３ 証拠禁止 † 
違法収集証拠の排除法則 †
⇒ 捜査手続に違法があった場合にその結果得られた証拠の証拠能力を否定し事実認定の資料から排除する法則
原則 †
Q1 証拠能力を否定すべきか
(1)供述証拠(犯罪の痕跡が人の記憶に残りそれが言葉により表現されたもの)の場合
→排除される場合はありうる。
(理)もとより，収集手続に違法があっても，証拠物件自体の性質・形状に関する価値に変わりはない。
とすれば，事案の真相を明らかにするため，直ちに証拠能力を否定することはできない。
しかし
真相の究明も，人権保障を全うしつつ適正な手続のもとでなされなければならない。
したがって，将来の違法捜査を抑圧する手段を講じておく必要がある。
(2)非供述証拠の場合(自白排除法則の趣旨)
�� 虚偽排除説
�� 人権擁護説
�� 違法排除説(ﾜ)
→肯定(通判)(理)
Q2 排除の基準 (どの程度違法であれば証拠能力が排除されるか)
(1) 違法の重大性(令状主義の精神を没却するような重大な違法があり)
例、令状主義に反する捜索・差押え
執行の際に重大な人権侵害があった場合
(2)違法抑止にとって必要かつ有効(証拠として許容すると将来の違法な捜査の抑制の見地から相当でない)
適用範囲 (証拠能力を排除される証拠の範囲) †
(1) 違法に収集された証拠そのもの †
□例外
�〜碓佞領祿�(例外と信じて捜査官が行動したが，結果的に捜査方法に違法性が認められた場合)
(理)合法的と信じて行動する捜査官に対して違法の抑止効は働かないからである
ただし，法無視の態度がなく，偶発的性格が強い場合に限定すべきである。
(理)例外は安易に認めるべきではない。
��不可避的発見の例外(得られた証拠が違法行為の必然的な結果とはいえない場合)
(理)かような場合，これについて証拠禁止しても違法の抑止効は働かない。
ただし，不可避発見の可能性が真に密着・高度である場合に限る。(理)例外は安易に認めるべきではない。
�Ｈ鏐霓佑�証拠とすることに同意した場合(かつ、手続違背が被告人の放棄可能な利益である場合)
(理)違法の抑止効の観点からは，かかる同意とは関係なく，排除法則を妥当させるべきであるとも思われる。
しかし
同意ある場合，利益の放棄により，手続の違法性自体が治癒される場合がありうる。
Ｑ 排除を主張する適格がない場合(Q 違法が当該被告人以外の者に対してなされた場合)にも証拠は排除されるか
→ 排除されない
Ｑ 弾劾証拠として用いる場合(Q 違法収集証拠を弾劾証拠として用いることができるか)
→ 否定
(理)
�，海譴魏椎修箸垢譴弌ぐ稻〕淹澆箸いΠ稻ー�集証拠排除の法則の趣旨が没却される。
�∨榾‖Г肋攀鮗�体の証拠力とは関係なく妥当する法則であるから，弾劾証拠なら採用できるという理由がない。
Ｑ 私人によって違法に収集された証拠
→認められる(原則)
(理)捜査機関による違法を抑止する目的とは無関係であるからである。
例外(認められない場合)
�〜楮困琉豐弔班床舛任�る場合 (理)違法の抑止効の問題であるから
��違法の程度が高く公正さを容認できない場合
(2) 違法に収集された証拠によって発見できた他の派生的証拠(毒樹の果実論)(原則) †
(理)かかる証拠の証拠能力を全面的に否定するのは、真実発見の要請に反する。
Q 排除するか否かの基準は、
�＾稻，猟�度
�⇔松攀魎屬隆慙∪�の両者が高度でないこと
��証拠の重要性
�せ�件の重大性が認められた場合、証拠能力が肯定される
例外
�� 独立源法則(例外 1)
�� 希釈法理 (例外 2)
![[shitumunote]](image/pukiwiki.png "[執務ノート]")
