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義軅 Edit

1 存在理由 [130] Edit

永続した事実状態はそれに基づいて法律関係が積み重なるから、
その法律関係を覆滅させるのが適当でない場合がある。
そこで、
事実状態を尊重し、現在の事実関係を権利関係にまで高めることを認めた。
また、
権利は不断の努力によって獲得されるものであるから、
権利を行使しないものには法による助力を与えるに値しない。
さらに、
年月が積み重なると、正当な権利関係を定めるに必要な証拠が十分に保全されないことが多い。
そのような場合に、訴訟上での権利の証明が困難さを救済する役割も果たす。

2 効力 Edit

(1)時効の法律構成 Edit

(時効期間の経過によって債権が実体法上消滅するか)答P192 [131]
(Q 145条と162条、167条の関係)
 
162条、167条の文言からは、時効により権利の得喪が生じるはずである。
しかし、他方、
援用がなされないと、訴訟では消滅していないものとして扱われる(§145)
これでは、実体法と訴訟の結果とが一致しない。
そこで、
Q これをどのように法律構成すればよいか
→時効の効果は時効期間の経過によって直ちには確定的には生ぜず、援用を停止条件として生ずると解する
(理)このように解すれば、援用・放棄が良心に基づく制度であるという説明とも整合性がある。

(2)時効援用の法律構成 思P94 Edit

  
法的性質 [131]
→時効の利益を積極的に享受しようと意欲すること
  
援用の場所(裁判外でもできるか)
  
援用を撤回できるか
  
効果
→ 援用した者についてのみ生ずる(相対効)(§145) [136]
(理)
§145は、時効の利益を受けることを潔しとしない当事者の意思に配慮したもの。
それゆえ、各個人の意思が尊重されるべきである。
  
援用権者の範囲 思P95 [134]
Q1一般的基準(§145「当事者」とは)
⇒時効の完成により直接に利益を受ける者(判)
⇒時効を主張する利益を有する者については広く解して良い。
(理)長期間存続した事実状態を尊重するという時効制度の趣旨から見て、狭く解する必要はない

Q では「直接に」利益を受ける者とは
→抵当不動産の ‖荵絢萋声圈 、**
        ∧上保証人  ⇒**
        8綵膂鳴馘権者⇒×

q 売買予約による所有権移転請求権の仮登記後に登記を受けた抵当権者は、予約完結権の消滅時効を援用できるか
→できる(H2,6,5)
(理)仮登記の本登記がなされれば自己の抵当権が消滅してしまうから
これを阻止するために予約完結権の消滅時効を援用する直接の利益がある。

q 債権者は債務者に代位して消滅時効を援用できるか 思P91 [135]
  できるとすれば
  その要件として債務者の無資力を要するか

(3) 時効利益の放棄 Edit

放棄の効果
→相対効 [137]

Q 時効完成後にそれを知らずに債務の存在を承認した場合の効果 [138]

Q1 これは、援用権の放棄にあたるか。
→あたらない
(理)そもそも、時効が完成したのちに債務の承認をする場合には、
その時効完成の事実を知らないのが通常であり、知っていれば通常は放棄しないであろう。
したがって、
右承認は時効が完成したことを知ってされたものであると推定することは経験則に反する。

Q2 では、この場合、援用権を行使できるのか
→できない
(理) 時効完成後に債務を承認する行為があった以上、
相手方は債務者がもはや時効を援用しないとの期待を抱くであろうから、
信義則上、その債務について時効を援用することは許されない。

Q3 承認した債務が保証債務の場合に保証人は主債務の時効を援用できるか
→ 否定
(理)もしこれを認めれば、結局自己の債務における時効の援用を認めたのと同じ結論になり、信義則に反する。

但し、
主債務者が時効を援用して、主債務が消滅した場合は、保証債務を消滅させることができる。
(理)保証人が主債務者以上の債務を負う必要はないからである。(附従性)
 

3 完成猶予と更新 Edit

完成猶予の根拠(Q )

猶予事由猶予時期時効の進行効力の及ぶ者
確定終了不確定終了原則拡張
権利
実現
行為
(§147-1)
裁判上の請求(々)〜終了時終了時〜6月猶予・更新事由の
・当事者・承継人
(§153-1)
----
支払督促(号)
和解・調停(9)
破産(再生・更正)手続参加(す)
権利
実行
行為
(§148-1)
強制執行(々)通知を受けた
時効利益者
(§154)
担保権の実行(号)
換価競売(9)
財産開示手続(す)
保全
処分
(§149)
・仮差押
・仮処分
終了時〜6月猶予事由の
・当事者
・承継人
(§153-2)
催告
(§150)
・裁判外の請求
・裁判上の請求
催告時〜6月----
合意
協議の合意(§151)以下のいずれか早い時まで

・合意時から1年経過
・協議期間経過
・協議拒絶通知時〜6月
承認(§152)----承認時から
新たに
進行する
(§152)
更新事由の
・当事者&・承継人
(§153-3)
(旧)
時効
停止
未成年者に対する権利(§158-1)能力者となった時から6月更新なし
成年被後見人に対する権利(§158-1)法定代理人就職時〜6月
法定代理人に対する権利(§158-2)後任者就職時〜6月
夫婦間の権利(§159)婚姻解消時〜6月
相続財産に対する権利(§160)・相続人確定時
・管理人選任時
・破産手続開始時
〜6月
天災(§161)障害消滅時から3月



・乙の債権者甲が乙の丙に対する権利に代位して訴えを提起した。Q 甲の乙に対する権利の消滅時効は中断するか [139]

・甲の乙に対する給付物返還請求訴訟で、乙が留置権の抗弁を提出した。Q 乙の甲に対する債権(非担保債権)の消滅時効は中断するか [140]

Q 登記を時効中断事由としてよいか [142]

取得時効 Edit

Q 所有の意思の有無

Q 起算点 [132]

Q 対象となる権利
「他人の物」でなければならないか( Q 自己所有物を時効取得できるか) [141]
→肯定(§「他人の物」は例示である)
(理)
自己物でも、その上に積み重なった権利関係を保護する必要性はあるし
訴訟上における証明の困難を救済する必要がある

賃借権 [146]
→できる
(理)賃借権は占有を伴う権利である。
また、
不動産の賃借権はその機能も実質的に地上権と変わらない。

q その要件は

〃兮嚇な用益という外形的事実
賃借権行使の外形等の客観的表現

立木所有権

Q 前主の無過失と162-2の短期取得時効 [133]
(善意無過失で始まった占有を、悪意または有過失の者が承継した場合も
162条2項の短期取得時効の援用ができるか)

掘‐談濃効 Edit

  • 時効起算点と履行遅滞時期の比較

    起算点
    (権利を行使する
    ことを得る時)
    遅滞時期






    確定期限付G期限到来時同左(§412-1)
    不確定期限付G期限が到来し
    S者が知った時
    G者の催告時
    (§412-1)
    期限の利益
    喪失約款付G
    約款の趣旨
    (弁済期到来時期)
    不履行後
    請求による
    場合
    履行請求時(判)
    [147]
    同左
    不履時に
    当然に到来
    する場合
    不履行と同時同左






    原則債権成立時履行催告時(§412-3)
    例外S不履行の害賠償G本来のS履行を
    請求できる時
    (H10.4.24)
    消費貸借の
    返還G
    催告あり催告後 相当期間経過後同左(§591)
    催告なしG成立後 相当期間経過後─────
    契約解除の状回復G契約解除時履行催告時(§412-3)
    不法行為の害賠償G‖山欧鉢加害者を
    知った時(§724前)
    不法行為時
    (債権発生時)
    停止条件付債権条件成就時条件成就後の催告時


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Last-modified: 2019-10-31 (木) 00:14:04 (12d)