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消滅原因
弁済
代物弁済
供託
相殺
更改
免除
混同
目的到達

債務は後発的に不能となれば債務者に帰責事由がない限り消滅する。
Q では事務管理・不当利得・不法行為についてもそう言えるか     思P14

弁済 Edit

Q 弁済の法的性質 [439]

第三者の弁済 Edit

474-2の「利害ノ関係ヲ有セサル」及び「意思」の意義 [440]

機(杠兌圓諒欷 Edit

§478〜§480の関係

(一)受取証書の持参人に対する弁済(§480) Edit

 Q偽造証書の持参人に弁済したときでも免責されるか

(二)債権の準占有者への弁済(§478) Edit

1制度趣旨→取引の安全の保護(参「案内」P206)

本条は取引の安全を保護する規定の中ではもっとも徹底したものである。
なぜなら、
債権の準占有の成立について真実の債権者の関与を必要としていない。
これは、
外観法理の要件(ゝ偽の外形の存在第三者の信頼K椰佑竜∪媚由)の内で
の本人の帰責事由の存在を問わないことを意味するからである。

2要件

準占有者とは
債権者の代理人と称する者も含まれるか [442]
(Q詐称代理人も「準占有者」に含まれるか)
→肯定
(理)
代理人は債権者本人らしい外観を備えているわけではない。
しかし、
代理人からの請求も本人からの請求と同様、弁済を強制される。

否定説 (表権代理説)
肯定説1(通判)
肯定説2(外観法理説)

1と2の区別  本人に帰責事由が必要か否か  必要説(外観法理説)
                      〇不要説(通判)
弁済者の主観的要件→善意
Q 無過失も要求されるか→肯定(通判) [443]
 (理)/燭虜銚⊆圓傍∪媽を要求していないのに、
  弁済者に無過失を不要とするとバランスがはかれない。

       また、

  他の表見法理では主観的要件として無過失が要求される以上

       表見法理の現れである§478でも同様に解するべき。

 「弁済」に転付命令等強制執行によるものを含むか 【334】

 本人(真の債権者)の帰責事由は必要か [445]

3効果

Q弁済者は準占有者に対して返還請求できるか [448]
   否定説(通判)
   肯定説(我妻)(ワセダ)
  (理)
   債権の準占有者が本条を援用して不当利得返還請求を拒むことは
   本条の制度趣旨をはみだす。
   なぜなら、
    本条は弁済者を保護する規定である。
    債権の準占有者にもともと弁済を受領する実体的権限はない。
   そこで
   非債弁済(§705)として返還請求を認めるべきである

4本条の適用範囲(類推適用の可否)

 銀行が定期預金の期限前に真の預金者でない者に払戻をした場合 [446]
  →肯定(通判)

 自行預金担保貸付の場合 [447]
  銀行が預金者と相殺する約定のもとに貸付を行ったが、その預金が貸付を受ける本人のものでなかった。
  後日なされる相殺をもって真の預金者に対抗できるか(Q類推適用の可否)
   肯定説(通判)(S48,3,23 )
   否定説1(表権代理説)
   否定説2(§94-2類推適用説)

Q1 まず、預金者はだれか(Q 名義人か出資者か)
 →出資者
 (理)実際に経済的出捐をした出資者を保護する必要性がある。
  また
  銀行は債権者が誰かについて格別の利害関係を持たない。

とすると、債権の対立がない以上、相殺の要件に欠る。
 しかし、
 預金担保貸付は、預金の期限前の払い戻しと同視できる。
 とすれば
 銀行は債権者らしい外観を有する名義人に預金債務を弁済したことと同視できる
 以上より
 四七八条の類推適用の余地がある。

この場合の

   「善意・無過失」の判断基準時→払い戻し時である貸付時

  注意義務→通常よりも重い

  (理)貸付に応じるかは銀行の自由である。
      (本事例では、銀行は弁済を強制されているわけではない)

弁済の提供 Edit

制度趣旨 Edit

弁済の提供があって、債権者が給付の実現に協力した場合は債務は消滅する。
しかし、
債権者が給付の実現に協力しない場合、弁済提供をなした債務者が何ら義務を免れないとするのは公平を失する。
そこで、
法は弁済を提供した債務者は不履行によって生ずる一切の債務を免れることとした(§492)

1.現実の提供と口頭の提供 Edit

2. 口頭の提供(493但書)はいかなる場合にも必要か Edit

    口頭の提供でよい場合はどんな場合か
    口頭の提供すら要しない場合があるか [449]

Q 弁済提供といえるには?

弁済提供の効果として、債務者は債務不履行責任を免れる。
そこで、
債務者の行為が弁済提供といいうるには、債務者が為すべきことをなしたといえねばならない。
 
すなわち、
原則は、債務の本旨に従った現実の提供が必要である(四九三条本文)。
しかし、
あらかじめ受領を拒んでいる場合や、取立債務の場合、準備、通知からなる口頭の提供をなせば足りる(四九三条但書)
(理)
債権者が受領を拒んでいる場合に現実の提供をさせても無意味である。
また
債権者の行為を要するはそれ以上の提供はできないからである。

さらに、
口頭の提供すら不要な場合がある。
すなわち、
債権、債務の不存在を主張するなど、受領拒絶の意思が明白である場合などがそれにあたる。
但し、
債務者が準備しうるほどの経済状態にすらない場合は、現実の提供ができない限り債務不履行の責任を負う。

3 弁済の提供と同時履行の抗弁権 Edit

履行請求の場合 [450]
解除の場合 [451]

弁済による代位 Edit

1.代位を生ずる者は誰か (§500の「正当ノ利益ヲ有スル者」の意義) Edit

  後順位担保権者はあたるか [453]
  一般債権者 [454]
  担保物権に劣後する賃借人 [455]

2.一部弁済により代位を生ずるか(§502-1「債権者と共にその権利を行う」の意味) [461] Edit

Q 一部弁済を行ったものが代位して抵当権を実行できるか。
→できる(弁済した割合に応じて行使できる)
(理)
代位を受ける者は代位された債権を行使できるから

抵当権者の抵当権を実行する自由を害するとして、できないとする見解がある。
しかし、
債権者は弁済を受けている以上、保証人の保護を優先すべきである。

3.Q§501 嵳修瓠廚琉嫐 [456] Edit

      不要(S41,11,18)  要(S6,10,6)
    ┼──────────┼──────────┼→
    第三取得者         弁済      第三取得者

Q 付記登記をもって対抗しうる第三者とは
→弁済後付記登記を備えるまでに現れた者以外の第三者
(理)この者は債権・抵当権の消滅について期待を有していない
 
CF

弁済までに利害関係を得た者→もともと抵当権の負担を覚悟している。
付記登記後現れた者→付記登記によって抵当権の負担を知りうる。

4.保証人が物上保証人を兼ねる場合の代位の割合 [458] Edit

(900万円の債務につき、甲・乙二人が連帯保証し、かつ甲が物上保証もしている場合
甲が900万円弁済すると、乙に対していくら代位できるか)

5.求償特約と代位の有効性 Edit

(イ) 債務者・保証人問で、保証人の求償権につき、
§459-2(442-2)に規定する法定利息以上の特定利率による遅延賠償金を支払う特約をした場合 [457]

Q1 有効性(S59,5,29)
Q2 第三者に主張できる理由 (2500講 下 P740〜 )

(ロ) 保証人・物上保証人問で、§501イ醗曚覆訛絨務箙腓瞭談鵑鬚靴疹豺 [459]

Q §501◆崑荵絢圈廚箸
→債務者からの抵当目的物の譲受人をさす
(理)
債務者が抵当設定者である場合、
保証人は、抵当権の実行によって代位されることを予想していない。
そこで
債務者から抵当目的物を譲り受けたものが弁済による代位を

供託 Edit

Q 債権者が弁済を拒絶すれば債務者は直ちに供託できるか [452]

相殺 Edit

1 要件 Edit

(1) 相殺適状 債権の対立があり(§505-1本)
同種の内容を有し(§505-1本)
弁済期にあり  (§505-1本)
性質上相殺を許すものであること(§505-1但)
      ↓
   (抗弁権が付着していないこと)
(2) 相殺禁止の不存在 相殺禁止の意思表示がないこと (§505-2本)
受動債権が法律上相殺を禁止されていないこと

   A 不法行為による損害賠償請求権 (§509)
   B 差押禁止債権(§510)
   C 支払差止を受けた債権(§511)
   D 株金払込請求権(商§200-2)
(3) 相殺の意思表示の当時
     双方の債権が有効に存在すること

(一) 要件(1)(§505「二人互いに」債務を負担すること)の例外 Edit

Q1 相殺の相手方が第三者に対して有する債権を受働債権として相殺できるか [441]

Q2 §508「時効二因リテ消滅シタル債権」に除斥期間の経過した債権を含むか [462]

(Q 除斥期間の経過した請負人の損害賠償請求権を報酬請求権と相殺できるか)
→肯定(§508類推)
(理)
もとより、相殺の要件件たる有効な債権の対立がない。
しかし
法は時効が完成した債権をもって相殺できるとする。
この趣旨は、いったん債権が対立した場合相殺の期待権が生じるから、その期待を保護する点にある。
ところで
そのような期待を保護する必要があるのは除斥期間の場合でも変わりはない。
特に、
損害賠償請求権は実質的には報酬減額であるから、右趣旨はより強く当てはまる。

Q3 主たる債務が時効により消滅した後、債権者は保証人に対する債務と時効によって
消滅したはずの債権とを相殺できるか [463]

(二) 要件(1) Edit

Q 損害賠償・報酬請求権を相殺できるか [#v1a07c48]
(問題の所在)
受負人の報酬請求権と損害賠償請求権は同時履行の関係に立つ(§634)
∴自働債権に抗弁権が付いている
そうすると、相殺は制限されるのではないか(§505-1但)
→相殺できる
(理)
両債権は同一の原因に基づく金銭債権であるし、
損害賠償は実質的には代金減額請求の意味を持つ。
とすれば、
現実に履行をなさしめる必要はなく、逆に相殺を認めた方が、公平・便宜に資する。

(三) 要件(2)(A)に関して Edit

Q 双方の損害賠償請求権が同一の不法行為から生じた場合に相殺できるか [464]
交通事故で衝突・物損だけ → 双方が不法行為の損害賠償請求権を有する。
従って、両当事者とも相殺をできないはずである。(§)

Q この規定をそのまま適用してよいか
→否定(相殺できる)
(理)
そもそも、法が不法行為によって生じた債務が相殺できないとする趣旨は、
“鏗下圓竜澪僂里燭瓩砲蓮現実の弁済を保証すべきであること
∈銚⊆圓砲茲詆塰々坩戮陵業を防ぐ点にある。
となると、
本事例では、いずれの趣旨も当てはまらない。
むしろ、
簡易の弁済の方法を認めるた方が双方にとって便宜である。

(四) 要件(2)(B)に関して(§511「その後に取得した債権」の意義 [465]) Edit

Q 第三債務者は差押債権者に差押前の債権で相殺できるか(§511の適用を制限すべきか)

差押・相殺競合.png
狭       ←  相殺の許容範囲  →      広
制限説
(相殺適状説)
制限説
(期待利益説)
制限説
(合理的期待説)
無制限説
(通判)
(近江)
要件差押時前に、反対債権(自働債権)を、取得(成立)したこと(§511反対解釈)
+
差押時に
両債権とも
相殺適状
であること

(両債権とも
弁済期到来)
差押時に
反対債権の
弁済期が
到来していること

(反対債権の
弁済期が到来)


反対債権の
弁済期が
後に到来しないこと

(反対債権の
弁済期は未到来でも可)
左のような
制限なし
(理)当事者間では、通常は、これによって
債務を決済することを期待している。
(相殺を主張する者は、
相手方の債権の弁済期が
先に到来する場合でも、
自己の債権の弁済期が
到来するまで待って、
(場合により遅延損害金を支払ってでも)
相殺によって決済すること)

かかる、
相殺の期待権は保護されるべき。
↓よって、
明文の規定に反してまでして
期待権を制限すべきではない。

Q 相殺予約の効力(Q 相殺予約の有効性) [466](無制限説 VS 制限説)

  • Q1 相殺予約とは
  • Q2 このような合意に効力を認めてよいか
    (問題の所在)
    →肯定(無制限説)

  • Q3 とすると相殺予約の機能はいかなる点にあるか

CF 無制限説の妥当範囲(Q §511の考え方を以下の場合にも準用してよいか)

Q 債務者は譲渡人に対する反対債権の相殺を主張して、譲受人の請求を拒めるか
(§468-2「債権者に対抗しうる事由」にあたるか)
×(近江、米倉)○(S50.12.8)
債権譲渡
(§468ー2)
〆銚⊂渡も質権設定も、
譲渡人(設定者)
[反対債権のS者]の
取引行為である。
↓∴
(債権取引安全の要請が働く)
しかも
⊂渡禁止特約(§466-2)を利用すれば
債務者の利益を確保できる
↓∴
債務者の期待権は制限されてもよい。

↓以上´△砲茲
この場合には制限説が妥当する
譲渡禁止特約(§466-2)は万能ではない
しかるに
法の明文の規定に反してまで
債務者の利益を制限すべき理由がない

↓∴
この場合にも無制限説を貫くべき
質権設定
(§366)
転付命令
(民執§160)
×
この場合には甲に債権の帰属先が移転するが、
これは取引行為によるものではない。
↓しかも
私人間の合意により、差押禁止財産の範囲を定めることは許されない。
(旧取立命令)
差押債権者
による取立
(民執§155-1)

この場合には甲に債権の帰属先が移転せず、
ただ差押債務者(乙)の有する丙に対する債権を甲が行使するに過ぎない。
(いわば、甲が乙の地位に着くことになる)
譲渡命令
(民執§161)

2 効果 Edit

→ 遡及的に債務が消滅 (506-2)

(一) 賃貸人甲が賃借人乙の賃料不払を理由に解除後、乙が解除当時、甲に対し有していた反対Gで相殺を主張した場合

Q 相殺の遡及効(§506-2)によって解除もまた無効になるか [461]

(二) 相殺利益が競合した場合の優劣関係 [467]

(甲・乙問で相殺適状にある自働債権及び受働債権を有していたが、乙は右債権を丙に譲渡した。(甲に通知済)
丙は譲受債権を自働債権とし、以前から甲が丙に対して有していた債権を受働債権として相殺した。
その後、甲も乙に対し相殺の意思表示をした。

Q どちらの相殺が優先されるか(理)
(1)相殺の意思表示を先に為した者
(相殺意思表示優先説)(S54.7.10)
債権の回収に勤勉な者を保護すべきである。しかも
すでに消滅した受動債権では相殺できない。
(2)相殺適状優先説 (我妻)


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