![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
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説例 甲は酒屋の乙にビールの注文をし、乙はこれを甲方に持参したが、
甲が受取を拒否したのでこれを持ち帰った。
その途中乙は自転車を電柱に衝突させたため右のビールを全部破損してしまった。
甲乙の法律関係はどうなるか。
Ｑ１乙のビール給付義務はどうなるか（さらに給付しなければならないか）
Ｑ２甲の代金支払義務はどうなるか
ｑそもそも債務不履行とは何か
債務の本旨に従った履行がないことをいうのか（広義）
それとも
債務者の帰責事由があることにより上記の状態があることをいうのか
議論の実益→債務不履行と危険負担の区別 思Ｐ17,21
Ｑ責任能力は債務不履行の要件か [346]
善管注意義務 思Ｐ22
Ｑ 「責に帰すべき事由」が必要か [342]
履行補助者の過失は本人の過失か
(一) (通説) [344] (二) 平井説 [345]
１、債務者の手足として使用される履行補助者
常に債務者の責めに帰すべき事由とされる。 債務者はこのようなものを手足として使用することで利益をあげているから、 補助者による損失も又、負担すべきであるからである。
２、同居家族のような利用補助者
本人の故意過失とすべきである。 賃貸借でいうと、目的物の保管義務と、家族に住まわせるという使用・収益権とは密接な関係にあるからである。
３、下請負人のような履行代行者
(1)履行代行者の使用が許されない場合（一〇四条等）
使用のみで過失があるから、常に、債務者は責任を負う。
(2)履行代行者の使用が積極的に許される場合（一〇六条）
選任・監督に過失がない限り責任は負わない。
(3)請負のようにどちらでもない場合
履行代行者の使用によって本人が利益を得る点は、教義の履行補助者と同様である。
従って、債務者は責任を負う
Ｑ転借人は履行補助者か 思Ｐ140
Ｑ「責に帰すべき事由」の立証責任 [348]
Ｑ債権者は解除せずに直ちに填補賠償を請求できるか [350]
Ｑ履行遅滞中の不可抗力による滅失の効果
Ｑ民法の規定よりも債務不履行による損害賠償請求権の発生をより困難にする特約(免責･責任制限借款)の効力
Ｑ「履行不能」とは
(1)後発的不能に限る説(通判)[332]
(2)原始的不能も含む説 [333]
不能の判定基準(Ｑ物理的不能に限るか) [334]
債務不履行においても失火責任法を適用して要件を軽減できるか [343]
→否定(同法は、不法行為の要件の特則にすぎない)
(理)失火責任法は、耐火建築・保険が普及した現在ではその妥当性自体が疑われている。
代償請求権を認める実益 [351] 思Ｐ24
責めに帰すべき事由の要否 [342]
特定物売買で瑕疵ある物を給付した場合これは不完全履行の一類型か
Ｑ 種類物売買における完全履行請求権の行使期間
(1) 瑕疵担保責任を法定責任と解する立場 [336]
(2) 瑕疵担保責任を債務不履行責任と解する立場
�＼洩鄒� [337]
��内田説 [338]
(一) 別荘売買で契約締結以前に既に別荘が焼失していた場合の売主の責任 [339]
(二) 売主が給付した豚が伝染病にかかっていたために、買主の他の豚に感染して買主が損害を被った場合[340]
(三) デパートの店員が顧客にジュータンを見せているとき､ 【277】
傍らに立てていたゾュータンが倒れて顧客が怪我をした場合
(四) 安全配慮義務 [341]
例 被用者が仕事中に事故で怪我・死亡
被用者またその遺族は、使用者に不法行為責任を追及することができる（七〇九条等）
しかし、不法行為責任による効果は、消滅時効の期間・故意・過失の立証責任等の面で債務不履行責任よりも被害者に不利である。
そこで、
Ｑ 使用者に契約責任を認めることはできないか。
思うに
使用者は、特に契約に明示がなくとも、被用者を安全に働かせる義務を信義則上負う。
従って、
使用契約等の法律関係の義務として、使用者には安全配慮義務が認められる。
（不法行為責任か契約責任か）思Ｐ143
（どこまでを付随義務違反とできるか）
法定責任説（通判） [330]
(理)
債権はあくまで権利であって、義務ではない。
しかし、
給付の実現において、債権者の行為が必要な際、債権者の協力が得られないで、
債務者が何ら義務を免れないのは公平の観点に反する。
受領遅滞はこのような場合に、債務者の責任を免れさせるために認められた法定の制度である。
債務不履行責任説（我妻）[331] この説の実益 答Ｐ1115
債権者が受領を拒絶し 以上（通説）
債権者に帰責事由があること （我妻）
(1)債務者の注意義務が軽減される
根拠 答Ｐ118
信義則説
§659説（我妻）
（理）無償受寄者の保管義務の軽減規定の趣旨より
(2)損害賠償請求権・解除権の発生の有無
→認められない。
