ADR研修課題 (その1_ADR概論)
石川県行政書士会では、行政書士が将来においてADRの手続実施者となることを想定して、関係法律や諸制度を学ぶための研修を行っている。
今年も金沢大学と提携して研修会が開催され、当方も、この講義を受講している。
以下は、その1課程である「ADR概論」を担当していただいた福本先生から出題された課題である。問題1又は問題2のいずれかを、レポートとして提出しなければならない。
さて、これをどのように書こうか?
問題 1
食肉の卸売りを業とするXは、Yとの間で、売掛金をめぐって紛争となっていたが、
両者は、次のような内容で和解が成立した。
① YはXに対して、Xの主張のとおり250万円の支払い義務があることを認める。
② Yは250万円の内金200万円の支払いに代えて、YがAに保管させている国産牛肉を譲渡する。
③YがXに対して牛肉を引き渡したときは、Xは残債権50万円の支払いを免除する。
その後、Yは、Xに本件牛肉を引き渡した。
以上を前提として、以下の場合に、Xは和解の効力を争うことができるか。
(1) その後、Yの債務が実は300万円であったことが判明した場合
(2) Yが引き渡した牛肉が実は、国産牛肉ではなく、外国産の安物であることが判明した場合
(3) Yが牛肉を引き渡した後、ほどなくして、国産牛にBSEが多発し、国産牛の価格が暴落するに至った場合
問題 2
石川県行政書士会においては、民事紛争解決のための新たな手続きを創設し、ADR基本法による認証を取得することを想定して、以下の書面を作成して下さい。
(法6条に定める認証の基準、先に配布した「ガイドライン」その他、その後に公にされた各種資料があればそれも参考にして下さい。)
(1) 一般の利用者が簡単に分かるような手続のアウトラインの説明書
(2) ADR基本法2条1号に定める紛争当事者との契約の標準的な内容
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