![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
Ｑ 逮捕･勾留の効力の及ぶ範囲
(1)人単位説
→一度勾留されれば他の事実による勾留はできない
(理)勾留は身柄処分である
(批)
それならば、余罪を援用した勾留延長も許さないはずである。
しかし、本説はそれをを許す以上、令状主義の潜脱を認めることになってしまう
(2)事件単位説(通判)
→逮捕・勾留は、同一の事実に基づく必要がある
(理)嫌疑事実ごとに二度の司法判断を保障すべきだからである
実定法上の根拠
※事件単位の原則； 逮捕・勾留の効力は令状に記載されている犯罪事実にのみ及ぶとする原則
Ｑ事件単位説でいう「事件」とは何か(Q被疑事実の同一性の判断基準)
→公訴事実の同一性（312-1）を援用する
(理)
Ａ罪で逮捕されＢ罪で勾留請求することは、全く許されないわけではない。
罪名の変化のたびに逮捕を繰り返すことは不当だからである。
かかる概念は訴因変更のためのものであり、類似の機能を営むからである。
根拠 ⇒ 法は､逮捕拘留に関して身柄拘束期間を限定している(§)
事件単位説･人単位説との関係
1 意義
明文の規定がない。しかし、下記の理由から、本原則が採用される
�〆涜疂�(§199-3)は本原則から見て例外的であるからあえて明文の規定をおいたと考えられる。
�∨楔饗Г鬚箸蕕覆韻譴弌�逮捕・勾留の期間制限の潜脱になる。
2 一罪の基準→実体法上の罪数
Q この原則に対して例外があるか
�＿雰詐絨貂瓩両豺� → 否定
(理)一罪に対して、刑罰権は一個しか発生しないから、
訴訟上も同様に扱うべきだからである。
�⊂鐔�賭博罪の場合 → 肯定
(釈放後に同一犯罪の一部（常習行為）を行ったとき、後の事実を根拠に勾留できる)
(理)
確かに本原則に反するかに見える。
しかし、後の事実について、罪証隠滅・逃亡のおそれがある。
検察官は一罪の全部を同一に処理すべきであるも、この場合はそれが不可能である。
1 意義
再逮捕(§199-3)の要件
→厳格に判断すべきである
(理)
逮捕・勾留の期間制限を無に帰するような不当な蒸し返しを抑制するためである。
再勾留禁止の例外
再逮捕が認められる以上、それに続く処分も認められる。
但し、再勾留については許容する明文はないし、
逮捕と異なり、長期の身柄拘束処分である。
したがって、厳格な要件が必要である。
� ―斗廚平珪攀鬚糧�見、逃亡・罪証隠滅のおそれ等の復活
�◆“蛤瓩僚殿臉�
�� 逮捕の不当な蒸し返しとはいえない
2 Q この原則に対して例外があるか
(例題)
(1)被疑者を逮捕した直後（引致の途中）迷走した場合
(2)逮捕して引致後に逃走した場合
(3)逮捕し釈放後､事情の変更により再び逮捕の必要性が生じた場合
(4)勾留し釈放した後に勾留する必要性が生じた場合
(5)勾留期限いっぱいの拘束後不起訴として釈放後に新たな捜査の必要が生じた場合
(6)逮捕が違法なために勾留されず釈放された場合
�＾稻＼�の理由が形式的瑕疵にある場合→再逮捕は可能
��被疑者の権利侵害があって勾留請求が却下された場合→再逮捕は禁止
(理)適正手続き違反ある場合であるし、将来の違法を抑制する必要があるからである。
→重大な本件の取調べを目的として
逮捕・勾留の要件を具備している別件で逮捕・勾留する手続
(Q 別件逮捕･勾留の判定基準)
→ 本件基準説 (田宮)
別件基準説 (平野)(実務)
(批)
本件を基準に判断すると、
本件の取調べをするかどうかは捜査機関の主観に関わる以上、
逮捕段階で別件逮捕か否かの判断は難しい。
そこで
別件逮捕を違法と判断するための基準→令状主義の潜脱があるか否かによる
別件および本件の犯罪としての軽重の比較
�◆‖疂瓩亮萃瓦拆�況
�� 別件と本件の捜査が当初から並行して行われていたか否か
→ 許されない
(理)
(1) 第一次逮捕・勾留(別件の逮捕拘留)に関して
�� 逮捕拘留の目的に反する(逮捕を自白獲得の手段とすることは許されない)
�� 法定の拘束期間を設けた趣旨に反する
�� 令状主義(憲§33)の潜脱にあたる
(2) 第二次逮捕・勾留(本件の逮捕拘留)に関しても
別件逮捕は実質的な本件の逮捕である。
したがって
再逮捕は逮捕の不当な蒸し返しである(再逮捕･勾留禁止原則に違反する)
(3) 本件取調に関して → 余罪取調の限界を越えている
(1)事前的抑制として
(2)事後的抑制として
�＾稻ー�集証拠として証拠能力排除(→毒樹の果実論の適用)
��公訴棄却
