![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
| 目次 |
１制度趣旨
→物を留置することによって債務者の弁済を間接的に強制し、もって当事者間の公平を図る
２同時履行抗弁権との比較
同時履行抗弁権と競合するか
(1)他人の物の占有者が
(2)その物に関して債権を有し
Ｑ1 債権と物との牽連性の有無（§295-1 本）[221]
Q 乙は不動産を甲､丙に二重に譲渡し､甲は引渡を受けたが､先に丙が登記した。
丙の引渡請求に対し､甲は留置権を主張できるか [224]
(当該損害賠償請求権が「物に関して」生じた債権といえるか)
→否定(留置できない)
(理)債権と物との牽連関係があるか否かは物の留置によって債務の履行を促す関係にあるかを検討すればよい。
なぜなら
留置権は、物の留置によって間接的に弁済を促す効力がその核心をなすからである。
そこで、これを本件についてみると、
Ａが建物を留置したところで、損害賠償債務を負うＳに対して履行を促すことにならない。
Q 甲が乙の所有物を丙に修繕に出した場合､丙は乙の返還請求に対して修繕代金を
保全するため､留置権を行使し得るか [222]
Q 動産が甲→乙→丙と転売された場合､甲は乙に村する代金請求権をもって､
丙に対し当該動産を留置し得るか [223]
Q 乙から丙の物件(他人物)を譲受け引渡を受けた甲は､乙に対する履行不能による
損害賠償請求権(561条)をもって､丙の返還請求に対して当該物件を留置できるか[225]
Q 不動産の賃貸人乙が目的物を第三者丙に譲渡した場合に、引渡を受けているが対抗要件を具備しない賃借人甲は、 乙に対して有する履行不能による損害賠償請求権(ないし 賃借権自体)を被保全債権として丙に対し留置権を主張できるか [226]
Ｑ2 成立範囲（いかなる範囲について留置権が成立するか）
�〃�物買取請求権により建物につき留置権を有する者は､敷地を留置できるか [228]
��費用償還請求権により建物に費用を加えた者は､建物全体を留置できるか [229]
�Ｂず酣禺萓禅畍△砲茲蠏�物に造作を加えた場合､建物全体を留置できるか [230]
(3)その債権が弁済期にあり（§295-1 但）
Ｑ 賃借人は､敷金返還請求権を根拠に､賃借物の引渡を拒むことができるか 【193】
(4)占有が不法行為によって始まった場合でないこと（§295-2 ）
立法趣旨
Ｑ§295-2の適用範囲(権原喪失型への適用の可能性)(答案Ｐ341)[227]
例 明渡請求に応じず、不法占有を続ける借主Ａ → 目的物に対して有益費を支出
Ｑ 賃借人は有益費をもって目的物を留置できるか →否定
(理)留置権の成立に本要件が要求される趣旨は、
不法行為者に留置権を認めることは公平でない点にある。
かかる理は、占有の中途から不法行為状態になった場合もかわりはない。
Q1 善意有過失占有者
Q2 悪意占有者に留置権は認められるか
→原則認められる
(理)法は悪意者にも費用償還請求権を認めている（§196-1、196-2本）
また
留置権を認めることが不都合なら期限の許与（§196-2但）によって留置権を奪うことはできる。
Q3 他人物賃貸借の賃借人
Ｑ 第三者対抗力の有無 [218]
Ｑ 売主は買主の引渡請求に対して同時履行抗弁権の他に留置権も主張できるか [219]
Ｑ 家屋の留置権者は家屋に居住できるか [231]
Ｑ 留置権が成立する場合の判決の形式 [220]
Ｑ 物上代位の本質
→抵当権の本質から導かれる当然の制度(我妻)
(理)抵当権は交換価値を把握する権利であるから、
交換価値が具体化した場合、価値代表物に抵当権の効力が及ぶのは当然である。
→第三債務者の二重弁済を防止する（判例）
Ｑ1 担保目的物の売却代金 [232] Ｑ2 賃料 【200】
賃料は目的物の交換価値のなし崩し的具体化であるから抵当権の効力は及ぶ。
三七一条は三七〇条を前提とするから、天然果実に関する条文である。
従って、
法定果実たる賃料に抵当権の効力が及ばないとする理由にならない。
さらに、
抵当権は設定者に目的物の使用収益をさせ、債権の弁済を容易にさせる点にその主眼がある。
賃料に抵当権の効力を及ぼすことはその趣旨に反するかに見えるが、
賃料の債務充当によって債務が減少することは債務者も望む。
Ｑ3 火災保険金請求権→** [233]
保険金は保険料の対価であるから、目的物の価値代表物とはいえないとも見える。
しかし、
保険料と保険金とではその価額の差があまりにも大きく、
保険金を保険料の対価と見ることは無理である。
従って、保険金は目的物の価値代表物である。
すなわち、保険金は物上代位の目的となる。
Ｑ4 担保目的物から分離した物(山林の伐採木材) [234]
Ｑ5 抵当家屋が崩壊して木材となった場合 [235]
→「払渡又は引渡前に差押」(§304但書)
Ｑ差押えは､担保権者自身がする必要があるか [237]
→不要説(我妻)
(理)物上代位が抵当権の性質から導かれる当然の制度
↓とすれば
差押は価値代表物を特定するための要件に過ぎない。
債権者甲は､債務者乙所有の建物に抵当権の設定登記をしたが､その後
乙は､この建物について丙と火災保険契約を締結し､丁のためにその保険金請求権に
質権を設定し対抗要件を備えた。
建物が焼失したため､甲は物上代位によって乙の丙に対する保険金請求権を差押え
転付命令を得たが､これに対して､丁は質権に基づく優先権を主張する。
甲丁の優劣如何 ──物上代位権と質権との関係── [236]
Q 物上代位を第三者に対抗する要件は
→元の抵当権の登記説
→差押説(近江)
Ｑ 333条の｢引渡｣には占有改訂も含むか [238]
Ｑ 甲は動産を乙に売却したが、乙はこの動産を丙のために譲渡担保に供し占有改定によって引渡した。 甲の動産先取特権と乙の譲渡担保権の優劣はどうなるか [239] (1)§333説 (2)§334説
優 劣
┌─┐ ┌──────┐ ┌───────────────┐ ┌─────────┐
│留│＞│一般先取特権│＞│ 特別先取特権 │＞│ 一般先取特権 │
│置│ │ │ │ │ │ │
│権│留│ (共益費用) │利│ │ │ (共>雇>葬>日) │
└─┘置└──────┘益├─┬─────────────┤ ├─────────┤
作 を│ │ 保存＞工事＞ 売買 │ │登記済 未登記 優先│
用 受│不│ ↑ (先の売買) │ │の場合 の場合 ← │
│ │ │ ∨ │ │ │
│ │ │ (後の売買)│ │↑ │
に け│ │ │ ↑ │ │登記の │
よ た│動│ │ 登記の前後による│ │前後による │
る 総│ │登記が│ │ │ │↓ ↓ │
事 Ｇ│産│あれば│ ↓ │ │登記済 未登記 │
実 者│ │優 先 └────→ 質権 │ │質 権 質 権 │
上 に│ │ 抵当権 │ │抵当権 抵当権 │
の の├─┼─────────────┤ └─────────┘
優 み│ │ 原則(§330-1) │
先 優│ │ │
先│ │不動産賃貸借 動産売買 │
│ │旅店宿泊 ＞ 動産保存 ＞ 種苗肥料供給 │
│ │運 輸 (後の保存) 農工業労役 │
│動│ ↑ ∨ │
│ │ 同順位 (前の保存) │
│ │ ↓ │
│産│質 権 │
│ │ 例外(§330-2,3) │
│ │ │
│ │(1)第1順位者は │
│ │ �仝綵膂娘圓梁減澆� │
│ │ 知っていれば │
│ │ その者には優先不可 │
│ │ ��第1順位者のために │
│ │ 物を保存した者には │
│ │ 優先不可 │
│ │(2)果実については下記の順 │
│ │ �’清範�役者 │
│ │ �⊆鑄槌醂繕ゝ觴� │
│ │ �Ｅ效歪詑濘諭� │
└─┴─────────────┘
┌────────────────┬──────────────┐
│ 成立要件 │ 対抗要件 │
┌──────┼────────────────┼──────────────┤
│動産 │意思表示(設定の合意)(§176) │占有の継続(§352) │
├──────┤ ＋ ├──────────────┤
│不動産 │目的物の引渡(§344) │登記(§177･361) │
├─┬──┬─┼────────────────┼──────────────┤
│ │指名│ │ │第三Ｓ者へ通知･承諾(§364-1)│
│ │ │ │意思表示(設定の合意)(§176) ├──────────────┤
│権│記名│ │ ＋ │会社の帳簿に記入(§365) │
│ ├──┤ │債権証書の交付(§363) ├──────────────┤
│ │指図│ │(但 これがある場合のみ) │証書に裏書(§366) │
│ ├──┴─┼────────────────┼──────────────┤
│利│ │意思表示(設定の合意)(§86-3,176)│ │
│ │無記名Ｇ│ ＋ │占有の継続(§86-3,352) │
│ │ │証書の交付 (§86-3,344) │ │
└─┴────┴────────────────┴──────────────┘
§344「引渡」とは 現実の引渡 〇
簡易の引渡 〇
指図による占有移転 〇
占有改定 ×（§345）
(Ｑ質権成立後に､質権者が貿権設定者に任意に質物を返還した場合に質権は消滅するか)
→否定(対抗力が消滅する)
(理)質権の本来の目的は、優先弁済的効力にある。
留置的効力は右の効力を高めるものとして役立つに過ぎない。
１種類 Ｑ責任転質も認められるか [241]思Ｐ150
２法律構成 [242] 思Ｐ150
Ｑ責任転質は被担保債権の額、存続期間などが原質権に拘束される。
そのような効果を説明するには、どのように法律構成するのが適当か。
(1)共同質入説(債権と質権を共同質入するとする)
(批) 質権付債権を質入れするのと同じ結論になるから、責任転質を別に認める必要はない。
(2)単独質入説
�＿鮟�条件附質権譲渡説
�⊆糎⊆�体質入説
��質物再度質入説(原質権の負担が課された質物を質入れする)
(理)このように解すれば、責任転質の効力も無理なく説明できる
３成立要件・対抗要件・効果
Ｑ弁済期の制限（§348）は成立要件か 思Ｐ150
Ｑ転質権の被担保債権は原質権者を債務者とするものでなければならないか
⇒不要 思Ｐ154
┌─────────────┬────┐
│ 内 容 │ 民法典 │
┌─┬────────────────┼─────────────┼────┤
│ │ │権利の存在が登記によって │ ** │
│ │(1) 公示の原則 │ │ │ [243]
│ │ │公示されねばならない │ §177 │
│近├────────────────┼─────────────┼────┤
│ │ │特定の財産の上にしか │ ** │
│代│(2) 特定の原則 │権利が成立しない │ 369-1 │ [244]
│ │ │(総財産の上に成立しない) │ 不§36 │
│抵├────────────────┼─────────────┼────┤
│ │ │�� 順位を登記により決し､ │ ** │
│当│ │ 登記の遅れた抵当権より │ §373-1│
│ │ │ 後順位とならない │ │
│ │(3) 順位確定の原則 ├─────────────┼────┤
│権│ │�� 後順位 抵 の消滅しても │ × │
│ │ │ │ §179 │ [245]
│ │ │ 順位は上昇しない │ │
│の├────────────────┼─────────────┼────┤
│ │ │被担保債権の成立･存続と │ × │
│諸│(4) 独立の原則 │ │ │
│ │ │関係なく抵当権が存在する │ 附従性 │
│原├──────┬─────────┼─────────────┼────┤
│ │ 流通性の│�� 公信の原則 │譲渡が │ × │
│則│(5) ├─────────┼─────────────┼────┤
│ │ 確保原則│�� 抵当権の証券化 │権利が証券に化体されて │ ** │
│ │ │ │取引の客体となる │ │
└─┴──────┴─────────┴─────────────┴────┘
(1)成立における附従性⇒被担保債権が成立しなければ担保権も成立しないこと
Ｑどの程度緩和できるか（条件附債権及び期限附債権のために抵当権を設定できるか）
Q 借用証書を作成し抵当権を設定した後､金銭を授受した場合の抵当権の効力 [246]
Q 甲は乙に100万円を貸しつけ抵当権の設定を受けたが､甲乙間の金消契約は無効
抵当権の有効性如何 [247]
→不当利得返還請求権を原債権の抵当権が担保する
(理)被担保債権が無効であれば、抵当権は付従性により成立しないのが原則である。
しかし、
貸金債権が錯誤無効の場合は、錯誤無効によって不当利得返還請求権が発生するが
これが無担保の債権となれば、本来の債権に比べ、債権者にとって著しく不利な結果となる。
また、
不当利得返還請求権は実質的に貸金債権と同一の債権である。
(2)存続における附従性
Ｑ質権・抵当権を被担保債権から分離して処分できるか
⇒できる 思Ｐ153
Ｑではどの程度切断して処分できるか
（転抵当権について原抵当権者の被担保債権の債務者に供託権を認め、
原抵当権の被担保債権が消滅することにより転抵当権が消滅するとしてよいか）
抵当権の順位譲渡 思Ｐ155
定義
効果
その理論構成
Ｑ債務者は同一でなくてもよいか（§375-1 は「同一の債務者」と限定する）
（順位の譲渡を受ける後順位抵当権の設定者が物上保証人である場合でもよいか）
⇒肯定
(3)消滅における附従性⇒被担保債権が消滅すれば担保権も消滅すること
Ｑどの程度緩和できるか （登記流用の可否） 思Ｐ153 [248]
Q 被担保債権が弁済・抵当権消滅後に、新たに借入れて抵当権設定した場合に前の登記を流用できるか
現在の権利関係の内容が登記されてさえいれば、公示機能を十分果たすことができる。
従って、抵当権の流用は認められる。
但し、
被担保債権消滅から新債務成立までの間に現れた第三者には、
新しい抵当権を持って対抗できない。
(理)かかる第三者は、原債務の消滅に伴う抵当権の消滅に対して期待するから、その期待をする必要があるからである。
甲はＡ所有の家屋に一番砥当権(丙が二番抵当権)を有していた。その後､
甲はＡから弁済を受けたが､抵当権登記は抹消されないまま債権とともに乙に譲渡され､
乙に対しＡは異議なき承諾をした(乙は甲の登記をそのまま流用していた)。
他方丁は､Ａが甲に弁済した後､当該家屋に抵当権を取得していた。
また戌は､Ａが乙に異議なき承諾を行った後に当該家屋に抵当権を取得した｡
Ａ甲乙丙丁戊の関係｡ [249]
(4)優先弁済における附従性⇒優先弁済を受ける際には
被担保債権が現実に存在していなければならないこと
（少なくともこの意味の附従性は確保されねばならない）
包括根抵当権 思Ｐ157
設定契約
目的物
被担保債権
◇(1)担保する債権の範囲（§372）
◇(2)効力の及ぶ目的物の範囲（§370･§371）
原則−「附加して之と一体を成したる物」(附加一体物) （§370）
§370の趣旨(Q何故に設定時の目的不動産以外に抵当権の効力が及ぶことを認めたのか)
→目的物の経済的価値を把握する
Ｑ「附加一体物」とは何か 【218】
⇒経済的に不動産と一体をなしてその効用を助けるもの（松坂）
ｑ附合物を含むか⇒肯定（異論なし）（理）目的不動産の所有権が及ぶから
ｑ従物も含むか（抵当権の効力は設定後の従物にも及ぶか 思Ｐ7 答Ｐ159）
(1)否定説（判）
(2)肯定説（ワセダ）（我妻）（松坂）
（理）�…馘�権の効力を強化すべし
そこで
工場抵当法§2-1の趣旨を本条にも及ぼしてよい
��沿革に合致する
本条はフランス民法に由来し、同法では従物概念がない
ということは、同法でも従物を認める趣旨である。
§370の趣旨は、目的物の交換価値を高めて、抵当権者を保護する点にある。
その趣旨からすれば、主物の効用を高める従物も付加一体物に含まれる。
┌─────────────┐
│ 従物 │
├──────┬──────┤
│抵当権設定時│抵当権設定後│
┌─┬───┼──────┼──────┤
│判│§８７│ ** │ × │
│ ├───┼──────┼──────┤
│例│§370 │ × │ × │
├─┼───┼──────┼──────┤
│柚│§８７│ ** │ ** │
│ ├───┼──────┼──────┤
│木│§370 │ × │ × │
├─┼───┼──────┼──────┤
│我│§８７│ ** │ ** │
│ ├───┼──────┼──────┤
│妻│§370 │ ** │ ** │
└─┴───┴──────┴──────┘
例外−「果実」（§371）
Ｑ§371の趣旨
Ｑ法定果実を含むか 【219】
�々猟蠕癲僻宗法福�304説）
��否定説（ワセダ）（我妻）
（賃貸料に物上代位できるか）
三七〇条は不可一体物に関する条文である。
法定果実は物ではないから、それを受ける三七一条は法定果実には適用されない。
従って、
法定果実には抵当権の効力が及ぶ。
Ｑ抵当不動産から分離した附合物に対する抵当権の効力
┌──────────────────────────────────────┐
│問題 甲は自己の土地について乙のために抵当権を設定したがその後甲はその土地の│
│ 庭園の部分に石燈籠と庭石を設置した。 │
│ 乙が抵当権を実行して、丙がこの土地を競落した。 │
├──────────────────────────────────────┤
│ Ｑ丙はこの石燈籠・庭石の所有権を取得しうるか。 思Ｐ７ │
│ （石燈籠・庭石に抵当権の効力が及んでいるか） │
│ │
│ ｑ１ 石燈籠・庭石は従物か附合物か │
│ ｑ２ §370「附加一体物」の中に従物・附合物も含むか │
│ ｑ３ 抵当権の効力は設定後の従物にも及ぶか │
├──────────────────────────────────────┤
│（前提問題） │
│ 物とは何か │
│ 動産とは │
│ 不動産とは │
│ 物とは動産及び不動産であるという定義は正しいか │
│ 土地の定着物とは何か │
│ 定着物と附合物とはどのように異なるか │
│ 建物を含むか否か │
│ 附合物と従物とはどのように異なるか │
│ 独立の物か否か │
└──────────────────────────────────────┘
【論点】分離物と第三者
例 山の立木が伐採・搬出され、第三者が取得
抵当権は目的物の全交換価値を把握するものである。
しかも
抵当権者保護のため、抵当目的物の価値を維持する必要性がある。
従って
抵当権の効力は、分離された目的物に対しても及ぶ。
但し
木材の取得者を保護する必要がある。
思うに
抵当権の公示手段は登記であるから、抵当権という公示手段によって公示できる限度で対抗できる。
従って
木材が抵当目的物である土地から搬出された後に木材を取得した第三者には、抵当権者は抵当権をもって対抗できないと解する。
◇(3)物上代位効（§304）思Ｐ247 答Ｐ299
�（�上代位性の本質
�⇒弖�
Ｑ差押は誰がしなければならないか
ｑ「差押」を要するのは何故か
物上代位権を公示するため（判）
代位目的物の特定性を維持するため（通説）
Ｑ二重差押の場合の優劣の基準 論Ｐ149
Ｑ質権と競合した場合の優劣の基準 ＬＳ80-8Ｐ154
�Ｌ榲�物の範囲 答Ｐ312
損害賠償請求権
損害保険金
抵当不動産の売却代金（追求効との関係）
�じ�果
救済一般
物権的請求権の有無 【220】
その発生原因
不法行為に基づく損害賠償請求権の発生時期 【221】
増担保請求権の有無 【223】
Ｑ 甲は自己所有の家屋に乙のために抵当権を設定した後､
丙が､家屋を重過失により焼失させた。乙の救済如何 【222】
【論点】物権的請求権（物権だから当然認められる）
例 山林から立木を伐採・搬出
→ 伐採、搬出の差し止め
抵当権も物権であるから、物権的請求権は当然認められる。
従って、第三者、及び債務者が立木の伐採を始めた場合、現在、及び将来の伐採を禁止できる。
さらに、
目的物が外部に搬出された場合、伐木の返還請求もなしうる。
抵当権の効力は目的物の全交換価値を把握するものであるし、それを認めねば抵当権者の保護に欠けるからである。
但し、
かかる返還請求権は、当該山林へ返還することを要求できるものであり、自己の占有下に置くことを請求できるわけではない。
これは、抵当権が占有を要素としない権利であるからである。
【論点】不法行為に基づく損害賠償請求
第三者が立木の伐採・搬出を行った場合、不法行為に基づく損害賠償請求をなし得る。
もっとも、
具体的に損害が発生していない限りかかる請求はできない（七〇九条参照）。
さらに、
かかる請求をなすには、損害の額の算定が不可欠である。
Ｑ そこで、損害額の算定時期はいつか
→弁済期後であればよい。
損害額はある程度の額を確定できればよい。
その意味で、この時期になれば損害額は算定できるからである。
抵当山林の伐採と追求効・対抗力（§370） 【224】
Ｑ 甲は乙のために立木の存する土地に抵当権を設定し登記済み。
(a) この場合に､甲が立木を伐採し､その伐木が抵当地上に存在する状態で､
丙に売却した場合の乙丙の関係如何
Q 伐木に対して抵当権は及ぶか
Q 搬出された伐木に対する抵当権の対抗力の有無
(b) 伐木を第三者が取得した場合の抵当権の効力
甲が伐採した伐木が抵当地から搬出された状態で､
丙がこれを買い受けた場合の乙丙の関係如何
◇Ａ抵当権実行の方法
◇Ｂ実行の要件 抵当権の存在
債権の履行遅滞
法定文書の提出
第三取得者に通知
執行障碍の不存在
◇Ｃ競売手続
◇Ｄ短期賃貸借の保護（§395）
(1)制度趣旨 【234】
→抵当権と利用権の調和
(2)成立要件
� �602の期間を越えない賃貸借が（山林10年 土地5年 建物3年 ） Ｑ§602の期間を越える賃貸借は保護されないのか [277][278]
→保護されない
(理)短期賃貸借制度は濫用されることが多いので§395による保護は限定すべきである。
但し、
建物所有目的の土地賃借の存続期間は30年とされる（借地借家法三条）
このような場合に短期賃借権の保護を否定すれば、借主保護のための借地借家法が借主に不利に働くことになり、背理である。
従って、
§602に定められた五年の期間のみ借地権者は保護される
Ｑ期間の定めのない賃貸借は保護されるか 建物賃貸借の場合 [281]
土地賃貸借の場合 [279][280]
��抵当権設定登記後に �Ｂ亶獲弖錣鯑世討い襪海函 �｢登記したもの｣）
Ｑ本条の「登記」は借地借家§10｢登記｣･同§13｢建物の引渡｣も含むか [282]
(3)短期賃貸借制度の弊害に対する救済策 答Ｐ305
Ｑ抵当権者の設定した防衛的賃借権の効力
抵当権者自身を賃借人とする賃貸借契約(登記)､ または抵当債務の不履行を停止条件として抵当権者が賃借権を取得することが できるとの停止条件付賃貸借契約(仮登記) いわゆる抵当権設定と併用された併用賃貸借)の効力 [283]
→後の賃借人に対抗できない
(理)かかる賃借権は抵当権担保のために実体のない賃借権に過ぎない。
この賃借権を認めるなら、用益のために目的物を賃借りする者を害する
Ｑ §395に基づいて土地抵当権に対して対抗力を認められた貸借権が､
期間満了によって土地の買受人に対抗し得なくなった場合､
賃借人は地上建物の買取を買受人に請求し得るか [284]
Ｑ 賃借権者が§395但書によって解除されたが、目的物を明け渡さないときの明渡請求の方法
Q1 抵当権による明渡請求
→認められない。
(理)抵当権は占有を要素としないから、抵当目的物の占有関係に干渉することはできない。
しかも
既に短期賃貸借は解除されているから、抵当目的物の実価を引き下げるものではない。
Q2 では、債権者代位権を行使できないか →できない
(理)抵当目的物の担保価値を減少させるものではないから、債権者代位権の要件に欠ける。
Q3 賃借権に基づく妨害排除請求 → 抵当権保全目的の賃貸借自体が認められない
◇Ｅ法定地上権（§388)
(1)制度趣旨 �ー匆餬从囘�利益 [260]
��当事者の合理的意思
(2)成立要件 �…馘�権設定当時､土地の上に建物が存すること 【228】
（｢土地及びその上に存する建物が｣）
��土地と建物が同一の所有者に属すること 【229】
（｢同一の所有者に属し｣ ）
�Ｅ效呂鳩�物の一方又は双方に抵当権が設定されたこと
（｢土地又は建物のみを抵当となしたとき｣ ）
�ざデ笋砲茲辰禿效�･建物が別の所有者に帰属すること
（｢競売の場合につき｣）
�。囘�権設定時に建物の存在を要するか（更地論争）[262]
（設定後に非堅固建物が堅固建物に築造された場合を含む）
→成立しない
(理)更地と建物の建っている土地では前者の方が資産価値が高い。
更地を見て資産価値を評価した抵当権者を保護の必要性がある
建て替えの場合
その1(土地のみに抵当権が設定されていた場合) [263]
→成立する
(理)抵当権者は建物が存在することを前提として、土地の資産価値を評価したと考えられる。
従って
抵当権者が不当に害されることはない
その2(土地･建物双方に抵当権が設定され、抵当権者の承諾がある場合)[264]
→成立しない
�■囘�権設定時に同一人に属していた土地・建物が第三者に譲渡された場合
その1(土地に抵当権が設定され、建物が譲渡)[267]
→成立する
その2(建物に抵当権が設定され、土地が譲渡)[268]
→成立する
�■囘�権設定時に土地・建物が別人に所属 [265]
�■囘�権設定時に土地・建物が別人に属していたが競売までに同一人に帰属した場合
その1[266]
その2[269]
→成立しない
(理)抵当権設定当時、何らかの約定利用権が建物所有者に認められていたはずである。
そして、
後に同一人の所有に帰しても、抵当権の目的となる限りかかる利用権は混同による消滅はない。
とすれば、
法定地上権を成立させる必要はない。
しかも、
利用権としては強力な地上権をあえて成立させるならば、抵当権者を害するおそれがある。
その3[270]
→成立しない
�⇒�持分に抵当権が設定された場合
土地共有の場合 (ＡＢ共有地上にＡの建物があるとき)
Q Ａが土地の持分に抵当権を設定) [271]
→成立しない
(理)�‥效呂砲鰐鹹衢�用権が設定されているはずである
�△△┐橡…蠱肋絽△鮴�立するとなれば、他の土地共有者に不利益にある。
Q Ａが自己の建物に抵当権を設定 [272]
→成立しない
建物共有の場合(Ａの単独所有地上にＡＢ共有の建物が存するとき)
Q Ａが土地に抵当権を設定 [273]
→成立する
(理)強力な法定地上権の成立は他の共有者には利益になる。
また、
土地所有者たるたる抵当権設定者は、そのような不利益を甘受すべきである。
Q Ａが建物持分に抵当権を設定) [274]
→成立する
�� 法定地上権は強制競売の場合にも成立するか 【226】
Ｑ 特約によって法定地上権を排除し得るか [261]
(3)内容
Ｑ 法定地上権の成立の有無（第３回公開模試�癸后縫廛薀�ティスＰ46
（Ｓ53の事案）建物に１番抵当権が設定された当時、土地と建物の所有者は各別。
その後同一になり、２番抵当権が設定された。
⇒成立
（理）法定地上権が成立することは
�〃�物の担保価値が増大する。
��逆に土地の担保価値が減少する。ということを意味する。
∴本件では法定地上権が成立するとしても１番抵当権者の利益を害さない。
（Ｓ14の事案）
（Ｈ2.1.22の事案）土地に１番抵当権が設定された当時、土地と建物の所有者は各別。
その後同一になり、２番抵当権が設定された。
⇒成立しない
（理）上記の理由により
本件では法定地上権が成立するとすれば１番抵当権者の利益を害する。
◇Ｆ一括競売権（§389） 制度趣旨
要件
◆４他の債権者との関係 一般債権者との関係（§394）
担保権を有する債権者との関係
(1)
(2)
(3)
◆５第三取得者との関係
◇代価弁済
◇滌除
(1) 仮登記権利者は滌除(378条)をなし得るか [275]
(2) 抵当権の実行と第三取得者に対する通知(仮登記権利者) [276]
┌────────────┬───────────────┐
│ 代価弁済 (377) │滌除 (378) │
┌───┼────────────┼───────────────┤
│権利者│ │ │
├───┼────────────┼───────────────┤
│要件 │抵当権者が請求し │上記の者が │
│ │上記の者が │ │
│ │売買代価を弁済すること │ │
├───┼────────────┴───────────────┤
│効果 │ │
└───┴────────────────────────────┘
┌─────────────────┬─────────────────┐
│ 抵当権 │ 抵当権の順位 │転抵当
├────────┬────────┼────────┬────────┤
│ 譲 渡 │ 放棄 │ 譲 渡 │ 放棄 │
┌───┼────────┴────────┴────────┴────────┤
│意義 │被担保債権と切り離して抵当権(又はその順位)だけ │
│ │(優先弁済を受ける地位)を譲渡･放棄すること (§375-1後) │
├───┼─────────────────┬─────────────────┤
│受益者│ 無担保債権（Ｃ） │ 後順位抵当権者（Ｂ） │
├───┼─────────────────┴─────────────────┤
│ │ (競売代金 200万円) 権利状態 配当額 │
│ │ ┌──┐ │
│ │┌──── Ａ(1番抵当権者) │A100│⇒100 │
│ ││ ├──┤ │
│例 題 │├順位の放棄･譲渡→Ｂ(2番抵当権者)─ Ｘ(債務者)│B150│⇒100 │
│ ││ ├──┤ │
│ │└ 放棄･譲渡→Ｃ(一般債権者) │C300│⇒ 0 │
│ │ └──┘ │
├─┬─┼────────┬────────┬────────┬────────┤
│ │ │ ┌────┐ │ ┌────┐ │ ┌────┐ │┌────┐ │
│ │権│ │ C100 │ │ │A75 C25│ │ │ B100 │ ││ │ │
│ │ │ ├────┤ │ ├────┤ │ ├────┤ ││A100B150│ │
│ │利│ │ B150 │ │ │ B150 │ │ │ B 50 │ ││ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │ A100 │ ││ │ │
│ │状│ ├────┤ │ ├────┤ │ ├────┤ │├────┤ │
│ │ │ │A100C200│ │ │A25 C75│ │ │ C300 │ ││ C300 │ │
│効│態│ └────┘ │ └────┘ │ └────┘ │└────┘ │
│ ├─┼────────┼────────┼────────┼────────┤
│ │ │ 受益者 優位 │ 両者同位 │ 受益者 優位 │ 両者同位 │
│ │ │ (Bに影響なし) │ (Bに影響なし) │ (Cに影響なし) │ (Cに影響なし) │
│ │ │ │ │ │ │
│果│配│ │A本来の配当額を │ │A･B本来の配当額 │
│ │ │ │ (100) │ │ の合計額(200)を│
│ │当│ │AとCのＧ比で分配│ │A･BのＧ比で分配 │
│ │ ├────────┼────────┼────────┼────────┤
│ │額│A⇒ 0(残100⇒0)│A⇒ 25(残 75⇒0)│A⇒ 50(残 50⇒0)│A⇒ 80(残 20⇒0)│
│ │ │B⇒100(残 50⇒0)│B⇒100(残 50⇒0)│B⇒150 │B⇒120(残 80⇒0)│
│ │ │C⇒100(残200⇒0)│C⇒ 75(残 25⇒0)│C⇒ 0(残300⇒0)│C⇒ 0(残300⇒0)│
├─┴─┼────────┴────────┴────────┴────────┤
│ │(1)譲受人相互間の順位 ⇒ 付記登記の前後による(§375-2) │
│対 │(2)主債務者(保証人･設定者･その承継人)⇒通知･承諾 (§376-1) │
│ │ 但､確定日付は必要なし (理)確定日付は第三者に対する関係で │
│ │ 債権の帰属を決定するもの｡ │
│抗要件│ BUT 抵当権の処分は債権を移転しない │
│ │ 通知･承諾の効果 ∴ │
│ │ �，靴疹豺� ⇒ S者は受益者の承諾なく弁済しても │
│ │ 受益者に対抗できない(§376-2) │
│ │ ��欠いた場合 │
├───┼───────────────────────────────────┤
│ │ ┌──────────┬────────┐ │
│ │ │弁済期の到来 │債権額 │ │
│ │ ┌─────┼──────────┼────────┤ │
│実行 │ │原抵当権 │原抵当権 │原>受益(S7,8,29)│ │
│要件 │ ├─────┼──────────┼────────┤ │
│ │ │受益抵当権│原抵当権+受益抵当権 │制約なし │ │
│ │ └─────┴──────────┴────────┘ │
└───┴───────────────────────────────────┘
┌────────┐
│ 同時配当の場合 │ Ｘ地 Ｙ地
┌──┼────────┤ (代価60万) (代価40万)
│所 │ 同 一 │ ┌───────────┐
│有 ├────────┤ │甲 50 (共同抵当) 甲 50│
│者 │(債務者)(債務者)│ ├────┬─┬────┤
├──┼────────┤ │乙 40 │ │ 丙 20│
│競売│ │ │ │ └────┘
│ │ Ｘ ＋ Ｙ │ ├────┤
│物件│ │ │ │
├──┼───┬────┤ │丁 10 │
│配 │甲 30 甲 20 │ └────┘
│当 │ (§392-1) │
│ ├───┬────┤
│額 │乙 30 │ 丙 20 │
└──┴───┴────┘
┌───────────────────────────────────────┐
│ 異時配当の場合 │
┌──┼─────────────────┬─────────────────────┤
│ 所 │ 同一 │ 別人 │
│ 有 ├───┬───┬────┬────┼───┬──────┬─────┬────┤
│ 者 │Ｓ 者│Ｓ 者│ 物上H人│ 物上H人│Ｓ 者│ 物上H人 │ 物上H人A│物上H人B│
├──┼───┼───┼────┼────┼───┼──────┼─────┼────┤
│競売│ │ │ │ │ │ │ │ │
│ │ Ｘ │ Ｙ │ Ｘ │ Ｙ │ Ｘ │ Ｙ │ Ｘ │ Ｙ │
│物件│ │ │ │ │ │ │ │ │
├──┼───┼───┼────┴────┼───┴──────┼─────┴────┤
│ 配 │ 甲50│甲40 │ 同 左 │ 同 左 │ 同 左 │
│ 当 │ §392-2前 │ │ │ │
│ ├───┬───┼────┬────┼───┬──────┼─────┬────┤
│ 額 │ 乙10 │ 丙 0 │ 乙 10 │ 丙 0 │乙のみ│ 丙 0 │ 乙 10 │ 丙 0 │
│ │ ＋ │ ＋ │ ＋ │ ＋ │ 10 │ ＋ │ ＋ │ ＋ │
│ │ 20 │ 20 │ 20 │ 20 │ │ 20 │ 30 │ 20 │
├──┼───┼───┼────┴────┼───┼──────┼─────┼────┤
│ │Ｙの甲│Ｘの甲│ 同 左 │Ｙの甲│�。箸� │ �。箸蓮；↓。箸� │
│ │に代位│に代位│ │に代位│ 40万につき │ 60万〃 │40万〃 │
│ 代 │丁も │ │ │ 不可│ Xの甲に │ Yの甲に│Xの甲に │
│ │代位可│ │後順位抵当権者は │ (注2)│ 代位し │ │ │
│ 位 │ (注1)│ │392-2により │ │ 抵当権取得│ 同左 │ 同左 │
│ │───│ │代位可(H4,11,6) │ │ (§501但) │ │ │
│ 額 │ │ │ │ │�∧困蓮� │ ��乙は │�∧困� │
│ │20万を│30万を│ │ │ 上記 │ │ │
│ │限度に│限度に│ │ │ 抵当権から│ 同左 │ 同左 │
│ │配当可│配当可│ │ │ 優先弁済可│ │ │
│ │392-2 │ 392-2│ │ │ (注3) │ (注3) │ (注3) │
└──┴───┴───┴─────────┴───┴──────┴─────┴────┘
(注1) Q この場合の乙と丁の優先基準 �‖絨未良婬�登記基準説(香川) (2500講 下 ��221)
�∨寨菘�抵当権登記基準説(我妻)
(注2)(S44,7,3) (理) S者が勝手に自己の物件に後順位抵当権を設定して
物上保証人の求償権(§501但��)を害するのは不当｡
そして､後順位抵当権者にS者の地位に由来する
ﾏｲﾅｽをかぶらせることは不当ではない｡(2500講 下 ��222)
(注3)(S53,7,4) (2500講 下 ��232)
Ｑ1 抵当目的物の一部を放棄した場合の後順位抵当権者の保護 (2500講 下 ��227)
┌───────────────────────────┐
│１ 被担保債権の要件 （§398の２）（��529）│
│２ 優先弁済権の範囲 （§398の３）（��530）│
│３ 債権の範囲・債務者の変更 （§398の４）（��531）│
│４ 極度額の変更 （§398の５）（��532）│
│５ 元本確定期日の変更 （§398の６）（��533）│
│ 確定前のＧ譲渡・Ｓ引受 （§398の７）（��533）│
│ 確定前の更改 （§398の８）（��533）│
│６ Ｇ者・Ｓ者の相続 （§398の９）（��535）│
│７ Ｇ者・Ｓ者の合併 （§398の10）（��535）│
│ 元本確定前の処分 （§398の11）（��535）│
│８ 全部譲渡 （§398の12）（��536）│
│９ 分割譲渡 （§398の12）（��537）│
│10 一部譲渡 （§398の13）（��538）│
│ 共有根抵当権の優先弁済権 （§398の14）（��538）│
│11 処分を受けた根抵当権の効力 （§398の15）（��539）│
│12 共同根抵当権の成立要件 （§398の16）（��540）│
│ 共同根抵当権の法律関係 （§398の17）（��540）│
│13 累積根抵当権の優先弁済の範囲（§398の18）（��541）│
│ 設定者の元本確定請求権 （§398の19）（��541）│
│14 元本確定事由 （§398の20）（��542）│
│15 設定者の極度額減額請求 （§398の21）（��543）│
│ 物上保証人等の消滅請求 （§398の22）（��543）│
│16 順位変更登記 （§373） （��544）│
└───────────────────────────┘
◇１ 被担保債権の要件 （§398の２）（登研��529）
◇２ 優先弁済権の範囲 （§398の３）（登研��530）
◇３ 債権の範囲・債務者の変更 （§398の４）（登研��531）
◇４ 極度額の変更 （§398の５）（登研��532）
一、要件
二、利害関係人の範囲
（一）増額の場合
（二）減額の場合
（三）増額の効力発生後に新たな利害関係が生じた場合
三、登記手続
四、仮登記の可否
（一）１号仮登記の場合
（二）２号仮登記の場合
◇５ 元本確定期日の変更 （§398の６） （登研��533）
確定前のＧ譲渡・Ｓ引受 （§398の７） （登研��533）
確定前の更改 （§398の８） （登研��533）
◇６ Ｇ者・Ｓ者の相続 （§398の９） （登研��534）
第一 根抵当権者の相続（一項の趣旨）
第二、債務者の相続 （二項の趣旨）
第三、
第四、元本確定時期（四項）
第後、合意の登記手続（五項）
◇７ Ｇ者・Ｓ者の合併 （§398８の10） （登研��535）
第一 根抵当権者の合併（一項の趣旨）
第二、債務者の合併 （二項の趣旨）
第三、元本確定請求・確定時期（三項）
第四、確定請求の行使期間（四項）
元本確定前の処分 （§398の11） （登研��535）
第一 （一項の趣旨） 根抵当権・順位の譲渡・放棄の禁止
転根抵当の許容
第二、転根抵当（二項）
第三、元本確定後の処分 一 譲渡・放棄
二 順位の譲渡・放棄
◇８ 全部譲渡 （§398の12） （登研��536）
◇９ 分割譲渡 （§398の12） （登研��537）
◇10 一部譲渡 （§398の13） （登研��538）
第一、意義
第二、要件 一 元本確定前
二 設定者の承諾
三 共同根抵当権の場合は登記
第三、効果 一 譲受人の地位
二 優先弁済権
三 元本の確定
四 共有者の相続・合併
第四、登記手続
◇10´共有根抵当権の優先弁済権 （§398の14） （登研��538）
第一、優先の定め （一項） 一 共有者の優先弁済権
１ 原則
２ 別段の定め (ｱ) 異なる割合の定め
(ｲ) 優先劣後の定め
(ｳ) その他
２’一部譲渡された場合
二 登記手続
第二、共有者の権利移転（二項） 一 意義
二 要件
三 登記手続
◇11 譲渡を受けた根抵当権の効力 （§398の15） （登研��539）
◇12 狭義の共同根抵当権の成立要件（§398の16） （登研��540）
〃 の法律関係（§398の17） （登研��540）
◇13 累積根抵当権の優先弁済の範囲（§398の18） （登研��541）
設定者の元本確定請求権 （§398の19） （登研��541）
◇14 元本確定事由 （§398の20） （登研��542）
第一、立法趣旨
第二、一般的確定事由（一項）
第三、確定効の覆滅（二項）
第四、登記手続
┌──────────────────────────┬─────────┐
│ 確定事由 │ 確定時期 │
┌─┼──────────────────────────┼─────────┤
│融│(1)相続開始後６ケ月内に合意の登記なし (§398ﾉ9-3) │相続開始時 │
│資├──────────────────────────┼─────────┤
│関│(2)取引の終了 (§398ﾉ20-1��)│終了事由発生時 │
│係├──────────────────────────┼─────────┤
│の│(3)債権の範囲の変更による元本不発生 ( 〃 )│変更登記時 │
│終├──────────────────────────┼─────────┤
│了│(4)債務者の破産 (§398ﾉ20-1��)│破産宣告時 │
├─┼──────────────────────────┼─────────┤
│ │ �ゞデ笋凌塾� │申立時 │
│ │(5)根抵当権者の｛ (§398ﾉ20-1��) │但 手続の開始･ │
│換│ �∧�上代位による差押の申立 │ 差押ある場合 │
│価├──────────────────────────┼─────────┤
│手│(6) 〃 滞納処分による差押 (§398ﾉ20-1��) │差押時 │
│続├──────────────────────────┼─────────┤
│の│ �ゞデ篌蠡海粒�始 │手続の開始･差押を │
│開│(7)第三者の ｛ (§398ﾉ20-1��) │根抵当権者が │
│始│ (注) ��滞納処分による差押 │知つて2週間後 │
│ ├──────────────────────────┼─────────┤
│ │(8)設定者(第三取得者)の破産 (注)(§398ﾉ20-1��) │破産宣告時 │
├─┼──────────────────────────┼─────────┤
│当│(9)確定期日の到来 (§398ﾉ6-4) │期日到来時 │
│事├──────────────────────────┼─────────┤
│者│(10)設定者の確定請求 ｛�々臺擦両豺�(§398ﾉ10-3) │合併時 │
│の│ (第三取得者) ��確定期日登記なく │請求後2週間経過 │
│意│ 設定後3年経過(§398ﾉ19) │ │
│思├──────────────────────────┼─────────┤
│ │(11)確定の合意が成立した場合 (§398ﾉ20-1��) │成立時 │
└─┴──────────────────────────┴─────────┘
(注)(7)(8)⇒確定事由が消滅すれば確定しなかったものとされる｡(覆滅効)(§398ﾉ20-2本)
但､第三者が根抵当権を確定しなかったものとして取得した場合には
覆滅効が生じない｡･(§398ﾉ20-2但)
確定の前後における取扱の差異
┌───────────────────┬───┬───┬───────┐
│ 変動内容 │確定前│確定後│ 根拠条文 │
┌─┼───────────────────┼───┼───┼───────┤
│ │1.被担保債権の範囲 │ 〇 │ × │§398の4 │
│ │2.債務者 │ 〇 │ × │§398の4 │
│変│3.極度額 │ 〇 │ 〇 │§398の5 │
│ │4.確定期日の定め･その変更 │ 〇 │ × │§398の6 │
│ │5.債務引受による根抵当権の変更 │ × │ 〇 │§398の7-2 │
│更│5.債権者･債務者更改による変更 │ × │ 〇 │§398の8 │
│ │6.共有者による優先の定め │ 〇 │ × │§398の14-1但 │
│ │7.減額請求 │ × │ 〇 │398の21-1 │
├─┼───────────────────┼───┼───┼───────┤
│ │1.全部譲渡 │ 〇 │ × │§398の12-1 │
│ │2.分割譲渡 │ 〇 │ × │§398の12-2 │
│移│3.一部譲渡 │ 〇 │ × │§398の13 │
│ │4.共有者の権利移転 │ 〇 │ × │§398の14-2 │
│転│5.債権譲渡･代位弁済による移転 │ × │ 〇 │§398の7-1 │
│ │6.代位による移転 │ 〇 │ 〇 │§398の16 │
│ │7.相続・合併による移転 │ 〇 │ 〇 │§398の9,10 │
├─┼───────────────────┼───┼───┼───────┤
│ │1.転根抵当 │ 〇 │ 〇 │§398の11-1但 │
│処│2.相対的処分(譲渡･放棄･順位譲渡･放棄) │ × │ 〇 │§398の11-1本 │
│分│3.上記処分の受益 │ 〇 │ 〇 │上記 反対解釈 │
│ │4.順位変更 │ 〇 │ 〇 │§373-2 │
├─┼───────────────────┼───┼───┼───────┤
│消│1.消滅請求 │ × │ 〇 │§398の22-1 │
│滅│2.弁済による消滅 │ × │ 〇 │ │
└─┴───────────────────┴───┴───┴───────┘
◇15 設定者の極度額減額請求 （§398の21）（登研��543）
第一、減額請求（一項）
第二、共同根抵当の場合の特則（二項）
第三、登記手続（三項）
物上保証人等の消滅請求 （§398の22）（登研��543）
第一、消滅請求（一項）
第二、共同根抵当の場合の特則（二項）
第三、 （三項）
第四、登記手続
◇16 優先順位の定め方・順位変更 （§373）（登研��544）
第一、優先順位の定め方（一項）
第二、順位変更（二項）
第三、 効力要件（三項）
第四、 登記手続
申請手続
実行手続
(1) (2) (3)
２（後順位担保権者の地位）§4,5
法定賃借権(§10)
Ｑ 短期賃貸借(§395を準用できるか)(答P315) [285]
Ｑ §304を準用できるか→否定(答P308)
不動産登記手続の特則(§18)
広義では（売渡担保）→買戻、再売買予約も含む
Ｑ当事者の意思が不明の場合は何れと解すべきか [286]
Ｑ1 物権法定主義（§175）に反するのではないか
→反しない
(理)物権は法律によって定められたものしか認められない（一七五条）
しかし、
非典型担保物権を認める社会的必要性がある。
また、
物権法定主義の重要な機能としては、公示方法を完備させ、取引の安全を守る点がある。
ならば、かかる非典型担保には公示方法がある。
Ｑ2 虚偽表示（§94-1）にあたり無効ではないか
Ｑ3 脱法行為（§349,345 ）にあたるのではないか
(1)所有権的構成説(判例)(債権者は所有権を取得する)
(批)債権者が弁済期前に目的物を処分した場合、かかる譲渡も有効になる危険がある。
(2)担保権的構成説（ワセダ）(債権者は担保権を取得する) 答Ｐ301
(理)譲渡担保契約の主眼は債権担保にある。
従って、
実質面を重視し、端的に担保と構成すればよい。
Ｑ物権取得のプロセス �‘飴債馘�説（米倉）
�■加奮�物権変動説（鈴木）
(一) 動産
Ａ 個々の動産
Ｑ 対抗要件 [289] Ｂ 集合動産 [307]
Ｑ1 集合動産に譲渡担保が成立するか
Ｑ2 成立するとしてその公示方法をどうするか
Ｑかかる担保設定は一物一権主義に反し許されないのではないか
→許される
(理)そもそも､一物一権主義の趣旨は
�［祿阿鯒Г瓩詆�要性がないこと、
�△�かる物権を公示する方法がないから
取引の安全を図ろうとする点にある。
しかし、
かかる担保権を設定する必要性がある。
また、
目的物の存在する場所･範囲を指定することにより
公示することは可能である。
よって
一物一権主義に反しない
Ｑ集合物への譲渡担保権を認める法的構成
→集合物全体の上に一個の譲渡担保権が設定される
(理)当事者意思に合致する。
(二) 金銭債権
Ａ 個々の金銭債権 [308] 甲が丙に対して有する金銭債権を自己の債権者乙に対する担保として 乙に譲渡し、甲に債務不履行があれば、乙が丙に対してこの債権を行使し、 金銭を取り立てて、自己の債権の弁済に当てるという契約。 Ｂ 集合金銭債権 [309]
◇１．担保権の効力の及ぶ範囲
Ｑ 優先権を保証される被担保債権の範囲(§374を類推適用できるか) [290]
◇２．担保目的物の利用関係
設定者に占有がある場合
◇３．優先弁済権
Ｑ 私的実行の要件 [291]
Ｑ 法定地上権の規定を準用できるか [300]
◇４．当事者間の権利・義務
Ｑ 清算義務の有無 [292]
Ｑ 処分清算方式の特約は有効か [293]
Ｑ 同時履行抗弁権の有無
Q 担保権者の目的物引渡･明渡請求と設定者の清算金請求 [294] Q 債務の弁済と登記の抹消(引渡) [295]
Ｑ 受戻権( Q 有無とその行使期間) [296]
(1) 帰属清算方式の場合
清算金未払いのまま債権者が目的物を第三者に処分した場合、設定者は受戻権を有するか [297]
(2) 処分清算方式の場合
受戻権はいつまで行使できるか [298]
Ｑ 設定者が譲渡担保権者から賃借して賃料の名目で一定額を支払っている場合において、
設定者が賃料を支払わなかった場合、担保権者は賃貸借契約を解除して目的物の引渡を請求できるか [301]
Ｑ 譲渡担保権者が担保目的物を滅失･毀損した場合の責任 [302]
◇５．仮登記担保法をどの程度準用できるか 答Ｐ311
Ｑ§304を準用できるか 答Ｐ315
Ｑ§395準用できるか [299] 答Ｐ308
◇１．設定者側の第三者と譲渡担保権者との関係
Ｑ目的物を譲渡した場合の法律関係 [303]
Ｑ一般債権者の強制執行をいかなる手段で執行を排除（又は関与）できるか [304]
ｑ1 第三者異議の訴えができるか 答Ｐ309
ｑ2 配当要求によって優先配当をうけるか
◇２．譲渡担保権者側の第三者と設定者との関係
Ｑ目的物を譲渡した場合の法律関係 [305]
Ｑ一般債権者の強制執行をいかなる手段で執行を排除（又は関与）できるか [306]
Ｑ債権者が済期到来前になした目的物の処分の効力
→物権的に効力がない
(理)譲渡担保権の実質は担保である。
なお 相手方保護は、即時取得及び§94-2による
◇３．担保目的物を第三者が侵害した場合の法律関係
(1)所有権的構成説
(2)担保権的構成説（ワセダ）
１．買主の地位
２．売主の地位
清算義務 [310]
甲は乙に200万円で自動車を売り、頭金として50万円を受け取り、
残代金150万円を15回分割払いの約束で自動車を引渡し、
自動車の所有権は残代金完済時に乙に移転するという特約を付した。
乙は5回目までは支払ったが、その後支払わなかった。(現在の自動車の価格は120万円)
◇１．設定者側の第三者と担保権者との関係
Ｑ目的物を譲渡した場合の法律関係 [311]
甲 → 乙 → 丙
問屋 小売店 消費者
所有権留保 (倒産) (代金完済)
Q1 丙は目的物を即時取得しないか
→できない
(理)担保権の設定についても要件を満たせば、即時取得できる
しかし、
登録自動車の即時取得の要件を満たさない。
Q2 では丙は甲の目的物引渡請求に応じねばならないか
→否定 (甲の請求は権利濫用にあたる)
(理)甲は乙を用いて利益をあげている以上、
乙に起因する損失を全て他人に転化できるとすると公平に反する。
Ｑ一般債権者の強制執行をいかなる手段で執行を排除（又は関与）できるか [312]
ｑ1 第三者異議の訴えができるか
ｑ2 配当要求によって優先配当をうけるか
◇２．担保権者側の第三者と設定者との関係
Ｑ目的物を譲渡した場合の法律関係
Ｑ一般債権者の強制執行をいかなる手段で執行を排除（又は関与）できるか
◇３．担保目的物を第三者が侵害した場合の法律関係
法律関係[313]
