要(§224-1) │ │不要(§224-1) │ │
│理 │─────────│────────────────│─────│─────────┼───│
│人 │証人適格 │×(§341) │ │○ │ │
│の │─────────│────────────────│─────│─────────┼───│
│地 │鑑定人適格 │×(§341) │ │○ │ │
│位 │─────────│────────────────│─────│─────────┼───│
│ │親族関係による │×(§35) │ │×(§35 ) │ │
│ │除斥原因 │ │ │ │ │
│ ├─────────┼────────────────┴─────┴─────────────┤
│ │代 │§50-1,-2 │特別授権事項(§81-2) │実体法の規定│
│ │理 │ │ 反訴の提起 │による｡ │
│ │権 │ │ 控訴･上告･その取下 │§81は │
│ │の │ │ 手形訴訟の異議の取下･その同意 │適用なし │
│ │範 │ │ 訴えの取下･和解･ │(§82) │
│ │囲 │ │ 請求の放棄･認諾･訴訟脱退 │ │
│ │ │ │ 復代理人の選任 │ │
│ ├─────────┼─────────── ────│─────────────┼───│
│ │複代理人の選任 │自己の責任で選任可(§45,民106) │特別授権事項 (§81-2 ) │
├──┴─────────┼────────────────┬───┼─────────┬───┤
│本人への訴訟行為の効力 │無効 │ │有効 │ │
├─┬──────────┼────────────────┴───┴─────────┴───┤
│ │ 原則 │民法その他の法令に従う（§45） │
│ ├─────┬────┼────────────────┬───┬─────────┬───┤
│代│ │本 人 │ │ │×(§85) │×(§85│
│ │死亡 ├────┤○(民§111-1) ├───┼─────────┼───┤
│理│ │代理人 │ │ │○(民§111-1 ) │ │
│ ├─────┼────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│権│ │本 人 │×(民§111-1) │ │×(民§111,653) │ │
│ │禁治産 ├────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│消│ │代理人 │○(同上) │ │○(同上) │ │
│ ├─────┼────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│滅│ │本 人 │×(同上) │ │×(民§111,653) │ │
│ │破産 ├────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│原│ │代理人 │○(民§111-1) │ │○(同上) │ │
│ ├─────┴────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│因│辞任・解任 │× │ │○(民§651-1) │ │
├─┴──────────┼────────────────┼───┼─────────┼───┤
│代理権消滅による中断 │○(§210) │ │×(§213) │ │
└────────────┴────────────────┴───┴─────────┴───┘
○ 法定代理人
→訴訟代理人のうち、その地位が本人の意思に基づかないもの
一、種類
実体法上の法定代理人(実体法上の法定代理人がそのまま就任するもの)（§28）
訴訟法上の特別代理人(訴訟無能力者の特別代理人（§35）、証拠保全に必要な場合（§236）
二、地位
法定代理人の訴訟行為の効果は、すべて本人に帰属する。
法定代理人は当事者の能力を補充する者で、いわば当事者の身代わりであるからである。
その現れとして
�）…蠡緲�人は訴状・判決書に表示される必要がある（133条2項・253条1項）。
�⊂攷庸塾呂�なく、その証言を得るには当事者尋問手続（211)による必要がある。
�Ｋ…蠡緲�人の死亡・代理権喪失によって訴訟は中断する（124条1項）。
○ 訴訟代理人 → 当事者の意思に基づく代理人
一、種類
１、法令上の訴訟代理人(法令の規定によって一切の訴訟追行をなし得るとされた者(例 支配人))
訴訟委任による代理人
２、訴訟委任による訴訟代理人は弁護士でなければならない(§54-1本)(弁護士代理の原則)
趣旨、
→�〇杏澗絽世琉徒�による被害の発生を防止し、
�∪賁膕箸料幣拂氷圓砲茲衙椰佑陵�益を保護、
��審理の充実・手続の円滑
§54違反の効果
→その者の訴訟行為は有効であり、以後訴訟関与を排除できるのみ
訴訟代理権授与の方法は、訴訟委任行為により、
代理権の証明は、当初は書面による必要がある。
二、代理人・本人の地位
本人は訴訟追行できる地位を失わない。
また、本人の死亡・訴訟能力の消滅は、訴訟代理権の消滅事由とはされない。
(理)委任事務の範囲は明確に法定されているし、
委任者の信頼を裏切られることも少ないからである。
Ｑ真の代表者と登記の表示が異なる場合に表見法理を類推適用できるか。
法人に訴え提起する場合、代表者の確定には登記によるしかない。
そこで、相手方保護の為に表見法理の規定の適用を認めるべきか
(Ｑ 訴訟において代表権限の有無に関し表見法理を適用できるか)
→否定(判)
(理)�〜碓奸Π�意で結論が左右されるのは明確性に欠け、手続の安定の要請に反する。
表見法理は取引安全のためのものであるから、訴訟法に適用を認めるべきでない。
�∨／佑凌燭梁緝充圓砲茲辰萄枷修鮗�ける権利を害する
Ｑ 弁護士法に違反する代理行為の効力 (P120)
(1) §25違反の場合
(1)無効説
�＼簑佚�無効説
��追認説
(2)有効説
��
�ぐ杁沈�(通判)
(2) §57��違反(業務停止中の弁護士の訴訟行為)の場合
(3) §72違反(非弁護士の訴訟行為)の場合
無効説
(4) §54違反の場合
● 訴え
（訴え提起から第１回口頭弁論までの手続を整理すること）
◎ 類型
給付訴訟の特質
訴訟類型 確認訴訟の特質
形成訴訟の特質
○確認の訴え→特定の権利関係の存在または不存在を主張する訴え
○給付の訴え→被告に対する一定の給付請求権の存在を主張し、その履行を求める訴え
○将来給付の訴え→口頭弁論終結時までに履行期が到来しない請求権を主張する訴え
基準；１請求権発生の基礎をなす事実関係の継続が予測できること、
２請求権の成否・内容につき債務者に有利な影響を生ずる将来の事情の変動があらかじめ予測しうること、
３２につき請求異議訴訟によってのみ強制執行を阻止しうる負担を債務者に課しても格別不当でないこと
○形成の訴え→一定の法律要件に基づく法律状態の変動を主張して、その変動を宣言を求める訴え
○形式的形成訴訟：形成訴訟の形をとるが
実体法規に形成要件の定めがなく裁判所が合目的的裁量により形成しなければならない
実質上は非訟事件である訴訟
特質 処分権主義の排除（§186の不適用）
弁論主義の排除 （§140の不適用）
具体例 父を定める訴え
共有物分割の訴え
賃料増額請求訴訟（借家§７）
境界確定の訴え→隣接地相互の境界が争われる場合に判決による境界線の確定を求める訴え
Ｑ 形式的形成訴訟か、確認訴訟か。
→形式的形成訴訟
(理)�‥效呂龍�界には租税・行政区画の基準となるなど、公共的性質がある。
このような性質の訴えでは、判決をもって境界を合理的に形成する必要がある。
そのため、処分権主義（246)を認めることはできない。
��当事者が所有権の確認まで求める場合は、別訴を併合するか、反訴を認めれば足りる。
◎ 訴訟要件
→本案の審理を続行して本案判決をするための要件
紛争解決につながらない判決を裁判所に要求するのは訴訟経済上妥当でない。
そこで、判決による紛争解決に適しない訴えを事前に排除する必要がある。
○ �� 種類
調査
(1) 調査の開始
(2) 資料の収集
範囲
判断の基準時
Ｑ 訴訟要件と本案審理の順序
訴訟要件具備の判断と本案審理とは、並行してなされる。
ただし、判断としては、訴訟要件が本案審理に先行すべきである。
→本案判決はできない(原則)
しかし、
Q 本案判決との関係(本案棄却の結論が先に出た場合には請求棄却判決をなし得るか)
→なしうる。
(理)被告自身の利益保護や無益な訴訟の排除を目的とする訴訟要件(訴えの利益や仲裁契約)は、
被告の応訴の煩を避けるための要件の判断を待つよりも、終局的判断たる棄却判決をなす方が被告の保護になる。
Ｑ 欠缺時の処理
○ 訴えの利益
→原告が申立てた特定の請求について、
本案判決をすることの必要性および実効性を判断するための要件
◆ 判断基準
→本案判決がなされるべき必要性、
本案判決による紛争処理の実効性等の要素から
個別具体的に判断すべきである。
訴えの利益が否定される場合として、法律上の争訟性を欠く場合がある。
ただし、単なる事実の存否の争いについてであっても、証書真否確認の訴えについては例外的に訴えの利益が認め
られる。
紛争解決の実を挙げることができるからである
さらに、二重訴訟の禁止・再訴禁止、当事者間の特約に触れる場合や、
既に確定判決を得ている場合、
訴え以外の特別の救済手段がある場合も法律上の争訟を欠く。
訴権の濫用と評価される場合も同様である。
◆ 給付の訴えの利益(Ｑ給付の訴えの利益の判断基準）
現在の給付の訴え→訴えの利益がある
(理)訴求可能な給付請求権を主張するものであるから
将来の給付を求める訴えの要件(§135)
→ �‐�来給付を求める基礎となる資格ある場合で、
�△△蕕�じめ給付判決を得ておく必要がある場合に限る。
(理)訴えの対象が判決の基準時までに履行すべき状態にないから
Q 将来給付を求める基礎となる資格の例としては、
→期限未到来・停止条件未成就の請求権の債権者であること等
Q また、給付判決を得ておく必要がある場合とは、
→義務の存在・履行の条件などに争いがある場合
定期行為・扶養料等に関する債権などで
履行遅滞による損害が極めて重大な結果をもたらす場合
Ｑ 将来の不法行為に基づく損害賠償請求権
将来も継続するであろう不法行為の損害賠償請求権につき訴えの利益は認められるか。
まず、請求権として成立しなければ、将来給付を求める資格はない。
すなわち、損害の額が明確に確定できなければ、訴えの利益は認めえない。
具体的には、
不法占拠者に対する明渡義務履行までの損害賠償金は、右条件を満たすから訴えの利益はある。
Q 一方、公害による損害賠償請求権についてはどうか。
公害による損害はその成否・範囲とも不明確である。
しかし、
同一態様による侵害の継続が明確で、賠償請求権発生の事実関係を現在確定しうるなら認めてよい
(理)このような場合は不法占拠者による場合と同様に考えられる。
Ｑ 確認の訴えの利益はいかにして判断すべきか
→認められる場合は限定される
(理)確認行為という性質上、確認の訴えの対象は無限に拡大しうる。
したがって、限界付けが必要となる。
また、確認の訴えには強制的実現を伴わない以上判決を得ておく実益は低い。
二 訴えの利益が認めらない場合
(一）過去の法律関係
(理) 現在の紛争を解決できないから
（二）消極的確認の訴
(理) 所有権の所在について確定しないから、
紛争の終局的解決について実効性が低い
三 訴えの利益が認められる場合
１、(他人間の法律関係の確認の利益) 転借人による所有者の所有権確認
２、過去の法律関係から派生する現在の紛争を抜本的に処理できる場合
(株主総会決議の不存在・遺言の有効性など)
３、(事実の確認の利益) 証書の真否確認の訴え
◆ 形成の訴えの利益
→法律で規定されている場合に限り認められる。
これは、法律が既に形成の訴えが認められる場合を選び出している。
○ 当事者適格
→訴訟物につき、自ら当事者として訴訟を追行し、本案判決を求めうる資格
◆ 趣旨；紛争解決の必要性のある当事者を選別する
◆ 判断基準→訴訟物たる権利の主体と主張し、される者
Ｑ 法人の内部紛争(代表役員地位確認等を求める訴えでは誰に当事者適格を認めるべきか)
団体の内部紛争における正当な当事者は誰か（百選 P21 Ｓ58論講１）
（法人単独で当事者適格を認めてよいか）
この問題は、法人が受けた判決効が第三者（構成員）に拡張されるかにかかる
そこで
Q そもそも判決効拡張の原理は何か
�＾預鹸愀言癲閉免宗�
�⊆蠡格歉秬癲平憩押�
Q ではこの場合構成員にも判決効が拡張されるか
�＼癶�肯定
�∪癶�否定
したがって�∪發亘／傭影箸療�事者適格を否定する
→法人を被告とすべき
(理)自称代表役員が利害関係を最も有するからその者に当事者適格を認めうる
しかし、
対立は代表役員相互間に止まらない
何よりも、
法人に判決効が及ばない構成をとると、何人も法人に対して訴えを提起でき、
紛争の終局的解決ができないという不都合がある。
これに対して
法人は、利害関係人の利害を調整・集約する立場にある。
よって、
当事者適格を認めるべきである。
自称代表役人は共同訴訟人とすれば足りる。
法定訴訟担当
→第三者が、実質的利益帰属主体の権利または法律関係を内容とする訴訟物につき、
法律上訴訟追行権を付与されている場合
例 債権者代位訴訟、株主代表訴訟
不在者の財産管理・相続財産管理人・遺言執行者の訴訟上の地位（百選 �癸横亜�
当事者適格は認められる。
Q では実体法上の権利帰属者には当事者適格があるか
（この者に当事者適格を認めることによって紛争解決に役立つか）
Q この者は判決効を受けるか
Q 二重起訴となるか
債権者代位訴訟における債務者の訴訟上の地位
(Q 債務者はいかにして固有の利益を守ることができるか)
Ｑ 当事者適格を有するか
Ｑ 債権者の受けた判決の効力は債務者にも及ぶか
Ｑ 債務者はどのような参加が認められるか
(1)補助参加
(2)共同訴訟的補助参加
(3)独立当事者参加
Q 債務者には当事者適格がないのではないか
Q 二重起訴の禁止（§241）に触れ許されないのではないか
(4)別訴の提起
(5)共同訴訟参加
【論点】任意的訴訟担当
→本来の当事者適格者が、
その意思で、
本来は訴訟物に関して法的利益をもたない第三者に訴訟追行権を授与して、
当事者として訴訟を追行させることをいう。
法が認めている例：選定当事者（30)、手形の取立委任裏書をうけた被裏書人
Ｑ 許容基準(いかなる基準で許容できるか)
→正当な業務上の必要・正当な理由がある場合に限る
(理)安易な許容は、弁護士代理の原則、訴訟信託の禁止の趣旨に反し、
三百代言による依頼者の利益の侵害、訴訟の混乱を招くおそれがある。
例
→�’篌腓涼簡歙嫻い覆病荵絢圓�自己固有の利益を有する場合
�∩幣拱�たる権利関係に包括的な管理権を持っており、
権利主体と同程度以上に権利関係につき知識がある場合(業務執行組合人)
(理)この者には本来適格が認められるし、前記の弊害も生じない。
○ �� 選定当事者 (§30･144)
→共同の利益を有する多数者の中から
代表者を選んで訴訟追行権を授与し、
当事者全員のために当事者として訴訟を追行させる制度
◆1 制度趣旨→訴訟の単純化・簡易化
◆2 選定の要件と方法
◆3 選定当事者の地位
◆4 クラスアクション
◎ 訴え提起の方式と訴訟物
（訴え提起から第１回口頭弁論までの手続を整理すること）
○ �� 訴状の記載事項
請求原因として記載すべき事実
○ �� 訴え提起に対する処置
裁判長の訴状審査
1 訴状の記載から訴訟要件の欠缺や請求に理由のないことが明らかな場合
2 訴状の補正ないし却下命令の時期
3 補正の効力
○ �� 訴訟物→民事訴訟における審判の対象のこと
原告から裁判所に対してなされる権利・法律関係の存否の主張
◆1 請求の特定の必要性
(理)�〆枷十蠅賄�事者の申し立てた事項についてのみ審判できる（264)
したがって、訴訟物が特定しなければ裁判所は審理を開始できない。
��被告としても、審判対象が特定されなければ攻撃・防御できず、
場合によっては不意打ちのおそれがある。
�Ｈ酬荼�の客観的範囲、二重起訴の禁止、においても同一性を判断する必要がある。
◆2 訴訟物理論 (旧訴訟物理論 ＶＳ 新訴訟物理論)
→ 実体法上の個々の権利・法律関係の主張と解する。
(理)訴訟要件の有無に関する判断基準は明確である必要がある。
しかも
攻撃・防御の目標とならなかった他の権利については、
別訴で争えると解した方が、当事者の手続保障が実現されやすい。
確認訴訟の訴訟物
形成訴訟の訴訟物
給付訴訟の訴訟物
(3) 不法行為に基づく損害賠償請求訴訟の訴訟物の特定基準
(4) 収去明渡請求訴訟の訴訟物
(5) 手形金請求訴訟の訴訟物
Ａ 通常訴訟の場合
�� 手形債権説(旧説)
�� 手形債権 + 原因債権 説(新説)
Ｂ 手形訴訟の場合
�� 手形債権説(旧説)
�� 手形債権 + 原因債権 説(通判)(新堂)(新説 1)
�� 手形債権説(三ケ月)(新説 2)
(通常訴訟に移行し原因債権を行使しなかった場合は訴えの変更になるか)
◆一部請求(数量的に可分な給付を目的とした債権の一部のみを請求する場合)
Ｑ 確定判決後、残額を請求できるか
(理)訴訟外で債権の分割行使はなしえるし、
訴訟物の範囲の確定については、処分権主義が取られている。
また
試験訴訟の途を開く必要があるから、残部請求を認める必要はある。
しかし
全部請求だと考えた被告にとって、不意打ちの危険がある。
そこで
一部請求であることが明示してあるとき、残額請求が認められる
明示あって残額請求できる場合は、既判力は前訴の請求額のみに生じる。
◇ 後遺症による損害賠償請求の扱い
Ｑ 交通事故の損賠請求で勝訴した原告は後遺症による後発損害の賠償を後訴で請求できるか
→できる
(理)これを一部請求の問題として考えるとすると、
一部請求に明示を要求するとすれば、本請求は否定されるかに見える。
しかし、
原告は後発損害について賠償を請求しようにも請求できない事情がある、
�＼禅瓩鯒Г瓩覆い箸垢譴弌�原告にはあまりにも酷である。
�△泙拭△海譴鯒Г瓩討癲∩幣戮陵�用を招くおそれもない。
VS 既判力の時的限界の問題として請求を認める説
(批)後発損害が、前訴判決の基準時前に具体化した場合、請求が認められなくなる。
この結論は不当である。
◎ 訴訟の開始･対象の自己決定−処分権主義(1)
○ �� 処分権主義
→当事者が訴訟の開始、訴訟物の特定、訴訟の終了紛争の実体的解決について
自由に決定できる建前
◆根拠
民事訴訟の主題たる私法上の権利・法律関係は、私的自治の原則に委ねられており、
実体法上権利義務の処分は当事者の意思に委ねられる(私的自治の原則)
そして
訴訟法は実体法上の権利を実現するものである
そこで、
民事訴訟制度の利用についても当事者の意思を尊重してこれを一任してよいからである。
◆機能
�仝狭陲紡个靴討蓮∩幣戮粒�始、終了、紛争処理方式、審判対象の選択を保障する。
(←原告が訴えを提起しなければ、訴訟は開始しない)
��被告に対しては、不意打ちを防止し、手続保障機能をはたす
原告の申立事項外の点について判決をすることが許されない（§246 ）
したがって、判決される範囲が明確になるから
○ �� 申立事項と判決事項の一致
→裁判所は、当事者が申し立てていない事項について、判決することができない(246条)
◆Ｑ§246｢当事者の申したてない事項｣とは
�＾婬�
�� 権利救済の種類と順序
Ｑ 現在の給付の訴えに対し将来の給付を命ずる判決ができるか
Ｑ 一部認容判決(申し立てた範囲以下での判決)は246条に違反しないか
→許容される場合はありうる。
(理)もし、認められないとすれば、原告の請求通りの事実はない以上、原告の請求を棄却せざるを得ない。
しかし
それでは、原告に正確な債権額の認識を要求することになるが、これは困難であることがある。
思うに
原告は棄却判決よりは一部認容を求めるはずだし、
被告にとっても、全面敗訴の場合と比較しても不意打ちとなるわけではない
紛争の一回的解決にも資する。
もっとも、建物の明渡請求などは、単なる量的な問題ではない。
したがって、一部明渡等の一部認容判決をすべきでない。
Ｑ引換給付判決(無条件の給付請求に対して条件を付してた判決)が許されるか
→適法
(理)かかる判決は、無条件の給付請求に条件を付しものであるから
一部認容判決とみてよい。
Ｑ 債務の一部不存在確認訴訟(特に 債務の上限を示さないでする一部不存在確認の訴え))
(Q 単に100万円をこえて債務は存在しないことの確認→200万円を超えて存在しないと判決できるか)
→認めてよい
(理)
これも一部認容判決とみてよい。
とはいえ
この場合、残債務額がいくらになるかの上限を示していないので、攻撃防禦の目標も明確にならず、不意打ちの危険がある。
また、原告は、残債務の数額について確定することを望んでいないであろう。
しかし
�〇頂銚�額の確定のため、被告に別訴提起を求めるのは手段として迂遠である。
また
��通常は訴外で債権者が上限を定めているのが通常であるから、そのような事情があれば、攻撃防禦の目標も明確である。
◆§246違反の効果(Q 申し立てた事項の範囲を超えた場合)
→控訴・上告によって取り消さる(§312-3）
◎ 訴え提起の効果
○訴訟係属の発生
→訴えの提起によって、当事者の特定の事件が特定の裁判所において審判される状態
発生時期 (Q いつ発生するか）
効果；１二重起訴の禁止、
２訴訟参加、
３訴訟告知、
４中間確認の訴え・反訴、
５訴えの変更
○二重起訴の禁止(§142）
◆1 趣 旨
二重訴訟を認めれば、
�￣�訴義務を負う相手方にとって大きな負担であり
�∩幣拆紊睇垠从僂任△襦�
��判決内容が矛盾・抵触するおそれもある
◆２ 基 準(Ｑ 二重起訴の禁止に触れる場合とは)
→事件が同一でありながら、それらが併合審理されない場合
その判断は、当事者の同一性、事件の対象の同一性の有無をもって判断する
1 当事者の同一性
（1）原告と被告が入れ香わった場合
（2）一方の訴えの当事者に他方の訴えの判決効が及ぶ場合
2 訴訟物の同一性
（1）給付訴訟において実体権が複数存在する場合
（2）訴えの類型が異なる場合
（3）一部請求後、別訴で残部を請求する場合
（4）相殺の抗弁
�� 抗弁先行の場合(前訴で相殺の抗弁を出し、別訴で自働債権の給付訴訟をなす場合)
�� 抗弁後行の場合(前訴で主張した債権を別訴で抗弁に供する場合)
→類推される
(理)既判力の抵触のおそれがあり、
相手方の負担・訴訟経済の点で不都合がある。
3 事件の対象が同一である場合
�〜幣拱�自体が同一である場合、
�∋�実関係や裁判資料が共通する場合、
��主要な争点が前訴と共通する場合
なお、この場合には、併合審理を認めることで不適法を回避すべきである。
訴訟経済上好ましいし、当事者の便宜も図りうるからである。
Ｑ代位訴訟提起中に債務者が第三債務者に訴え提起をすることは二重起訴にあたるか
債務者は、代位訴訟の判決効が及ぶ（115条1項1号）。
したがって、債務者による起訴は二重起訴の禁止に触れる。
また、
債権者代位訴訟中は債務者は債権に関して処分行為はできない。
すなわちそもそも訴え提起できないはずだからである。
ただし
債権者の代位権限をあらそう独立当事者参加は可能である。
◆３効果及び処理
裁判所は本禁止に触れるか否かについては、職権で調査し、同一の場合は、直ちに却下。
また、権利関係が同一の場合、釈明の上で、訴え変更・反訴提起を待つか、弁論を併合するかの態度を採る。
矛盾する判決がでた場合、後になされた判決が再審で取り消される（338条1項）
○時効の中断
◆1 制度趣旨
◆2 時効中断効の発生時点
◆3 時効中断の範囲
１、訴訟物として主張された権利関係
相手方提起の消極的確認の訴えによっても時効中断効が生じるし、
攻撃・防御方法としての権利関係も同様の効果が生じる。
２、一部請求の場合で明示された部分があれば残部請求が認められる。
その場合、一部について時効中断効が生じる。
一方で明示がない場合は、全額について、時効中断効が生じる。
● 訴訟の審理
◎ 審理の進行(裁判所と当事者の役割)
1 職権進行主義→訴訟手続の進行の主導権を裁判所に認める建前
当事者進行主義との比較
2 訴訟指揮権→訴訟の審理を円滑・迅速・適正に進行させ整理するための裁判所による審理の主宰権能
（§152）
弁論の制限→ 訴訟物が複数の場合、もしくは数個の独立した攻撃・防御方法が争われている場合、
そのうちの一つに審理を制限し、集中して審理すること
弁論の分離→ 客観的併合や主観的併合のなされている場合、
各請求を別個の手続で審理すること
弁論の併合→ 同一の裁判所に別々に係属している複数の訴訟を、
同一の訴訟手続で審理・判決することを命じる処置
要件→共同訴訟・客観的併合の要件を備えること
3 訴訟の進行面における当事者の役割
(1) 申立権
(2) 責問権→当事者が裁判所・相手方当事者の訴訟行為につき訴訟手続に関する規定の違背がある場合に
異議を述べてその無効を主張する訴訟上の権能
◎ 期日･期間･送達
１ 期日(§93〜94)
期日変更の要件(§93-3･4)
２ 期間(§95〜97)
裁定期間
通常期間
法定期間
不変期間
不変期間の追完の要件(§97)
３送達 (§98〜113)
┌──────────────────┬─────────┐
種 類 │ 要 件 │ 方 法 │
┌──────────┼──────────────────┼─────────┤
│交付送達 (§164) │ │送達を受けるべき者に│
│出会送達 (§169-3) │ │書類の謄本
補充送達(§171-1) │ │(調書の謄･抄本)を │
│差置送達(§171-3) │ │交付する │
├──────────┼──────────────────┼─────────┤
│ │交付送達不能(§172) │書留郵便に付して │
│郵便に付する送達 │ │発送する │
│ │送達受取人の届出懈怠(§170-2) │ │
├──────────┼──────────────────┼─────────┤
│嘱託送達(§175) │ │ │
├──────────┼──────────────────┼─────────┤
│公示送達 │(1) 公示送達事由があること │ │
│ │ �〜�達不能 │ │
│(§178〜§180) │ ��外国送達不能 │ │
│ │ �３姐饐�託送達証書不送付 │ │
│ │(2) 次のいずれかがあること │ │
│ │ �� 当事者の申立→裁判長の許可 │ │
│ │ �� 職権→訴訟の遅滞を避ける必要性 │ │
└──────────┴──────────────────┴─────────┘
◎ 訴訟手続の停止 (§124〜132）
┌───┬───────────┬─────────────────┬───────────┬──────┬────────┐
│ │ 中断事由 │ 例 外 │ 受継者 │中断の解消 │ 中断の効果 │
│ ├───────────┼──────────┬──────┼───────────┼──────┼────────┤
│ │ │ │ │相続人(受遺者) │ │ │
│ │当事者の死亡 │訴訟代理人が │2当事者対立 │相続財産管理人 │ │ │
│ │(§208-1) │存在する場合 │の構造が解消│法令続行者(遺言執行者)│ │ │
│ 中断 ├───────────┤ │した場合 ├───────────┤受継申立 │中断中は │
│ │法人の合併 (§209-1) │中断しない │ │新設会社・存続会社 │(§216〜218)│訴訟行為不可 │
│当然に├───────────┤ (§213) │当事者が ├───────────┤続行命令 │但 判決の言渡可 │
│手続の│訴訟能力の喪失 │ │ 死亡したが │法定代理人 │ (§219) │(§132-1) │
│進行が│法定代理人の死亡 │ │ 訴訟物の │新法定代理人 │ │ │
│停止し│法定代理権消滅 (§210)│ │ 承継者なし │訴訟能力取得者 │ │・期間の進行停止│
│訴訟追├───────────┤ │ 当事者の ├───────────┤ │・中断解消時から│
│行者が│信託任務終了(§211) │ │ 地位が混同 │新受託者 │ │ 全期間進行する│
│変動 │資格喪失(§211-1) │ │ │同一資格者 │ │ (§132-後) │
│ │被選定者全員の資格喪失│ │ 終了する │新選定当事者 又は │ │ │
│ │(§211-2) │ │ │原告･被告の全員 │ │ │
│ ├───────────┼──────────┤ ├───────────┼──────┤ │
│ │破産宣告(§214) │ × │ │破産管財人 │ 但 │ │
│ │受継後の破産解止 │ │ │ │ 当然続行の │ │
│ │ (§215) │ │ │破産者 │ 場合あり │ │
├───┼───────────┴──────────┴──────┼───────────┴──────┼────────┤
│ │�‥刑劼修梁召了�故による裁判所の職務執行不能(§130) │ × │ 同上 │
│中止 │ (当然中止) │ (∵訴訟追行者の変動がない) │ │
│ │��当事者の故障による訴訟の続行不能(決定による中止)(131-1) │ │ │
│ │ │ │ 但 │
│ │(→訴訟追行可能時の目安がつかない事故) │ │判決の言渡不可 │
└───┴─────────────────────────────┴──────────────────┴────────┘
中断：訴訟係属中に法律上当然に手続が続行しなくなること
停止：訴訟係属中に、法定の事故の発生により、又は裁判所の命令を待って生じる
◎ 口頭弁論
○�� 必要性
必要的口頭弁論の原則（§87）（受56ｰ9）
�� 判決で裁判をすべき場合には必ず口頭弁論が開かれなければならない（§87-1本）
�� 口頭弁論に顕出された事実主張や証拠だけが裁判資料として裁判の基礎となる（158)
(趣旨) 当事者に口頭弁論手続による攻撃・防御の機会を保障する点にある。
例外 §114 §202
例外（§87-3）�� 担保不提供による訴え却下(§78)
�� 訴えの不適法による訴え却下(§140)
�� 変更判決(§256-2)
�� 控訴の不適法による控訴却下(§290)
�� 上告の不適法による上告却下(§313→§290)
�� 上告理由なしによる上告棄却(§319)
�� 手形訴訟における要件不適法による訴え却下 (§355)
�� 手形訴訟における異議不適法による異議却下 (§359)
２ 本条違反の効果
→上告事由（312-2�ァ�but 再審事由ではない。
○�� 諸原則 （受58-9）
口頭弁論 → 裁判所の面前で
当事者双方の関与の下に、
口頭で弁論及び証拠調べを行って
裁判資料を収集する審理手続(§87-1本)
審理方式→期日に
裁判所の面前で
両当事者の関与を保障して行われる。
目的→当事者を手続に関与させ、手段を尽くさせる機会を保障する
◆(一)双方審尋主義
→対立当事者双方に言い分を主張する機会を平等に保障すべきとする審理原則
裁判を受ける権利・法の下における平等が訴訟上において発現されたものである。
◆(二)口頭主義（§87）( VS 書面主義)
１ →弁論・証拠調べを口頭で行い、
口頭で陳述されたものだけが、裁判資料として判決の基礎足り得るとする原則
(採用根拠)
�，�かる審理方式によらねば、公開主義をとる実効性が薄い。
また、
��口頭による陳述は、印象が新鮮であり、臨機応変に審理が尽くされうる。
２、しかし、口頭主義によると、
確実性に欠けるし、
複雑な事項が陳述されると理解が困難となり、審理が混乱する。
また、
口頭による陳述の記憶は困難であるから、
上級審では下級審の裁判の審理ができなくなるおそれがある。
３、そこで、このような短所克服のため、書面による補完が必要となる。
訴訟法上の書面主義の現れ
�〜菘誓依�のために、訴状（133)、準備書面（161)が作成される
��口頭弁論調書（160)判決書（253)
(理)記録を残し、上訴審の審理を可能にするためである。
◆(三)直接主義(§249-1)
→当事者の弁論の聴取や証拠調べを判決をする裁判官自身が行う原則
２ 趣旨
→陳述の趣旨、真偽を正確に理解し、その結果を裁判所に直結させる点にある。
３ 例外 (直接主義の後退)
�� 弁論の更新
→審理の途中で裁判官が交代した場合は新裁判官の面前で従来の弁論の結果を陳述すればよい(§249-2)
ただし、証人尋問については、当事者が改めて尋問の申出をする場合は証人尋問をやり直す（§249-3）
(理)直接主義を骨抜きにしないためためである
４ 違反の効果
→上告事由（312-2�ァ砲�つ 再審事由（338-1� 砲箸覆襦�
◆(四)公開主義
→ 訴訟の審理及び裁判を国民一般の傍聴しうる状態で行うこと
２ 趣旨 → 審理・裁判の公正を担保し、国民の司法に対する信頼を確保する
３ 違反の効果 → 上告事由（312-2�ァ�but 再審事由ではない。
◆(五)集中審理主義( VS 併行審理主義)
継続審理主義
→ 1事件のために口頭弁論を集中的かつ継続的に行って、事件の審理を終了させた上で、
他の事件の審理に取りかかるとする審理方式である。
新法では争点・証拠整理手続を適時提出主義の採用によって集中させ、
継続審理を実現させた。
◆(六)職権進行主義( VS 当事者進行主義)
◆(七)適時提出主義
→攻撃・防御方法は訴訟の進行状況に応じ適切な時期に提出しなければならない（156)。
(理)旧法下では、口頭弁論の一体性から随時提出主義がとられていた。
その結果
訴訟の進行が緊張を欠き、時には訴訟引延し策として濫用された。
そこで、この原則が採用された
＊口頭弁論の一体性→ 口頭弁論全体を一体と捉えて等しく判決の基礎とされること
○�� 口頭弁論の準備
一、制度の目的→、訴訟の審理を充実・促進させること
１ 当事者に事前調査義務（規則85)を課し、調査の手段も与えた。
→�‥�事者照会制度(163・規則84)、
�∧杆郢硫饐伐饑�度
２、準備書面制度が強化され（161-1）、争点・証拠整理手続が新設された。
争点・証拠整理手続とは、�（柤製猗�手続（168〜）
�⊇駝未砲茲觸猗�手続（175)
３、口頭弁論期日外の釈明権・求問権行使が認められた（149)。
さらに
口頭弁論期日において釈明処分として、準当事者に陳述させうる（151条1項2号）
◆準備書面（161-1）の交換
準備書面とは
→当事者が口頭弁論で陳述しようとする事項を記載して裁判所へ提出する書面
（答弁書→被告・被上告人の最初の準備書面）
記載事項（§244）
手続 （§242、243） 特則 §357
不提出・不記載の効果 提出・記載の効果
（§247） §247反対解釈
§138
§255-3
§236-2
一、口頭弁論は書面で準備しなければならない（161)
その目的
自己の口頭弁論における主張・立証内容を裁判所・相手方に知らせて準備させる点にある。
二、準備書面の効果
�―猗�書面の記載事実は、相手方が欠席しても主張できる（158)。
��記載していない事項は、相手方が在廷してない場合口頭弁論で主張できない（161条3項）。
なお
記載内容は弁論しなければ裁判資料とはできない。
ここに言う事実とは間接事実・証拠の申出も含む。
◆準備的口頭弁論（164)
→争点及び証拠の整理を行うことを目的とする口頭弁論
証明すべき事実を確認の上（165)決定で終了される（166)。
終了後は未提出の攻撃・防御方法を提出する際に提出できなかった理由を書面で説明する（167)
◆弁論準備手続（168)
→争点や証拠の整理を目的とする手続
制度趣旨 複雑な事件では準備書面の交換だけでは争点が明確にならない。
ところが
準備手続では当事者が対席し口頭で行われる（§256）から
争点が明確になる。
１、非公開（169条2項）で、対席手続がとられる（169条1項）
実施の際には口頭弁論の規定が準用される（170)
２、文書について証拠調べができる。（170条2項）、より周到に証拠・争点の整理が促進される。
ただ、証拠調べの結果は口頭弁論で結果を陳述しなければならない（173)。
手続終了後に攻撃・防御方法を提出しようとする者は書面で提出できなかった理由を説明する義務がある（174)
◆書面による準備手続（175)
→(当事者の出頭なしに)書面をもって争点や証拠の整理をする手続
裁判所が相当と認めるとき、当事者の意見を聞いてなされる。
○�� 口頭弁論の懈怠
１ 時機に遅れた攻撃防御方法の却下
２ 趣旨
不明な攻撃防御方法の却下
３ 当事者の欠席
対席判決主義（§138、238）
→欠席者の陳述を擬制する以外は出席しているのと同様に扱うたてまえ
欠席者に自白又は陳述の効果を与え、対席的な弁論を擬制した上で判決する
┌───────────────────┬──────────┬────────┐
│ 口頭弁論期日 │ 弁論準備手続期日 │ 控訴審 │
┌─┬───┼───────────────────┼──────────┼────────┤
│双│ │ 期日は終了する │ 期日は終了する │ │
│方│ │ 例外 証拠調 可(§263) │ │ │
│の│ │ 例外 判決言渡 可(§190-2) │ │ │
│欠│ │ 訴訟は休止状態 │ │ │
│席│ │ 弁論の終結 可 │準備手続終結(§253) │ │
│ │ │ 期日指定 可(§152-3) │新期日指定(§251) │控訴取下擬制 │
│ │ │ 訴えの取下擬制(§263) │同左 (§256→§263) │(§256→§238) │
├─┼─┬─┼───────────────────┼──────────┼────────┤
│ │ │出│ 弁論可 BUT │陳述可 │ │
│ │最│席│ 準備書面の記載事実以外は │§247の制限なし │ │
│ │初│者│ 主張できない(§247) │∵(§256で不準用) │ │
│ │の├─┼───────────────────┼──────────┼────────┤
│一│期│欠│ 弁論不可 │ 陳述不可 │ │
│方│日│席│ │ │ │
│の│ │者│ 陳述擬制(§158)(口頭主義の例外) │陳述擬制(§138) │陳述擬制(判) │
│欠├─┼─┼───────────────────┼──────────┼────────┤
│席│ │出│ 弁論可 BUT │陳述可 │ │
│ │ │席│ 準備書面の記載事実以外は │§247の制限なし │ │
│ │続│者│ 主張できない(§247) │∵(§256で不準用) │ │
│ │行├─┼───────────────────┼──────────┼────────┤
│ │期│欠│ 弁論不可 │ 陳述不可 │ │
│ │日│席│ 陳述擬制なし │ 陳述擬制あり(通説)│陳述擬制なし │
│ │ │者│ 特則 簡裁では陳述擬制あり(§358) │(§138類推) │(§378 ק358)│
└─┴─┴─┴───────────────────┴──────────┴────────┘
◎ 事案の解明
○当事者の申立権・異議権
申立権→裁判所に対して訴訟指揮権の発動を求める当事者の権利
責問権→裁判所または相手方当事者の訴訟行為に訴訟手続に関する規定の違背がある場合に、
異議を述べてその無効を主張しうる訴訟上の権能である。
責問権を正面から規定した規定はないが、§90はその存在を前提とした規定である
そして
故意・過失により責問権を行使しなかった場合、責問権の喪失とされ、瑕疵が治癒される(§90)
(理)
手続が進行した後に責問権が行使され、当該手続が無効であるとすると、
訴訟手続の不安定・訴訟経済は著しい。
また、
不利益を受ける当事者が甘受するなら、手続を無効とする必要はない。
○�� 弁論主義
→判決の基礎をなす事実の確定に必要な資料の収集・提出を当事者の権限・責任とする建前
◆１法律上の根拠
◆２制度趣旨（何故に採用したのか）
訴訟の対象は私法上の権利であり、当事者が任意に処分しうる。
したがって、
裁判による争訟処理においても、両当事者の自由に任せることが妥当である。
また、
職権探知主義をとることは、裁判所の負担が増大する割に効果が上がらない。
◆機能
１不意打ち防止 (←口頭弁論に提出されない訴訟資料は判決の基礎とならないから)
２争訟内容の自主的形成 ()
３真実発見 (←当事者は事件の真相の究明に勤勉であるから)
４公正な裁判への信頼確保(争訟内容を自主的形成させることで、裁判所の中立を確保できる)
◆３内容（三原則）
(1)主張責任→当事者が主張しない事実は判決の基礎として採用してはならない
(2)自白の拘束力→当事者に争いのない事実は
そのまま判決の基礎として採用しなければならない。（179)
Ｑ 相手方の援用しない先行自白 (S41,9,8)
(3)職権拠調べの禁止→当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する際には
当事者の申し出た証拠によらねばならない
◆４ 適用される事実と範囲(当事者の主張を要する事実の範囲)
→実体法規の要件事実に該当する主要事実
(理)訴訟追行・運営の目標の明確性が確保できる
Ｑ抽象的な要件事実(Ｑ 一般条項における主要事実は何か)
不法行為における過失は主要事実であり、
過失を構成するわき見運転・酒酔い運転は間接事実である。
そこで、
当事者がわき見運転に攻撃・防御を尽くしている場合に、
裁判所が酒酔い運転によって過失を認定できるか。
→このような結論を認めるならば、当事者に不意打ちとなる結果となる。
そこで、
抽象的な要件事実の存否について、個別事実をめぐる法的評価が必要な場合は、
当該事実に弁論主義を適用すべきでない。
そして、
酒酔い運転といった具体的事実に準主要事実として、弁論主義の原則が適用される。
Ｑ事実の来歴・経過
例 所有権の確認訴訟においてＣがＡから売買を受けたと主張した時、
Ａから売買を受けたＢからＣが贈与を受けたと認定することができるか
主要事実が主張されている限り、事実の来歴・経過に関する事実には弁論主義の適用がないのか
→適用がある
(理)来歴の内容、特に移転事実は所有権の帰属・新たな法律効果の発生に関わる。
とすれば、所有権取得の経過・来歴も主要事実として扱うべきである。
Ｑ 職権による過失相殺が許されるか（第１テーゼに反しないか）(S43,12,24)
Ｑ 自ら契約を締結したと主張しているのに､代理人が締結したと認定できるか
※主要事実→法律効果の発生・変更・消滅を定める法規の構成要件に該当する事実
※間接事実→主要事実の存否を推認するのに役立つ事実
※補助事実→証拠の信用性に影響を与える事実
○�� 釈明権
→事件の内容をなす事実関係や法律関係を明らかにするために、
当事者に対して、事実上または法律上の主張について質問を発し、立証を促す裁判所の権能
採用根拠（制度趣旨）
弁論主義を裁判所が補充・修正する
主体
効果（当事者が応じない時どうするか）
範囲
Ｑ 釈明権の濫用に対して当事者はいかなる救済をはかりうるか
裁判所が行使したとき
裁判所が不行使のとき
◆裁判所の釈明権（義務）と釈明処分
一、釈明権（釈明義務）（§149）
→当事者の申立や陳述に、矛盾や不明瞭な点がある場合に、
事実上・法律上の事項について質問し、又は証拠の提出を促して、
事案の解明を図る裁判所の権限ないし義務
弁論主義は両当事者の訴訟追行上の攻撃・防御の能力が十分で、かつ対等であることを前提としている。
しかし
現実には、当事者に常に十分な訴訟追行能力を期待することはできない。
しかも、当事者間には能力差がある。
にもかかわらず、事実の主張について当事者の自己責任として全く放置するなら、
当事者や国民の信頼を喪失する。
そこで
当事者間の公平・審理の充実を図るため、釈明権行使の必要がある。
なお、釈明権は、請求の趣旨の内容について釈明が促された場合、処分権主義の補完原理としても働く。
二
１、釈明権の行使の態様
まず、当事者又は代理人に対する発問・立証を促す形でなされる。
また、当事者は裁判長を通じて発問してもらうことができる。
この場合、釈明された当事者は釈明に応じる義務はない。しかし、不利益を得る可能性がある。
２、釈明権行使の範囲
消極的釈明(当事者が事案にとって必要な申立てや主張をしているが、不明瞭・前後矛盾などがある場合に、これを問いただすこと)
→全面的に許容される。
(理) 自己責任原理の消極面を補充・回復するという趣旨に添うからである
積極的釈明(当事者が事案の内容上必要な申立てや主張をしていない場合に、これを示唆・指摘する釈明)
→制限される
(理)釈明権が過剰行使されるならば、
公平な裁判であるとの信頼が失われるし、かえって事案の真相を曲げるおそれもある。
ただ、釈明に応じた当事者の訴訟行為を無効となしえない。
(理)釈明に応じて訴訟行為をなした当事者の信頼を害するからである。
三
１、釈明権は裁判所の義務としての釈明義務としての面を有する。
しかし、釈明権の不行使は常に義務違反を構成するわけではない。
釈明権の範囲は義務の範囲よりも広いからである。
なお、釈明義務違反は上訴事由となる（312条3項）
２、釈明義務は口頭弁論におけるものであるが、口頭弁論の準備・補充として訴訟関係の解明のために裁判所は処分
をなせる（151条1項）この処分を釈明処分と呼ぶ。
３、また、裁判資料の提出に対して、法規の解釈・適用は裁判所の責務である。
しかし、当事者が法的観点に基づきある法規の適用を前提として争い、裁判所が別の法律構成による判断をする場
合には、注意を要する。右前提を維持するならば、当事者にとって不意打ちになる可能性があるからである。
そこで、法的構成・法的観点を示して、当事者の攻撃・防御の機会を保障し、審理を充実させる裁判所の責務を認
めるべきである。(法的観点指摘義務)
○�� 職権探知・職権調査
◆職権調査事項→当事者の申立てをまたずに、裁判所が職権で調査を開始しなければならない事項
◆抗弁事項→当事者からの申立てをまって初めて調査を開始すれば足りる事項
◎ 訴訟行為
○�� 意義→裁判に向けて訴訟手続を展開させていく当事者・裁判所の行為
訴訟行為は訴訟進行のための行為であるから、訴訟手続との関係で評価され、訴訟法上の効果が認められる。
したがって、
その要件・効果は手続固有の要請に基づき考えるべきである。
(民法上の規定を適用すべきものではない。)
◆私法行為との違い
まず、訴訟行為のためには、訴訟能力が必要である。
訴訟能力欠缺の効果は無効である点に特色がある。
また、訴訟手続は安定していなければならないから、原則意思表示の規定は民法上適用されない。
さらに、条件・期限付きの訴訟行為は許されない。
○�曲�類
1 原告の行為
2 被告の行為
◆申立に対する相手方の態度
１ 否認→ 相手方が証明責任を負う事実を否定する陳述
�｜噂稟歿А閉樟椶鉾歡蠅垢訃豺隋�
�⇒�由付否認（相手方の主張と両立しない別個の事実の主張）
２ 不知→相手方の主張を知らないという陳述
否認と推定される（159-2）
３ 沈黙→相手方の主張に対して黙っていること
擬制自白が成立する（159-1）
４ 自白→当該事実を認める陳述（§179）
５ 抗弁→相手方の主張と両立する自己が証明責任を負う事実の提出
(相手方の主張する法律効果発生の障害原因事実、あるいは消滅原因事実の主張)
�…名錣旅格暸�制限付き自白のこと
��仮定的抗弁→相手方の主張を仮に認めた上で行うもの
否認と抗弁の区別
┌───────────────┬────────────────┐
│ 否 認 │ 抗 弁 │
├──────┬────────┼───────┬────────┤
│ 単純否認 │ 理由付否認 │ 制限付自白 │ 仮定抗弁 │
├──────┼────────┼───────┼────────┤
│原告主張事実│原告主張事実と │主張事実を認め│主張を争いつつ │
│の直接否定 │不両立事実の主張│別の事実を主張│予備的事実を主張│
├──────┼────────┼───────┼────────┤
│例 │借りたのではなく│借りたが │借りたとしても │
│借りていない│もらったのだ │返した │相殺する │
┌─────┼──────┴────────┴───────┴────────┤
│ 共通点 │ 相手方の主張を理由なからしめるための事実の主張 │
├─────┼───────────────┬────────────────┤
│ 相違点 │ │ │
│ │ 原 告 │ 被 告 │
│(証明責任)│ │ │
└─────┴───────────────┴────────────────┘
○�凝渦鵝�取消し（Ｑ 訴訟行為の撤回の可否)
条件
○�圭�問題（訴訟行為と私法行為)
◆(一) 訴訟における私法上の形成権行使の効果
（Ｑ 弁論行為として私法上の形成権を行使した場合に私法上の効果も生ずるか）
この点、私法上の形成権の行使とその効果の主張としての訴訟行為が併存すると考える見解がある。
しかし、
これでは、訴えが却下され、もしくは取下げされた場合、実体法上は受働・自働両債権が消滅する。
そうなると、
自己の債権を訴求することができないし、既判力により、自己の債務も争えない。
２、そこで、攻撃・防御方法としての意味を失ったときには失効させる条件付法律行為である。
ただし、当事者がいつも実体法上の効果発生を欲しないとは限らない。
そこで、結局は意思解釈の問題として、場合によっては私法上の効果を肯定するのが妥当である。
◆(二) 訴訟上の合意 （受54-1）
→当事者または当事者となるべき者が訴訟に影響を及ぼす効果の発生を目的としてする合意
Ｑ 明文の規定のない訴訟上の合意が許されるか
(不起訴の合意、訴えの取下げの合意、自白契約・証拠制限契約などは、明文の規定がない)
(1)審理の方法・訴訟行為の方式・要件が
多数ある事件の処理のために定められている事項については
→合意で任意に変更することはできない。
(2)本来当事者の意思に任されるべき事項については
→契約の効力を認めるべきである
(理)処分権主義が認められているからである（246)。
但し、訴訟上いかなる不利益を受けるかが明確に予測された場合に限る
(理)十分結果の予見できない状況の下でなされる合意については、
意思の自由を広く保障することが、敗訴と異ならない効果を生じ、
権利保護の要請と矛盾するおそれがある
Ｑ 法的性質
（訴訟上の合意は、私法上の効果を生ずるにすぎないのか、）
それとも、直接に訴訟上の効果も生ずるのか
(1) 不起訴の合意
(2) 訴え取下契約
◆(三)訴訟行為について私法法規はどのように適用されるか
Ｑ1 行為能力に関する規定(民§4,§9)の適用
(1) 訴訟内において手続を形成する訴訟行為
(2) 訴訟前ないし訴訟外の行為
Ｑ2 代理権･代表権に関する規定の適用 これ民Ｐ６
(1) 双方代理 これ民Ｐ６
(2) 表見法理
Ｑ3 意思表示に関する規定の適用
(1)原則→適用なし
(理) 訴訟行為には外観主義、表示主義が強調される。
(理)�〜幣拏蠡海琉豐弔鬚覆港幣拗坩戮麓蠡外堕蠅陵彑舛�ら、独自の規制の必要性がある。
�∩幣拗坩戮枠酬茲妨�けて裁判所になされるものであるから、公的な陳述としての明確性が要求される。
しかるに、民法の意思表示の規定は、意思主義に立脚する。
れは訴訟行為になじまない。
類推適用がなくとも、撤回による救済、言い間違い・書き損じに対しては、補正によって妥当な結論が導きうる。
(2) 例外→次に場合には類推適用できる
�� 訴訟開始前や、訴訟外での訴訟行為
(理)これらは裁判所の面前においてその指揮下でなされるものではない。
また、訴訟手続と直接の関連がないから、手続の安定を害しないからである。
�� 訴えの取下げ、請求の放棄・認諾・和解
(理)その上に他の訴訟行為が重ねられることがなく、手続安定の要請に反しないからである。
�� 刑事上罰せらるべき他人の行為を前提としてなされた訴訟行為
(理)これは、再審事由に該当する（338)以上、手続内でも民法上の規定を類推するのが妥当である。
Ｑ4 条件･期限に関する規定の適用（受54-2）
○�� 信義則 (Q どのような場合に適用され､どのような効果が生ずるか )
適用の類型
(1)訴訟状態の不当形成(訴訟状態を不当に形成した場合)
(2)禁反言 (先行行為に矛盾する挙動をした場合)
(3)権利の不行使 (訴訟上の権能を長期間行使しなかった場合)
(4)権利濫用 (訴訟上の権能を濫用した場合)
�‐總文△陵�用
��忌避権の濫用
�Ａ文△陵�用
�ご�日指定申立権の濫用
◎ 証拠
○�� 基本概念
(1) 事実認定
(2) 証拠､証拠方法､証拠能力､証拠資料､証拠力､証拠原因
(3) 証明･疎明
(4) 厳格な証明･自由な証明
(5) 本証･反証
(6) 事実上の推定･法律上の推定
事実上の推定→裁判官が、心証形成をする過程で経験則を利用して、
ある事実から他の事実の推認を事実上行うこと
(7) 一応の推定･表見証明
(8) 事実上の主張･法律上の主張
(9) 否認･抗弁
○ 証明の対象と不要証事実
◆�� 証明の対象
(1) 主要事実
(2) 間接事実･補助事実
(3) 法規
(4) 経験則→経験から得られた事物の性状や因果関係に関する法則
Ｑ経験則は要証事実か
１ 一般常識に属する経験則→ 不要証
２ 専門的知識に属する経験則でも、法規に関する専門的知識→不要証
(理)法規の解釈・適用は裁判所の職責だからである。
もっとも、外国法、地方の条例などで裁判所が知らないものは証明の対象となる。
３ 特殊な専門的知識→証明の対象となる。
(理)たまたまその裁判官が知っていても裁判官の私知に過ぎないし、
鑑定人と裁判官は同一人であってもならないからである。
◆�� 証明を要しない事項
(1) 自白された事実
(2) 顕著な事実
(3) その他
公知の事実→通常の知識経験を有する一般人が疑わぬ程度に知れ渡っている事実
職務上顕著な事実→裁判官がその職務を行うにあたって知った事実
◇一 自白
１ 意義→口頭弁論期日または争点整理手続での、
相手方の主張と一致する自己に不利益な事実を認める旨の陳述
２ 要件
2 ｢自己に不利益｣の意味
3 自白の対象
(1) 当事者拘束力の対象→ 全事実
(理)当事者に争いないのに、それ以上審理する必要がないからである。
(2) 裁判所拘束力の対象→ 主要事実に限る
(理)自白の裁判所拘束力の根拠は、弁論主義に基づく。
そして
弁論主義の妥当範囲は訴訟物に直結する事実である主要事実に限定される
Ｑ 公知の事実に反する事実を自白した場合に裁判所はこれに拘束されるか
→認められない
(理)民事訴訟制度は国家が関与する公的制度である。
にもかかわらず、裁判所が事実認定を行わざるを得ないとすれば、国民の信頼を失う。
かようにしてまで当事者主義を徹底することはできない。
Ｑ 間接事実の自白に裁判所・当事者への拘束力が認められるか
→否定
(理)間接事実は、主要事実を推認させる事実であるリ、
主要事実の証明手段として証拠と同等の機能を営む。
にもかかわらず、
裁判所への拘束力を認めるならば、自由心証主義を害するおそれがある。
ただし、証拠によらないでその事実を認定してよい。
当事者に争いない以上、それ以上判断する必要がないからである。
Q 当事者への拘束力は認められる。
(理)自らの行動に反する態度を認める必要がないからである。
Ｑ 権利自白(請求の当否の判断の前提をなす先決的な権利・法律関係を認める陳述)に裁判所は拘束されるか
→されない(原則)(裁判所の事実認定権は排除されないし、当事者もいつでも撤回できる。)
(理)法律問題は裁判所の職責である。
また
私人の法的判断には誤解が伴いやすい。
→例外 日常的な法律概念を用いている場合 →裁判所を拘束
(理)具体的な事実の陳述であるから、通常どおりでよい
Ｑ 不確定事実（抽象的事実）(「過失｣「公序良俗」の有無など)の自白に裁判所は拘束されるか
→されない(原則) ← 権利自白と同様に考える
(理)不確定事実の有無の判断は法的評価である。
この判断は裁判所の専権であり、当事者による判断になじまない。
３ 効果
(1) 当該事実は不要証となる（179条) → 裁判所拘束力
(2) 当事者は自由に自白の内容を撤回できない→ 当事者拘束力
(理)相手方の有利な地位を任意に奪うことは禁反言に反する
Ｑ 自白の撤回の可否とその要件
�〜蠎衒�の同意がある場合。
�⊆�白内容が真実に反し、かつ錯誤に基づく場合
◆擬制自白(§159-1)
→相手方の主張する事実を明らかに争わない場合、自白したものと見なされること
成立の条件
公示送達による呼び出しの場合は擬制自白は成立しない（159条1項但書）。
明らかに争わなかったか否かは
事実審の口頭弁論終結時点に、それまでの当事者の口頭弁論を一体として観察して判断される。
そして
弁論の全趣旨から見て争ったと認められる場合には擬制自白は成立しない（247)。
効果
裁判所の判断を拘束するが、当事者への拘束力はない。
○ 証拠による事実認定
◆�� 自由心証主義（§247）
→裁判における事実の認定を裁判官の自由な判断によって形成される心証に委ねる建前
１制度趣旨（採用根拠）
証言の内容・生活関係の複雑・多様化の状況からして、
機械的に事実を認定する法定証拠主義では対応できない。
それよりも
専門家として養成された裁判官の知見に全幅の信頼を置いて、
その自由な判断によって事実認定をする方が適正な事実認定が期待できる。
２ 内容
(1)口頭弁論に現れた一切の資料・状況が心証形成の材料たりうる (証拠方法の無制限)
(2)論理法則と経験則によって裁判官が自由に証拠力を判断してよい(証拠方法の無制限)
３ 限界
証拠方法について手形訴訟では書証に限定される（352)。
Ｑ 違法に収集された証拠について、証拠能力を認めうるか。
→肯定(原則)
(理) 証拠能力を否定して、当事者の訴訟活動の自由を抑圧すべきでもない。
→否定(例外)→人権を侵害し、反社会的な手段で収集された証拠方法
(理)このような証拠に、証拠能力を認めれば、相手方当事者の地位の不当な侵害を招くおそれがある。
Q 盗写した日記・盗聴テープ
(1)無断で住居侵入したり、盗聴マイクなどを利用して得られたもの→証拠能力なし
(2)会話を単に秘密で録音したに過ぎない場合 →証拠能力あり
Ｑ 証拠共通の原則→当事者の一方が提出した証拠は、その者に有利な事実の認定に用いうる他、
相手方が取調べの結果を援用しなくても、当然に相手方によって有利な事実の認定に用いてよいとする原則
根拠（何故に認められるか）
→自由心証主義
弁論主義に反しないか
証拠申出の撤回の可否
3 上告との関係
(1) 証拠説明の欠如
(2) 経験則違背
◆�� 証明責任
→ある主要事実が真偽不明である場合に、
判決において
その事実を要件とする自己に有利な法律効果が認められないという
一方当事者の不利益
２、制度趣旨
事実の存否が裁判所によって不明である場合、
本来なら
法的効果の発生・原告の主張の理由の有無は判断できないはずである。
しかし、
その結果として裁判をしたのでは、紛争解決が不可能となってしまう。
そこで、
真偽不明の場合、事実はないものとし、そのことから発生する不利益を一方当事者に負担させて、
裁判を可能にする必要がある。
３ 機能 (1)当事者の訴訟追行の指標となる
(2)裁判所の訴訟運営の指標ともなる(←本証と反証の配分は客観的に定められるから)
４ 証明責任分配の基準
→実体法の規定を基準に定める
そして
→各当事者は自己に有利な法律効果の発生を定める法条の要件事実の証明責任を負う(法律要件分類説)
(理)証明責任は訴訟の帰趨を左右するものであるので、
当事者の訴訟追行の指標、及び裁判所の訴訟運営の指標の役割も果たす。
そのため
本証と反証の配分は客観的に定められなければならない。
ところで
�［�法者は両当事者の公平・訴訟の迅速な処理に資するように、
証明責任の配分問題を考慮に入れて立法している。
また
��基準として明確である
内容 ┌─────────────┬────────────────┬────────────────────┐
│ (1) 権利根拠規定 │ (2) 権利消滅規定 │ (3) 権利障害規定の要件事実 │
│(権利の発生を定める法条) │(発生した権利の消滅を定める法条)├─────────┬──────────┤
│ の要件事実 │ の要件事実 │権利根拠規定による│権利消滅規定による │
│ │ │法律効果の │法律効果の │
│ │ │発生を阻止する場合│発生を阻止する場合 │
│ │ │(権利不発生を │(権利不消滅を │
│ │ │主張する場合) │主張する場合) │
┌──┼─────────────┼────────────────┼─────────┼──────────┤
│ │売買の成立要件 (§555) │債務の弁済 契約の取消 │錯誤無効 │取消事由ある時の追認│
│ 例 │消費貸借の成立要件(§587) │債務の免除 契約の解除 │虚偽表示による無効│消滅時効の中断 │
│ │即時取得の成立要件(§192) │消滅時効の援用 │ │ │
├──┼─────────────┼────────────────┼─────────┴──────────┤
│立証│ 法律効果の発生 │ 法律効果の消滅を │ 法律効果の │
│責任│ 主張する者 │ 主張する者 │ 発生を争う者 │
└──┴─────────────┴────────────────┴────────────────────┘
┌────────────────────────────┐
│(4) 本文と但書とが組み合わされている法条（(1)〜(3)共通）│
├───────────┬────────────────┤
│本文に定める事実 │但書に定める事実 │
│ ├─────────┬──────┤
│ │｢但し､…の場合は │｢但し､ の │
│ │ この限りにあらず｣│場合に限る｣ │
┌──┼───────────┼─────────┼──────┤
│立証│ 本文の適用を │ 本文の適用を │本文の適用を│
│責任│ 主張する者 │ 免れようとする者│主張する者 │
└──┴───────────┴─────────┴──────┘
◆証拠の偏在と実質的平等
公害訴訟・製造物責任・医療過誤では重要な証拠が相手方にあることが通常である。
この場合に、証明責任の配分を法律要件分類説に従うと、当事者間に不平等な結果を生ずる。
そこで、
当事者間の公平をはかる方法として次の二つがある。
一 証明責任の配分を実質的に変更する方法
１明文の規定のあるもの
(1)証明責任の転換(例：使用者責任(民§715）)
→明文で相手方当事者に反対事実についての証明責任を負担させるもの
(2)法律上の推定
→証明困難な乙事実の代わりに証明の容易な甲事実を証明すれば、
法律上乙事実を要件事実とする法律効果が認められるとするもの
すなわち
証明の容易な事実の証明を条件として、証明責任を転換する。
→経験則があらかじめ法規化されており、推定がその法規の適用として行われる場合
権利推定→同様の法技術で、ある事実を証明することで権利の存在が推定されるもの
(3)暫定真実(例：占有者の所有意思・善意・平穏・公然の推定(民§186）)
→法律効果の基礎となる複数の法律要件事実が存在するときに、
法がある要件事実の証明に基づいて他の要件事実の存在を推定するもの
→無条件に一定の事実を推定することで、法規の要件事実の証明責任を転換する
証明責任が転換されるには、(2)と異なり、何の証明もいらない。
(4)意思推定(例：例 期限の利益(民§136-1))
→法規が意思表示の内容を推定する法律行為の解釈規定である場合、
その適用を争う当事者が証明責任を負うとするもの。
２ 解釈による方法 (法律要件分類説を前提として、間接事実の証明の負担を分配するもの)
(1) 表見証明→間接事実の存在が経験則上相当の蓋然性をもって主要事実の存在を示している場合、
特段の事情がないかぎり証明されたとされること
この結果、具体的に過失・因果関係を証明する必要がなくなる
(2) 間接反証→表見証明が成立する場合にこれを覆すため、
間接事実と両立しうる別の事実の存在を立証するすることにより
主要事実につき裁判官が心証を形成するのを妨げるための証明活動
・別の事実の存在を立証する→∴本証
・主要事実についての心証形成を妨げる→∴反証
機能→法律要件分類説を前提として、
間接事実についての証明の負担を両当事者のいずれかに分配し、
結果として証明責任の公平な運用を図る
二 証拠開示的処理方法
(1)文書提出命令(§221)の適用範囲の拡大
文書提出命令の要件は→文書提出義務が発生する場合
そして、文書提出義務は§220所定の例外を除いて一般的義務とされている(§220��)が、
例外を認めないためにも、１〜３号の各号の解釈は、柔軟になすべきである。
�� 訴訟で引用された文書(§220��)
→文書自体を証拠として引用した場合
のみならず
文書の存在を引用した場合も含む。
�� 引渡・閲覧請求権がある文書(§220��)
Q「権利」→ 実体法上明確に認められていることを要しない。
�� 挙証者の利益のために作られた文書、及び法律関係について作られた文書(§220��)
Q「利益」とは→申立人のために客観的に利益になればよい。(申立人のために作成された文書に限らない)
Q 法律関係文書 →法律関係自体を記したもの
法律関係生成の過程や、法律関係と関係のある事項を記載した文書も含む。
(2)文書特定手続(222条1項)→文書提出命令の申立において、
文書の表示・趣旨を明らかにすることが「著しく困難な場合」のため、
文書の特定に必要な情報を開示させる制度
(制度趣旨)→文書提出命令の実効性を高めるための制度
○ 証拠調手続
１証拠の申出（受58-6）
→当事者の裁判所に対する特定の証拠方法の取調を要求する訴訟行為
唯一の証拠
２
(1)証人尋問
(2)鑑定（§301〜310）
(3)書証（§311〜332)
形式的証拠力と実質的証拠力
文書提出命令の要件（いかなる要件の下でこれを許し）
効果（不提出の場合にいかなる効果を生ずるとすべきか）
§316は相手方が立証しようとする事実についてまで
真実とみなす規定であるとしてよいか
主張妨害・証明妨害の効果（§317）
◆文書提出命令
１、文書提出命令の手続
申立は必要事項を示した上で書面によらなければならない（221条1項）。
文書特定手続（222条1項）
→文書提出命令の申立において、
文書の表示・趣旨を明らかにすることが「著しく困難な場合」
文書の特定に必要な情報を開示させる制度である。
また、一部提出命令も出せる（223条一項後段）。
２、文書不提出の効果
記載内容について裁判所は真実と認めることができる（224)。
また、
内容について具体的な主張をすることが著しく困難な場合、
その事実に関する申立人の主張を真実と認めることができる（224条3項）
◆文書提出義務（§220各号)の解釈
→証拠の偏在現象の下、当事者間の実質的公平を図るため、柔軟になすべきである。
�々罅∩幣戮念�用された文書について提出義務が発生する。
(理)裁判所の印象を一方的に形成させる危険を避けるためである。
Q ｢引用｣とは �（現饉�体を証拠として引用した場合のみならず、
�∧現颪梁減澆魄�用した場合も含めるべきである。
��号、引渡・閲覧請求権があるとき。
(理)当事者に権利があれば、相手方に提出義務は当然認められるからである。
Q「権利」とは、実体法上明確に認められていることを要しないというべきである。
�９罅�挙証者の利益のために作られた場合
Q ｢利益」とは、申立人のために作成された文書に限らないで
申立人のために客観的に利益になればよい。
�９罅）［Т愀犬砲弔い萄遒蕕譴燭發里任△觧�
Q ｢法律関係文書｣ �）［Т愀玄�体を記したものに限らず、
�∨［Т愀言言�の過程
�Ｋ［Т愀犬抜愀犬里△觧�項を記載した文書も含める
�す罅∧現馗鷭亠遡海�本条所定の例外を除いて一般的義務とされる。
３ 証拠保全（§343〜351の2） マニュアルＰ110
→訴訟による正規の証拠調べの時期を待っていたのではその証拠方法の使用が不可能又は困難となる事情がある場合に
本来の訴訟手続とは別個にあらかじめその証拠を取調べその結果を保存しておくための付随手続
(1)制度趣旨
(2)要件（§343）
�〕修畩攀鯆瓦戮鬚靴覆韻譴�
�◆崗攀鬚鮖藩僂垢襪忘て颪併�情」があり→具体的危険説（通判）
��申立があること
８ 証拠→裁判所による事実認定のための材料
＊証拠方法→裁判官が五官の作用によって取調べることのできる有形物であり証拠調べの対象となるもの
証拠資料→裁判官が証拠調べによって感得した内容
証拠能力→ある有形物が証拠方法として取り調べの対象とされ得る資格
証拠力（証拠価値）→証拠資料が要証事実の認定に役立つ程度
その判断は裁判官の自由に任される（247)
○証明： 要証事実の存在につき裁判官が確信を得た状態
○疎明： 裁判官が要証事実の存在が一応確からしいとの推測を得た状態
○経験則： 経験から得られる事物の性状・因果関係に関する知識・法則
● 訴訟の終了
◎１ 当事者の意思による終了−処分権主義(2)
○�� 訴えの取下 (§261〜263)
→ 原告による、訴えという審判申立の撤回をする旨の意思表示
２ 要件
判決確定までなら自由にできる。
ただし、
被告が準備書面の提出・準備手続での申述等、
本案につき争う姿勢を示した以後は被告の同意が必要
(理) 請求棄却判決がなされる可能性をめぐる被告の既得の地位を保障するため
３ 効果
(1) 訴訟係属の効果が遡及的に消滅し、訴訟は終了する。
(2) 本案につき終局判決がなされた後に訴えを取下げた場合は、
その後に同一の訴えにつき別訴を提起できない（262条2項）
(趣旨) 判決に至るまでの裁判所の努力を徒労に帰せしめたことに対する制裁である。
Q 同一の訴えとは、
→当事者と訴訟物が同一で、かつ
再訴の提起を必要ならしめた訴えの利益についての事情の同一が認められる場合である。
なお、原告側に再訴を正当ならしめる利益がある場合は、再訴禁止効に触れないと解する。
(理)再訴の禁止の趣旨に反しないからである。
そのような例として、被告が騙して訴えを取下げさせた場合が挙げられる。
Q 意思表示に瑕疵ある場合の処理
3 請求の縮減
○�� 請求の放棄・認諾 (§266)
請求の放棄→請求に理由がないことを自認する原告の裁判所に対する意思表示
請求の認諾→請求に理由があることを認めるとの被告の裁判所に対する意思表示
◆要件
１訴訟物の処分可能性、
２公序良俗・強行法規に反しないこと、
３当事者の実在・専属管轄、
４訴訟能力
訴訟要件を具備しなければならないか
公序良俗に反する事項について認諾できるか
対象となる請求
(1) 人事訴訟
(2)会社関係訴訟
◆ 効果
調書の既判力の有無及び意思表示に瑕疵ある場合の処理
(1) 放棄･ 認諾調書の既判力
(2) 意志表示の瑕疵
◇放棄・認諾の既判力の有無
→認められない
(理)既判力ある訴訟終了原因については、再審事由ない限り無効・取消は認められない。
放棄・認諾は、当事者の意思に基づくものであるから、
公権的判断に与えられる既判力を発生させるになじまない。
また、
裁判所は常に、放棄・認諾の意思表示に錯誤・強迫のないことを確認しているわけではない。
そして、要件を欠く場合や意思の瑕疵がある場合、
当該当事者は無効・取消を主張し、期日指定の申立をして、手続は続行される
○�� 訴訟上の和解 (§264〜265･267)
→訴訟係属中、当事者が訴訟物についての主張を互いに譲歩して訴訟を終了させる旨の期日における合意
和解成立を促進するための制度
(1)和解条項案受諾書面制度（264)
→遠隔地の当事者が裁判所の和解条項案を書面で受諾した場合、
本当事者は口頭弁論期日に出頭しなくてよいとするもの
(2)和解条項告知制度（265)
→和解の申出により、裁判所が和解条項を作成し、
双方当事者に告知された場合に和解が成立するもの
◆ 要件
１訴訟物の処分可能性、
２公序良俗・強行法規違反でない、
３当事者の実在・専属管轄、
４原告の訴訟能力
◆ 効果（§267）
◇訴訟上の和解に既判力が認められるか
→認められない
(理)�ヾ�判力は公権的な判断である判決に認められる。
しかし、
和解は当事者間の自主的な紛争処理法式であるから、
既判力を発生させるになじまない。
�△發郡�判力を認めると、和解成立までに攻撃・防御を尽くすことは期待できない以上、
手続保障が図れない可能性がある。
無効を主張する方法（受55-9）
期日指定の申立
和解無効の中間確認の訴え
別訴（無効確認の訴え・請求異議の訴え）
◇和解に無効・取消原因がある場合の争う方法
→期日指定申立による
(理)旧訴の裁判資料や手続を利用できた方が訴訟経済に資する。
また、
和解が無効だとすれば、訴訟は終了していない。
私法上の和解と同様な理由により無効の主張が許されるか
意思表示の瑕疵・缺欠
和解契約の解除・相殺の主張
◇和解が解除された場合
→新訴提起によるべきであり、旧訴は復活しない
(理)契約の解除は和解成立後の新たな事由に基づく権利変動であり、
旧訴と別個の争いというべきだからである。
◎２ 終局判決による終了
○第１節 裁判の意義と種類
◆裁判とは→裁判機関が行う判定の結果またはその判断や意思を法定の形式で表示する訴訟行為
◆種類
┌────────────┬────┬───────────┐
│ 判決 │ 決定 │ 命令 │
┌──────┼────────────┼────┼───────────┤
│ │ │ │ (裁判長) │
│ 裁判主体 │ 裁判所 │裁判所 │裁判官 (受命裁判官) │
│ │ │ │ (受託裁判官) │
├──────┼────────────┼────┴───────────┤
│判事補の権限│単独では不可(207の2) │単独で可(§207の2) │
├──────┼────────────┼────────────────┤
│ 審理方法 │必要的口頭弁論(125-1本) │任意的口頭弁論(§125-1但) │
├──────┼────────────┼────────────────┤
│ 告知方法 │ 判決書＋言渡 │相当の方法(§204) │
│ │ (§188,189) │ →調書の記載で代用可(§144 ) │
├──────┼────────────┼────────────────┤
│ 上訴方法 │控訴→上告 (207) │抗告→再抗告(§207) │
└──────┴────────────┴────────────────┘
判決→裁判所が重要事項につき原則として必要的口頭弁論に基づいてなす裁判
○第２節 判決の種類
◆ 終局判決･全部判決･一部判決
終局判決→係属中の事件の全部または一部につき当該審級の審理を完結させる判決
一部判決→同一訴訟手続で審理されている事件の一部を、他の部分と切り離して完結する終局判決
◆ 中間判決・終局判決
中間判決→審理中に問題となった当事者間の争いを、終局判決に先立って解決しておく判決
趣旨；審理を整理
◆ 本案判決･訴訟判決
◆ 非判決･無効判決
非判決→判決の基本要件を欠くため、法律上、判決として存在しているといえないもの
◆ 判決の更正･変更
┌───────────────────┬──────┐
│ 判 決 │決定・命令 │
├───────────┬───────┤ │
│更正 (§194) │変更 │205 │
│ │(§193の2) │ │
┌─┬───┼───────────┼───────┼──────┤
│ │原因 │表現上の明な誤謬 │法令違背 │ │
│要├───┼───────────┼───────┼──────┤
│ │時期 │制限なし │言渡後１週間内│ │
│件│ │(確定後も可) │且 判決確定前│ │
│ ├───┼───────────┼───────┼──────┤
│ │その他│ │弁論不要なこと│ │
├─┴───┼───────────┼───────┼──────┤
│申立 │○ 職権も可 │× 職権のみ │ │
├─────┼───────────┼───────┼──────┤
│主体 │判決裁判所 (原則) │判決裁判所 │ │
│ │上訴裁判所 (上訴中) │ │ │
├─────┼───────────┼───────┼──────┤
│裁判形式 │決定 │判決 │ │
├─────┼───────────┼───────┼──────┤
│不服申立 │更正決定→即時抗告 │上訴 │ │
│ │更正却下決定→通常抗告│ │ │
└─────┴───────────┴───────┴──────┘
○第３節 成立と確定
◇判決の成立
1 判決の成立手続
2 判決書の記載事項
◇判決の確定時期
○第４節 裁判の効力
(1)確定前の判決 自己拘束力
羈束力
(2)確定判決 本来的効力
付随的効力
その他の効力
◇瑕疵ある判決と判決の無効
裁判官によって言い渡された判決について、原則当然の無効は認められない。
取消は、再審の訴えによる
(理)後日の無効主張によって法的安定性が揺るがされることを防ぐ必要があるからである。
自己拘束力により、裁判所も自由に判決は変更できないともいえる。
例外的に無効とされる判決は
死者に対する判決、当事者適格欠く者になされた対世効ある判決等に限られる
cf．不成立の判決 言渡しがない、裁判官でない者に言い渡された場合
◇不当取得された確定判決の是正方法
→再審の訴え・上訴の追完によるべきである
(理)法的安定要求が強調されるべきだからである。
※ 確定判決の→故意に相手方当事者や裁判所を欺いて確定判決を取得することをいう。
例 �“鏐陲竜鐔衂毀世筏兇辰徳幣�等の公示送達を申し立て、
被告の手続関与の機会を奪って勝訴判決を得た場合
��刑事上罰すべき他人の行為による自白、証拠の偽造・変造の結果得られた場合
◇公示送達を用いて、被告敗訴判決が確定した場合
原告が、故意・過失によって被告の所在不明として、公示送達の方法を用い、
被告敗訴判決が確定した場合、被告はいかなる手段をとるべきか。
→上訴の追完を求めることができ（§285）
再審を求めることができる（§338-1�ァ�
Ｑ 端的に判決を無効とできないか。
→できない
(理)判決による訴訟処理の安定性を図る必要がある。
また、
確定判決の自己拘束力によって裁判所は自由に訂正できない
◇ �� 既判力→確定判決の判断に与えられる後訴に対する通用性ないし拘束力
消極的作用→ 当事者は既判力の生じた判断を争うことは許されず、
後訴裁判所はこれを争う当事者の主張を排斥しなければならない
積極的作用→ 裁判所は既判力で確定された判断に拘束され、
これを前提として後訴の審判をしなければならない。
◆既判力の根拠
Ｑ 何故に認められるか
→民事訴訟は公権的判断による終局的な紛争解決を目的とする。
この目的を達するためには、判決には法的安定性・不可争性が要求される。
判決が確定したにもかかわらず同じ紛争について、別訴の提起を認めたのでは、
時間と労力をかけて下した裁判所の判断が無駄となるばかりか、
紛争が解決されたものと信じた相手方にとって酷な結果となる。
そこで、同じ紛争の蒸し返しを防ぐ必要がある。
Ｑ 正当化の根拠は何か
→審理において手続保障要求が充足されたならば、当事者の自己責任として正当化される。
◆時的限界(基準時)
→最終口頭弁論終結時
(理)権利関係は、訴訟中も時の経過とともに発生・変更・消滅など変化をきたす。
したがって、判決で確定されるのは、ある時点における権利関係のみである。
このような権利関係があるか否かは、裁判資料として提出される事実により判断されるが、
当事者は事実審の最終口頭弁論終結の時点まで事実を提出できる
したがって、最終口頭弁論終結時における権利関係が判決主文で判断される
※既判力の遮断効→後訴において、前訴確定判決の基準時における既判力ある判断を争うために、
前訴の基準時までに存した事実に基づく攻撃防御方法を当事者が提出できないとする効力
当事者は基準時前に既に存在していた事由を後訴で提出して争うことはできない。
すなわち
基準時後に成立した事由は、後訴に提出できる。
前訴の訴訟物に関する無効・弁済・免除等の事実は後訴では提出できない。
ただ
前訴で提出して争っておかねばならなかったといえない事実は遮断されない。
Ｑ 次の主張が遮断されるか(権利主張できないか)
時効消滅の援用 ×
無効 ×
Q1 取消権の行使 ×（S36,12,12 ）
(理)�ヾ霆犹�前に形成権が成立していたなら前訴で形成権を行使して、
変動の結果を主張しておくべきである。
�△茲蟒殿腓圃赱咾任△詭妓�事由が遮断されることとの均衡
Q2 解除権の行使 ○
Q3 相殺の抗弁 ○（S40, 4, 2 ）
(理)�〜蟷Δ麓�己の出捐を伴うので、最後の手段としての性質がある。
�⊆�動債権は訴訟物たる受働債権とは全く別個の債権である。
Q4 建物買取請求権 ○
(理)�〆埜紊亮蠱覆任△襪掘�
�∪�策的に賃借権とは別個に認められた権利である
Q5 手形の白地補充権 ○
(理)もし白地補充権が遮断されると敗訴の理由が白地手形の場合には訴求の途が封じられる
Q6 限定承認
◆物的限界(判決でなされた判断のどの部分につき既判力を生じるか)
→「判決主文に包含する判断｣に限る(原則)(§114-1)
(訴訟物たる権利・法律関係の存否についての判断に限られる)
※理由中の判断に既判力が及ばない理由
(理)(1)主文の記載に既判力を認めれば
�（響茲僚萢�手続として十分である。
�△泙拭�当事者は訴訟物とされた権利関係に攻撃・防御を集中するから、不意打ちとならない。
しかも
(2)審理の簡易化・弾力化にも役立つ。
例外（相殺の抗弁)(§114-2)→判決理由中の反対債権の存否にも既判力が及ぶ。
立法趣旨(既判力が生ずる理由)
→訴求債権の存否の争いが、反対債権を訴訟物とする後訴で蒸し返される結果を防ぐ点にある。
Ｑ 既判力が生ずる範囲(Q1 相殺のため主張した請求の成立または不成立」)
(1) 相殺の抗弁が排斥された場合→反対債権の不存在（争いなし）
(2) 相殺の抗弁が認められた場合はどうか
反対債権の不存在説(主文の判断と反対債権の不存在のみ)（中野）
(理)既判力による拘束力が広く及べば、
後訴における当事者の訴訟行為の自由が拘束され、審理の弾力性も失われる。
したがって、
その範囲は目的が達成できる限度においてのみ認めるべきである。
そして、
本件では、口頭弁論終結時には相殺されて反対債権が消滅している
(批) 明文に反する（法は「成立」にも既判力が生ずることを予定している）
両債権の存在及び消滅説（新堂）
（理）両債権の存在にも既判力を認めておかないと
反対債権が当初から存在しなかった、
もしくは
原告の債権は相殺以外の別の理由で不存在だったという理由で、
当事者が紛争を蒸し返すおそれがあるからである。
(批) 前者は主文における訴求債権の不存在により、
後者は反対債権の不存在という理由中の判断で排斥できる。
よって、このように考える必要はない。
Ｑ 既判力が生ずる範囲(Q2「相殺をもって対抗したる額」)
※ 争点効
→ 同一の争点を主要な先決問題とした別異の後訴請求の審理において、
その判断に反する主張・立証を許さず、これと矛盾する判断を禁止する効力
例 建物の占有者が所有者からの明渡請求を賃借権の存在を理由に拒みながら、
賃料請求においては一転して賃貸借契約の不存在を主張した場合。
賃借人の主張は前訴の主張と矛盾するが、
賃借権の存在は前訴の理由中の判断に過ぎない。
そうすると、本来なら、甲の主張は認められるずである。
しかし、
この結論は不当であるとするなら、甲の主張を封じる理論構成を要する。
Q では このような効力が認められるか
→ 否定
(理) �，�ような効力が発生するとの明文はない。
�△い�なる場合にこのような効力を認めるのか、基準が不明確である。
しかも、このような効力の発生をきらい裁判資料選択の自由が喪失され
手続が硬直化するおそれがある。
既判力は後訴における当事者の訴訟行為の自由度を奪う効果を持つので、
その範囲は必要最小限度に留めるべきである。
�い修靴董�右効力を認めねば不都合が生ずるならば、
信義則によって個別に既判力と同様な拘束力を認めれば足りる
※ 信義則の適用基準→�ー村租�に前訴の蒸し返しであること
�∩袷覆覗茲Δ海箸�できたこと、
�Ｄ拘�間の経過
◆ 主観的範囲（§201）
原則→当事者相互間にだけ作用する。
しかし、
多数の関係人の間の権利・法律関係については、
実体関係に即した矛盾のない統一的紛争処理が望ましい。
したがって、例外を認める必要性がある。
２、その例外として、
まず形式的当事者と同視すべきものがある。
独自に訴訟を追行させる必要のない第三者は、判決効との関係では実質的には形式的当事者と同様の地位にある。
具体的には、家族・同居人のような請求の目的物を所持するものである。（§115-1�ぁ�
また、仮装の登記名義人や、法人格否認の法理が適用された場合の背後者もそれにあたる。
さらに、代替的手続保障がある場合も例外である。訴訟担当の場合の利益帰属主体(§115-1�◆砲任△�
Ｑ代位訴訟の債務者に判決効が拡張されるか
→肯定
(理)もとより、敗訴の場合には、債務者と債権者は利害が相反する。
しかし、
�〜幣戮料蠎衒�が何度も訴えられるのは相手方にとって迷惑であるし、
�∩幣抃从僂砲眸燭垢襦�
��債務者保護は、訴訟告知、独立当事者参加、共同訴訟的補助参加より図れば足りる。
例外→�（餝臂儀竸�(∵ ｢当事者｣に準ずる)
��口頭弁論終結後の(特定)承継人（百選Ｐ106）
範囲
固有の利益
��請求の目的物の所持者（百選Ｐ107）
�ち幣拊甘�の利益帰属主体
�チ幣拊β犲�
※口頭弁論終結後の承継人(§115-1��)
→ 判決の基準時後に
訴訟物たる権利関係をめぐる実体法上の法的地位を
前主たる当事者から承継した者
既判力が拡張される趣旨
→敗訴当事者が訴訟物をめぐる地位の処分しても
勝訴当事者の訴訟追行を無駄にさせない点にある。
要件
(1) 前主によって訴訟追行がされていること
(2) その権利関係をめぐる実体法上の法的地位を引き継いだこと
Ｑ承継人の範囲決定の基準
→訴訟物は実体法における権利を元に決定される
(理)基準の明確性の点から
ならば、主張の内容が物権的請求権である時に権利関係を承継した者に既判力は拡張される。
２、それに加えて、当事者適格を当事者から伝来的に取得した者を指すという見解がある。
(批)この見解は、訴訟承継と本論点をパラレルに考える考え方である。
しかし、訴訟承継と本問題点は別の問題である。
前者は、これから訴訟追行をするものは誰であるかの問題であるのに対して、
後者は訴訟追行できないものである。
とすれば、全く同じに考えるならば、既判力が及ぶ者への手続保障上問題がある。
そこで、
当事者と第三者との実体法上の法的地位の依存関係によって、承継人の範囲を決定すべきである。
依存関係ある者には既判力が拡張されても手続保障に反するとはいえないからである。
３、承継人に固有の抗弁ある時も既判力を及ぼすべきか。
→否定(承継人ではない)
(理)固有の抗弁ある者は、前主の不利な法律的地位を承継しないから、
当事者に対する依存関係はない。
４、承継人とされる者
�〜幣拱�たる権利の譲受人(例 債務の引受人)
�∩幣拱�たる権利関係をめぐる法的地位を当事者から承継した者
(例 家屋収去土地明渡請求後土地を借り受けた者)
�０貳名儀竸�
(理)前主の法的地位を包括的にそのまま承継する以上実体法上の地位を前主に依存する。
※ 反射効
→当事者間に既判力が生じたことが、
当事者の一方と特殊な関係にある第三者に反射的に有利または不利な影響を及ぼす効力である。
例 債務者が債権者に勝訴した場合に、保証人も債権者に勝訴の結果を援用できるとする。
Ｑ このような概念を認めることができるか
(問題の所在)
紛争の統一的解決の要請
馴れ合い訴訟による判決をうけることの防止の要請
→ 以上の観点からは肯定した方がよい。
but 法に明文の規定がない。
そこで、どのように理論構成すればよいか。
→ 否定
(理)既判力の拡張と同視できる効果を発生させるには明文ある場合に限る。
さもなければ、手続保障の観点から問題あるからである。
ただし、
実体関係上依存関係が認められる場合、実体法規が既判力の拡張を導き出している。
この場合は実定法によって既判力の拡張が認められている。
したがって、このような場合は、依存関係ある者に既判力を拡張することは許される。
◇ �� 執行力→確定給付判決の主文にあげられた給付請求権を
民事執行手続によって実現できる根拠となる効力
仮執行宣言（§196〜§198 ）
┌──────────────┬───────────┐
│ 一般の場合 │手形･小切手訴訟の場合 │
┌──┼──────────────┼───────────┤
│ 要 │�〆盪詐紊寮禅瓩亡悗垢詒酬茲萌↓ ‘浦検 � │
│ │��仮執行の必要性があり │�◆‘浦検 � │
│ 件 │��申立又は職権による (196-1)│��職権による (196-2) │
├──┼──────────────┼───────────┤
│ │ 任意的 (§196-1) │ 必要的(§196-2) │
├──┼──────────────┼───────────┤
│ 担 │無条件 (｢担保を供し｣) │原則 無条件 │
│ │ 又は │ │
│ 保 │立担保 (｢供せずして｣) │例外 立担保 │
├──┼──────────────┴───────────┤
│効果│即時（確定前）に執行力発生 │
├──┼──────────────────────────┤
│失効│ 仮執行判決を変更する判決の言渡 (§198-1) │
│原因│ 本案判決を変更する判決の言渡 (§198-1) │
└──┴──────────────────────────┘
◇ �� 形成力→請求を認容する形成判決の確定により、
判決内容とおりに法律関係の発生・変更・消滅を生じさせる効力
● 複数請求訴訟
┌─────┬──────────────────────────────────────────┐
│原始的複数│ 後発的複数 │
├─────┼─────────────────┬─────────────────┬──────┤
│客観的併合│ 訴えの変更 │ 反 訴 │中間確認の訴│
┌─┼─────┼─────────────────┼─────────────────┼──────┤
│態│単純併合 │追加的変更 │ │ │
│様│選択的併合│交換的変更 │ │ │
│ │予備的併合│ │ │ │
├─┼─────┼─────────────────┼─────────────────┼──────┤
│ │ │�〇�実審の口頭弁論終結前 │�〇�実審の口頭弁論終結前 │ │
│要│ │ 控訴審でも被告の同意不要 │控訴審では被告の同意必要 │ │
│件│ │�∪禅瓩隆霑辰吠儿垢�ないこと │�∨楞弊禅�･攻防方法と牽連すること │ │
│ │ │ (但 被告の同意があれば不要) │ (但 被告の同意があれば不要) │ │
│ │ │�Ｃ�しく訴訟手続を遅滞させないこと│��─────── │ │
│ │ │ (被告の同意がああっても必要) │ │ │
│ │ │�だ貘梓紐蹐飽稟燭靴覆い海函 � │�だ貘梓紐蹐飽稟燭靴覆い海函 � │ │
│ │ │ │ │ │
│ │ │Q ｢請求の基礎｣とは │ │ │
│ │ │ │ │ │
└─┴─────┴─────────────────┴─────────────────┴──────┘
◎�� 訴えの客観的併合(§136)
◆ 意義・要件
◆ 態様
１単純併合→相互に両立し得る数個の請求を単純に併合し、
すべての請求について審判を求める形態
例；売買代金支払請求と貸金返還請求
２選択的併合→同一の目的を有し、両立し得る数個の請求をその一つが認容されることを解除条件として、
他の請求の審判を求める形態
例；所有権に基づく返還請求と占有権に基づく返還請求
３予備的併合→法律上両立し得ない数個の請求に順位を付し、
主位請求が認容されることを解除条件として副位請求の審判を求める形態
例；売買代金請求と引き渡した目的物の返還を求める請求
◆ 訴訟上の問題点
Ｑ 代償請求の併合の性格
Ｑ 単純併合の場合に弁論の分離･一部判決ができるか
Ｑ 予備的併合の場合に上級審での審判の範囲
◎�� 訴えの変更 (§143)
→訴訟係属後に、原告が当初からの手続を維持しつつ、当初の審判対象を変更すること
◇ 態様
�…媛壇�変更→当初からの請求を維持しつつ新請求についても審判を求める場合
��交換的変更→従来の請求に変えて新請求につき審判を求める場合
Ｑ 請求の減額を訴えの変更としてよいか
→ 否定（訴えの一部取下げである）
(理)一部請求が処分権主義からして当然できるから
◇ 要件
(1)複数請求訴訟の一般的要件があること
(2)「請求の基礎」に同一性があること（§143-1本）
(理)新請求の裁判資料が旧訴訟と全く異なると、被告の防御が困難になるからである
(3)著しく訴訟手続を遅滞させないこと（§143-1但）
(4)事実審の口頭弁論終結前であること
(理)上告審においては事実主張がﾞできないからである。
(5)交換的変更は相手方の同意があること
(理)旧請求を消滅させる以上、相手方の地位を無にすべきでないからである
(6)書面でなされること（§143-2）
◆ 請求の基礎の同一性
Ｑ１ 同一性の有無の判定基準 → 両請求の利益関係が社会生活上共通であるか、
旧請求の裁判資料の継続利用が可能であること
(理)請求の基礎の同一性が要求される理由は、
新請求の裁判資料が旧訴訟のそれと全く異なると、
被告の防御が困難になるため、被告の不利益を防ぐ点にある。
Ｑ2 被告の同意・応訴があるときにも｢請求の基礎の同一性｣を要するか
または相手方の陳述した事実を新請求の原因とする訴えの変更においては、
→要求されない。
(理)被告保護の要請に反しないからである。
Ｑ 相手方の陳述した事実を新請求の原因とする訴えの変更
甲は乙に対する土地明渡請求訴訟において、乙が賃借権の抗弁を提出したので、
土地の賃料支払請求へ訴えの変更を変更したい。
Q 乙の同意が必要か
→不要
(理) 甲の訴えの変更は被告が陳述した事実を原因とするのに、。
乙が同意しないことは、態度が矛盾する。
◎�� 反訴 (§146)
→ 係属中の本訴の手続内で、関連する請求につき、被告が原告に対して提起する訴え
二、制度趣旨
原告に訴えの客観的併合・訴えの変更が認められる以上、被告にも左に対応した手段を認めるのが公平である。
また、
反訴によって、審理の重複・矛盾する判決を回避できる。
三、要件
１ 請求複数訴訟の一般的要件
(1)本訴請求と同種の手続によって審判される請求であること、
(2)他の裁判所の専属管轄に属しないこと、
２ 本訴の請求・防御方法と関連性があること（146条1項）
�� 請求の内容または発生原因において法律上・事実上共通性があること。
例 所有権に基づく明渡請求に対する、賃借権確認の反訴請求
�� 本訴請求を理由なからしめる事実と内容や発生原因で共通すること
例 金銭の支払請求に対する相殺の抗弁に加えて、相殺に供した額を超える部分の請求をなす場合
３ 本訴の事実審口頭弁論終結前であること（146条1項本文）
４ 著しく訴訟手続を遅滞させないこと（146条1項但書）
５ 控訴審では、相手方の同意・応訴あること（300)
(理)相手方の審級の利益を保護し、手続保障を図る必要ｶﾞあるから
例外 反訴請求と関連する事項について、一審裁判所で審判がなされた場合
(理)この場合は原告の審級の利益が害されない。
∴ 原告の同意なくとも反訴を提起できる。
◎�� 中間確認の訴え (§145)
→訴訟係属中に、当初請求の当否の判断の先決関係たる権利・法律関係の存否につき、
原告または被告が追加的に提起する確認訴訟
● 多数当事者訴訟
◎ 共同訴訟
○ �� 共同訴訟 (§38)
一つの訴訟手続に複数の原告・被告が関与する訴訟形態
通常共同訴訟：各共同訴訟人と相手方との間で合一確定の必要がない共同訴訟
→本来、各人が個別に訴訟を提起できる場合に便宜上共同訴訟とする場合
趣旨；１審理の重複の回避、２判決の矛盾の回避
例；主たる債務者と保証人を共同被告とする訴訟
共同訴訟人の地位
→ 各共同訴訟人は他の共同訴訟人の訴訟追行に制約されず、
それぞれ独自に訴訟を追行しその効果を受ける (共同訴訟人独立の原則)
(理)通常共同訴訟は、別々の手続で処理できる訴えを同一手続内で処理するものに過ぎない。
(効果)→訴訟行為の効果は共同訴訟人互いに影響はない(原則)
そこで、
(1)各当事者は他の共同訴訟人と無関係に放棄・認諾・和解等訴訟上の地位の処分や上訴をなしうる。
さらに、
(2)共同訴訟人の一人につき中断・中止事由があったり、期日に不出頭でも、
他の共同訴訟人にはその効果が及ばない。
(例外)
Ｑ 証拠共通原則の可否
→共同訴訟人の一人が提出した証拠は、
他の共同訴訟人が援用しなくても、
その者の主張する事実の認定のためにも、資料たりうる。
(理)自由心証主義の下では、一つの歴史的事実の心証は一つしかあり得ないからである
ただし、弁論主義の不意打ち防止機能からして、全面的に独立原則を採用するのは問題である。
Ｑ 主張共通の成否( Q 共同訴訟人の事実主張が他の共同訴訟人のためにもなされたと扱えるか)
→ 否定
(理)�〇�実の主張は弁論主義の問題である。
�⊆村租�にも、当事者への不意打ちを防止すべきである。
○ �� 同時審判申出共同訴訟
→通常の訴えの主観的単純併合であるが、共同訴訟人と相手方との間の実体法上両立しえない複数の請求につき
控訴審の口頭弁論終結時までになされた原告の同時審判の申立により
弁論と裁判の分離を禁じる場合
訴えの主観的予備的併合
→実体法上両立し得ない複数の請求に順位を付し主位原告のまたは主位被告に対する
請求の認容を解除条件として予備的に副位請求のまたは副位被告に対する請求を求める訴訟形態
Ｑ 認めるべきか
→否定(通判)
(理)(1)このような訴訟形態を認めた場合、
�〕夙�的被告の地位が手続上不安定な状態におかれる。
しかも、
�⊂總覆�なされた場合裁判が不統一となる可能性がある。
(2)原告は、同時審判の申立により、弁論と裁判の分離を禁じることができる（41条1項）
本制度によって、主観的予備的併合とほぼ同じ目的が達成できる。
よって
主観的予備的併合を認める必要性はほぼ解消される。
Ｑ 肯定するなら下記の問題点を解決する手段
→�� 予備的被告の不利益
�� (特に上訴審において)審判の不統一
○ �� 必要的共同訴訟
→判決が各共同訴訟人ごとに区々なることが許されず、合一確定が要求される共同訴訟
例；数人の株主が提起する株主総会決議取消の訴え
Ｑ 必要的共同訴訟となるのはいかなる場合か
◆固有必要的共同訴訟
→数人が共同して初めて当事者適格が認められる共同訴訟の類型
１ 制度目的
→判決の矛盾を回避し、当事者適格者全員の訴訟関与を確保する点にある。
２ 固有必要的共同訴訟が要求される範囲の決定
→訴訟物たる権利関係をめぐる関与者の地位との関係で客観的になされる必要がある。
(理)当事者適格が認められるか否かの問題であるからである。
加えて、手続上の要求も考慮して決しなければならない。
�� 他人間の権利関係の変動を結果する形成訴訟 →固有必要的共同訴訟
�� 実体法上単独で処分できない権利が訴訟物となる場合→固有必要的共同訴訟(原則)
持分権に関わる訴訟は→個別訴訟を認めうる。
(理)共有者は持分を自由に処分できるからである
��しかし、実体関係からすれば固有必要的共同訴訟となるべき場合でも、
共同所有者全員に訴え提起が困難な場合には相手方の権利保護の途が閉ざされる。
逆に、個別訴訟を認められるかに見える場合でも、
訴訟追行結果が他の共有者に極めて重大な影響を与える場合には他の共有者の権利保護が全うされない。
そこで
かかる訴訟法上の観点からの修正が必要となる。
◆ 類似必要的共同訴訟が要求される場合
→判決効が拡張される場合である。
(理)�”�要的共同訴訟の審判の原則が適用されることになると、
訴訟人の訴訟上の処分権能を否定する度合いが大きいからである。
��通常共同訴訟でも証拠共通の原則が認められ、不当な結果を招くことはないから
○ �� 主観的追加的併合
→訴訟係属中に、
第三者がその意思に基づき積極的に当事者として加入し、
また
原告・被告がその意思に基づき第三者に対する訴えを
従来の訴訟に追加的に併合することによって共同訴訟が成立する場合
→他人間の訴訟の請求と関連性がある請求をたてて、
第三者が原告または被告に対する訴えを併合提起しうるとするものである。
(後発的に通常共同訴訟が成立する場合である)
要件
(1)請求の併合の要件、及び一般の訴訟要件の具備
(2)権利義務が共通または、同一の事実上・法律上の原因に基づくこと
(理)他人間で訴訟が進行中である点に求められる。
同一当事者間でも訴えの変更・反訴の要件は厳しいことに対応する。
(3)第三者が控訴審で併合審理を要求した場合は、従来の当事者の同意を要する。
(理)従来の当事者の審級の利益を考慮する必要があるからである。
◆当事者による追加（後発的主観的併合）
→ 訴訟係属中に、通常共同訴訟の要件(§38前)を備えた第三者を被告側の共同訴訟人として加えること
Ｑ このような通常共同訴訟の成立形態を認めることができるか
→認められない
(理)�＾�き込まれた第三者との関係で旧訴訟の訴訟状態を利用できるかは疑問である。
�△靴�も軽率な提訴・濫訴を招き、訴訟を複雑化させ、訴訟遅延のおそれもある。
�Ｉ�要ある場合は、別訴提起と弁論の併合によれば足りる。
◎ 訴訟参加 （参加各制度の要件・効果の整理！）
○ �� 補助参加（狭義）（§42〜§46）
→他人間の係属中の訴訟の結果につき利害関係を有する第三者が、
当事者の一方を勝訴させることによって、間接的に自己の利益を守るため、
従たる当事者としてその訴訟に参加する形態
例；主債務者が、債権者・保証人間の保証債務履行請求訴訟の保証人側に参加する場合
◇ 要件
Q 参加の利益
◇ 参加人の地位
Q4 補助参加人の上訴時期
Q5 補助参加人の自白
Q6 私法上の権利行使ができるか
◇ 手続
Q1 当然の補助参加関係
Q2 被参加人を固定しない補助参加ができるか
◇ 判決の効力(参加的効力)
○ �� 共同訴訟的補助参加
→当事者間の判決の効力が及ぶ第三者が補助参加すること
例 株主総会決議取消訴訟の会社側に参加する株主
Ｑ 認められるか
Ｑ 参加人の地位
○ �� 訴訟告知
→訴訟係属中に当事者から、訴訟参加できる第三者に対して、
法定の方式により訴訟の係属の事実を通知すること
2 効果
○ �検‘販�当事者参加（§47･48）
→第三者が係属中の訴訟の原告及び被告の双方に対して、それぞれ請求を立てて、
原告・被告間の請求と共に同一手続で三者間に矛盾のない判決を求める訴訟形態
◇ 制度趣旨 １審理の重複の防止
２判決矛盾の防止
◇ 類型
◆権利主張参加（§47-1）
片面的独立当事者参加（47条1項）
→当事者の一方が参加人の主張を争わないで、独立当事者参加を行うこと
◆詐害防止参加（§47）
Ｑ§47｢権利侵害｣とは
→�“酬荼�が及ぶことにより権利が害される場合
��判決によって(第三者の権利が他人間の権利関係の存否と論理的関係があるため)事実上影響される場合
(理)�，妨堕蠅垢襪函�共同訴訟参加・共同訴訟的補助参加と別に
本訴訟形態を認める意義がなくなる。
これらの制度をもってしても、判決効が拡張する者の保護は図りうるからである。
◇ 要件
◆上告審で第三者は独立当事者参加をなしうるか。
→ 否定
(理)上告審では、参加人の請求の当否の審判ができない。
また、
この者は下級審で敗訴したわけでないから、上告の利益もない。
◆一人の上訴と上訴審の審判範囲
独立当事者参加がなされ、三面訴訟が形成された場合において、
一人だけ上訴したとき、全訴訟が上級審に移審する。
しかし、上訴審では不服の限度でのみしか審判できない（304)
そこで
上訴しなかった二者の間の訴訟も審判してよいか
Ｑ1 まず、上訴しなかった三人目の者の地位は
→被上訴人
(理)三人目の者は上訴人とは、相争う関係にある。
Ｑ2 そうすると、不利益変更の禁止の原則に反しないか
→
(理)独立当事者参加は、合一確定の要請の下、通常とは異なる三面訴訟の形態をとる。
したがって、
上訴審での審判範囲の原則は、合一確定の要請の前に一部修正される。
◆ 訴訟脱退→第三者が訴訟参加してきた場合に、当事者の一方が当該訴訟手続から脱退する場合
Ｑ 脱退の性質及び脱退者に対する判決の効力
(1)参加人が勝訴した場合→自己への請求を認諾
(2)相手方が勝訴した場合→脱退者が�仝狭陲両豺腓亙�棄、
��被告の場合は認諾
(理)脱退者は訴訟上の地位を参加人、相手方の訴訟追行の結果に委ねたものである。
とすれば
訴訟脱退とは、条件付き放棄・認諾と解する。
Ｑ 残存当事者又は参加人の同意を要するか
Ｑ 脱退者に対する債務名義
○ �后ゞζ荏幣抻臆叩福�52）
→訴訟の係属中、第三者が原告または被告の必要的共同訴訟人として参加すること
例；株主総会決議取消訴訟に当事者適格があり判決効が及び
他の株主や取締役が共同訴訟人として参加する場合
◎ 訴訟承継（§49〜50）
訴訟係属中に当事者の実体法上の地位が第三者に移転したことによって
新たに紛争の主体となった第三者が当事者となって従前の訴訟を続行する場合
→訴訟係属中に、実体関係が変動した結果、当事者の変更が生じる場合
○ 1 制度趣旨
○ 2 当然承継
○ 3 特定承継
訴訟承継主義 → 実体関係につき特定承継があった場合、
承継人が、被承継人の訴訟追行上の地位を承継する建前(§51)
�‐儀竸佑料幣抻臆辰凌十�
�⊂儀竸佑紡个垢訌絢腓料蠎衒�当事者からの訴訟引受の申立
○ 4 訴訟承継人の範囲
○ 5 手続
◆引受承継の訴訟形態
参加承継→必要的共同訴訟 (理)§47が準用されるから（§51）
引受承継→被承継人が脱退しない場合には、同時審判申出ある共同訴訟となる(§50-3)
＊訴訟の関係人が入れ替わる場合の比較
任意的当事者変更 → 訴える相手を間違った場合 （変更される当事者間に連続性はない）
訴訟承継 → 実体上の地位が移転した場合 （変更される当事者間に連続性ある）
代理人の補正 → 当事者は変更されず、権利ある代理人が訴訟追行する
任意的当事者変更→訴訟係属後に、原告が最初の被告以外の者に訴えを向けかえ、
または、
最初の原告以外の者が原告に代わって訴訟を追行すること
○任意的当事者変更：
訴訟係属後に原告が当初の被告以外の者に訴えを向け変えまたは当初の原告以外の
者が原告に入れ替わって訴訟を追行すること
● 上訴
→裁判の確定前に、上級裁判所に対し原裁判の取消・変更を求める不服申立
◎ 総説
○ 上訴制度の目的 424
○ 上訴の効果
確定防止（§498-2）
移審の効果
上訴不可分の原則
→控訴により全請求が移審する(§375) これ民Ｐ341
原告による請求の拡張
被告による附帯控訴
不利益変更禁止の原則→原判決を変更できる範囲は不服申立の範囲に限られるとする原則
この結果
�”塢�の範囲を超えて不利益な判決を受けることはない (不利益変更禁止)
��不服を申立てない部分につき、控訴人に有利に変更することも許されない (利益変更禁止原則)
２ 根拠→上訴審での審判の対象は不服申立ての範囲に限られる(§304)ことによる。(当事者主義の発現)
３控訴不可分の原則との関係(Q 控訴不可分の原則と矛盾しないか)
→ 矛盾しない
(理)控訴により、全請求が移審するが、
控訴・附帯控訴を条件として判断できるに過ぎない
○ 客観的予備的併合訴訟における上訴審の審判範囲 427
第１審で副位請求が認容されて原告が勝訴し、被告が控訴した。
BUT
控訴審は副位請求を棄却すべきと判断した。
Ｑ控訴審は副位請求のみを破棄差戻できるか
肯定説(判)→副位請求のみを破棄差戻できる
(理)主位請求は審判対象にならない
否定説(新堂)→主位請求も含めて全部を破棄差戻すべき
(理)主位請求は審判対象になる
（問題の所在)
Q もし副位請求のみしか破棄できないなら､
(１審において主位請求は否定され確定しているので)、
原告はいずれの請求も認められないおそれがある。
BUT、そもそも、客観的予備的併合訴訟では、いずれかの主張が認められるはずである。
これでは、原告に酷ではないか
Q かといって、
主位請求について(原告の付帯控訴もない以上)審判対象になるとすると、
不利益変更禁止原則に抵触する
◎ 控訴
→第一審終局判決の取消・変更を求める不服申し立て
○ �� 控訴審の構造
→続審制（§378,§379）
審判の対象 原判決の当否
審判の資料
○ �� 控訴の利益
(1)
→形式的不服説(通判)
（2）具体的取扱い 426
○ �� 附帯控訴(§293)（受58-5）
定義→ すでに開始された控訴審手続の口頭弁論終結までに
被控訴人が控訴人の申し立てた審判対象を拡張して、
自己に有利な判決を求める不服申立
制度趣旨（採用根拠）
根拠条文（§293）
性質（控訴か攻撃的申立にすぎないか）
要件
効果
●第10章 再審
→ 確定した終局判決に法定の重大な瑕疵がある場合に
当事者がその判決の取消と事件の再審理を求める
例外的不服申立方法
�� 再審事由
�� 再審手続
●第10章 略式訴訟手続
◎ 簡易裁判所の手続(§352〜§359)
◎ 督促手続 §430〜§443
┌───────┐
│支払命令の申立│
└──┬────┘
┌──┴────┐ �� 支払命令の要件(§430)
│申立書の審査 │
└──┬────┘ �� 管轄 (§431)
申立適法 │ 申立不適法 ┌──────┐
│──────→│却下 (433-1)│(不服申立不可）(§433-3)
┌──┴─────┐ └──────┘
│決定（支払命令）│記載事項 (435)
└──┬─────┘
┌─┴─┐
│送 達│(§436)
└─┬─┘
2週間経過後│
異議申立なし
仮執行宣言申立可能(§438-1)
送達後30日内に申立なし
│──────→支払命令失効(§439)
┌──┴─────┐
│仮執行宣言の申立│
└──┬─────┘
│ 異議申立あり
│──────→支払命令失効(§437)＋本訴に移行(§442)
│ 申立不適法 ┌──┐ │
申立適法│──────→│却下│即時抗告可)(§438-3) │
│ └──┘ ↓ �＾�紙増貼命令･追貼
┌───┴──────────┐┌────┐
│決定（仮執行宣言付支払命令）││判決手続│�⊇猗�書面の提出
└───┬──────────┘└────┘
┌─┴─┐ ↑ �Ｂ�1回口頭弁論
│送 達│ │
└─┬─┘ │
異議申立 │
2週間経過 ─────→支払命令確定防止(§443)＋本訴に移行(§442)
異議申立なし but 執行力あり(§512-1)
仮執行宣言付支払命令確定(確定判決と同一の効力)(§443)
◎ 手形訴訟･小切手訴訟 §444〜§463
証拠制限（§446）
┌──────────┬──────────┬──────┐
│ 要件 │ 例 │立証事実 │
┌─────┼──────────┼──────────┼──────┤
│ │ │文書提出命令の申立 │ │
│ │ │文書送付・嘱託の申立│ │
│書証 │挙証者の所持する文書│筆跡・印影 │ │
│ │ 446-1 │証拠調の嘱託(§265) │ │
│ │ │調査の嘱託(§262) │ │
├─────┼──────────┴──────────┼──────┤
│ │ │�（現颪凌身檬�
│当事者訊問│当事者の申立に限る(§446-3) │ │
│ │ │�⊆蠏舛猟莠┬�
├─────┼─────────────────────┴──────┤
│上記以外 │× (但 職権調査事項はできる) │
└─────┴────────────────────────────┘
不服申立方法 ┌────┬───┬──────┬────────────┐
│ 控 訴 │異 議│判決確定時期│ その後の手続 │
┌──┬────┼────┼───┼──────┼────────────┤
│本案│ │ × │ ○ │異議権消滅時│訴訟は､口頭弁論終結前の │
│ │ │ │ │ │ 審理状態に復活し │
│判決│ │ §450 │§451 │･2週間経過時│以後通常手続による │
│ │ │ │ │･放棄時 │ (§456) │
├──┼────┼────┼───┼──────┼────────────┤
│ │ │ × │ × │ │�� 手形訴訟は終結 │
│ │手形訴訟│ │ │言渡時 │ │
│訴訟│要件欠缺│ §450 │§451 │ │�� 通常訴訟を提起可 │
│ │ │ │ │ │ (なお§449-2) │
│ ├────┼────┼───┼──────┼────────────┤
│判決│ │ ○ │ × │ │ │
│ │上記以外│ │ │上訴権消滅時│通常の手続による │
│ │ │§450 但│§451 │ │ │
└──┴────┴────┴───┴──────┴────────────┘
◎【少額訴訟】
[[法令ノート]]
![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
