![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
| 目次 |
１ 支払呈示制度の趣旨 【235】
２ 手形債務者が手形を所持する場合の権利行使方法【236】
３ 裏書禁止手形の呈示証券性の有無 【237】
４ 裏書の連続を欠く手形所持人による支払呈示 【238】
５ 共同振出人に対する支払呈示 【239】
６ 支払呈示の場所 【240】
７ 満期前の支払に手§16-2が適用されるか【243】
８ 裁判上の請求と証券呈示の要否 【244】
９ 呈示期間経過後の一部支払の受領の要否【245】
10 呈示期間経過後の請求場所 【246】
11 支払場所の記載がない場合の呈示 【247】
12 満期記載の変更 【248】
13 支払呈示免除特約 【249】
14 手形債権と相殺 【250】
(1) 訴訟上の相殺 【251】 (2) 相殺契約又は交付不要の合意【252】 (3) 一部相殺と手形の交付 【253】
15 小切手の一覧払性 【254】
１ 手形を受戻さずになされた支払の効力【241】
２ 遡求義務者による受戻なき支払い 【242】
| １ | 無権利者からの権利行使を拒む方法 | → §39-3 |
| ２ | 自らの権利行使方法 | → §51後段類推解釈 |
| (1)満期において | Ｑ本条が適用される支払の時期 【152】 |
| (2)支払をなす者が | Ｑ免責を受ける者の範囲【153】 �� 約束手形の振出人 �� 遡求義務者 �� 支払担当者(§4)(類推適用) |
| (3)悪意重過失なく | Q 悪意重過失の対象【155】〜【157】 (原則)→無権利であることを知り + その証明が容易であること (理) 裏書の連続ある手形の最終の被裏書人は権利推定される(§16-1) ↓∴ 手形訴訟に移行した後、敗訴の可能性が大きい。 にもかかわらず 単に無権利であると知っている(悪意)のみで 免責が認められないならば酷な結果を生じる。 (例外)権利推定が及ばない事項については、 →通常の悪意・重過失 (理)上のような敗訴の危険がない |
| 支払ったこと |
(1)約束手形の振出人(為替手形の引受人)､遡求義務者に対して
(2)支払人､支払担当者に対して【157】
| ケース | 適用範囲 | |
| 支払免責 (§40) | 善意取得 (§16-2) | |
| �� 所持人が無権利者である | ○ (本来的適用) | ○ (前主の無権利を治癒) |
| �� 最後の被裏書人と所持人が同一人でない | ○ (拡張的適用) (理) 振出人は支払を強制(義務づけ)されている。 ↓∴ 振出人を保護するために 免責の適用範囲を広く捉える。 | (理) 手形を受け取るか否かは、 強制されていない |
| �� 所持人が無権代理人である | ||
| �� 所持人が破産(支払受領権限喪失)した | ||
| �サ饗ぜ蠏舛了拱� | ×【158】 | |
Ｑ この場合も支払免責を受けるか(§16-2類推適用できるか)【243】
→肯定(§40-2を適用すべき)
(理)
戻裏書を受ける場合、形式的には善意取得できる(§16-2)
一方、
満期前に支払をなす者は無権利者に支払った場合も免責されない(§40-2)
このような結論は不均衡である。
一方で、§40-2の潜脱を認めるわけにはいかない。
| ｢支払をなす者｣ | 支払を求める者 | 悪意･重過失の意味 | 根拠条文 | |
| 満 期 前 | 振出人 | �〔妓⇒�者 �∈埜紊糧鑪⊇饋佑犯麁碓� �Ｌ妓�代理人 �で忙�(支払受領権限喪失) | 通常の意味 ↓ 知っていること(悪意) 不知につき重過失 | §16-2 (類推適用) |
| 満 期 後 | 振出人 遡求義務者 支払担当者 | �〔妓⇒�者 | 通常の意味 + 容易に立証できるのに 故意に支払を拒まない 拒まないことに重過失 | §40-3 |
| �∈埜紊糧鑪⊇饋佑犯麁碓� �� 無権代理人 �� 破産(支払受領権限喪失) | 通常の意味 | §40-3 (拡張適用) |
→(支払拒絶etcの効果)
| �）�期における遡求 | (1)実質的要件 | (ｲ) 適法に支払呈示したが (ﾛ) 支払拒絶されたこと |
| (2)形式的要件 | →支払拒絶証書が作成されていること(原則) 但 作成が免除されていれば不要(例外) | |
| �∨�期前遡求 | 振出人の支払の可能性が著しく減退したこと (例 破産･支払停止･強制執行の不成功etc) |
Ｑ 約束手形では満期前に遡求できるか 【259】
(1)満期における遡求の場合
(2)満期前遡求の場合
【261】
【262】
【263】
(1) 絶対的義務者に対する権利
(2) 遡求義務者に対する権利
Q 償還請求権は振出人に対する権利が時効消滅すれば消滅するか【222】
→消滅する(通説) P316
(理)
償還請求権は振出人に対する権利を担保するためのもの。
振出人に対する権利が消滅すれば償還請求権を存続させておく意味がない
Q 満期白地の手形について権利の時効消滅
→五年の消滅時効かかる
(理)
手形は商行為である(§501��)
従って、商§522が適用される
支払猶予特約の場合 【221】
�＼禅�
�⊂鞠�
�Ａ幣拗霖�
Ｑ 次の場合に時効中断が認められるか
Q1 手形の呈示を伴わない催告
Q2 手形の所持を失った者の裁判上の請求
裁判外の請求による場合に手形の呈示が必要か 【223】 手形の所持なくして請求した場合 【224】 裏書の連続を欠く手形による場合 【225】 白地手形のままで請求した場合 【226】
立法趣旨
本条の適用範囲(Ｑ 手形債務者相互間にも及ぼすべきか)
→ 手形上の権利が保全手続の欠缺または時効により消滅した場合に、 所持人が振出人、引受人または裏書人に対し その受けた利益の限度で償還の請求をなしうる権利
�砧�法趣旨(発生の契機)(POINT１)
→手形は経済生活上の便宜の制度に過ぎないから、 遡求条件・時効の厳格性によって得た利益をその者に保有させると公平に反する。 そこで 公平の見地から認められたものである。
�極‥�性質 (POINT２)
Q1 利得償還請求権自体の法的性質
| 指名債権説 | 変形物説 (前田)(弥永) | |
| 利得償還請求権を手形に結合した権利であり、 手形上の権利が縮減したもの | ||
| (批) | 手形上の権利なら額面金額を当然に請求できるのにもかかわらず、 利得償還請求権の請求金額は手形の額面金額ではない。 |
Q2 手形上に表章されているか →否定
| 要件1 | 権利の存在 | |
| 要件2 | ｢手形上の権利が消滅｣ | |
| 要件3 | ｢利得｣ | Ｑ ｢利得｣とは → 手形の原因関係上得た利益のこと【229】 Q 手形の転売・譲渡による差益 →×(この利益は取得するに正当な利益である) |
| 要件4 | ｢他の救済方法がないこと｣ | (Q そもそもこの要件が必要なのか ？) ((2)の争いに応じて、ここでも争いあり) |
要件2 ｢手形上の権利が消滅｣に関して
Q1 他の全ての手形上の権利が消滅しなければならないか
→不要 (手形上の権利が一部でも消滅すれば権利行使できる)
Q2 原因関係上の権利も消滅しなければならないか
→不要(変形物説)
→必要(民法上の権利まで含めすべて消滅したことを要する)
(理) 利得償還請求権が、公平上与えられる最後の救済手段である。
要件(3) 利得 に関して(Ｑ ｢利得｣の有無)
Q1 支払のために手形を振出し、手形所持人が手形上の権利を消滅させた場合
(Q 振出人に利得はあるか。)(Q 原因関係上の債務を負っている場合でも利得ありといえるか？)
⇒否定 (理) 振出人は未だ債務を負っている以上、利得を得ていない。
Q2 支払のために手形を振出し、支払に代えて手形を裏書譲渡し、手形上の全権利が時効消滅した。
振出人・裏書人のいずれに利得があるか。
| (1)甲あり、乙なし説 | (2)甲なし、乙あり説 | (3)甲あり、乙あり説 | |
| (理) | 乙は手形を支払に代えて振り出して確定的に利益を得たから、 甲乙間の原因関係は消滅している。 | 乙は手形を譲渡した際の対価と甲への債権とを二重取りしている | 乙は確定的に利益を得た以上、原因債権の支払を請求する必要がなく、 甲は原因債務の支払を要しないから |
| (批) | 債権は民法に規定ある以外では、契約当事者の意思とは関係なく消滅しない。 従って、乙は未だ債権を持っている。 | 乙が甲に債権の履行を請求しないというのは単なる希望的観測に過ぎない。 また 遅延損害金等を考慮に入れるなら、 丙に不当利得として金銭を返還しても甲に請求した方が有利である。 従って、 法律上債務があるか否かといえば、未だ甲は乙に債務を負っている |
Ｑ2 小切手の場合の｢利得｣の構成 【234】
→権利消滅当時の手形権利者であること。
Q 失権当時に手形の所持(又は、これに代わる除権判決)が必要か
→不要(判例)
Q 手形の交付が必要か → 必要(通説)
(理)
�� 証券喪失者にとっては、
�� 善意取得者にとっては
�� 債務者にとっては
| (1) 方式【232】 | Q1 手形の交付が必要か →必要 Q2 民§46の対抗要件が必要か →不要 |
| (2) 効果 | Q3 善意取得､人的抗弁の切断が認められるか→否定 |
Q1 時効期間 【233】
法には時効期間の定めがない。
↓ 一般原則によると
×(1)10年説(民§)
(批) 長すぎて、手形決済の制度趣旨に合わない
↓ この点、手形債権なら
×(2)３年説(§77-1�─�70-1)
(批) but、手形債権そのものではないから準用できない
↓ そこで、商行為である｢手形に関する行為｣(§501��)によって生じた債権として
○(3)５年説(通判)(§522類推適用)
Q2 起算点 → 手形債権消滅時
→手形上の権利と同じ
