Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-includes/cache.php on line 36

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-includes/query.php on line 21

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-includes/theme.php on line 507

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-content/plugins/wp-dokuwiki/inc/parserutils.php on line 158

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-content/plugins/wp-dokuwiki/inc/parserutils.php on line 161

Deprecated: Assigning the return value of new by reference is deprecated in /home/users/0/lolipop.jp-dp12053986/web/blog/wp-content/plugins/wp-dokuwiki/inc/parserutils.php on line 292
行政書士の仕事日記

07年11月20日(火)

ADR研修課題 (その4)(民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

問題 2
「相続させる」旨の遺言に関する最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)
について、事実関係及び最高裁の判断の概要(主たる判決理由をそのまま
引用して下さい)を説明した上で、この判決の問題点や実務に与える影響などに
触れつつ、この判決に対するあなた自身の意見を述べなさい。

解答

一、事実関係
最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)の事実関係は、以下のとおりである。
相続関係図

被相続人Aは、生前に自己の所有する不動産産つき、4通の自筆証書遺言を
残していた。
それらの遺言書においては、左のX1~X3にA所有の不動産を取得させる趣旨とも思われる記載があったが、Y1・Y2が、この遺言書によるX1~X3の権利取得を争うので、X1~X3はY1・Y2を被告として、本件の土地につき所有権を有することの確認訴訟を提起した。
この訴訟において、最高裁まで争われたのは、上記遺言書のうち次の記載の趣旨である。
────────────────
「~の土地は『X1の相続とする』」
────────────────
二、最高裁の判断(主たる判決理由)

この事案について、最高裁は以下の判断を示した。

(1) まず、「相続させる」旨の遺言の性質については、
「遺言において特定の遺産を特定の相続人に『相続させる』旨の
遺言者の意思が表明されている場合、当該相続人も当該相続人と
共にではあるが当然相続する地位にあることにかんがみれば、
遺言者の意思は、右の諸般の事情(※注)を考慮して、当該遺産を
当該相続人をして、………単独で相続させようとする趣旨」であると解する。
そして、更に続けて、
「遺言書の記載から、その趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は
遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺贈と解すべきではない。」とする。

(※注)
上記の「諸般の事情」として以下が指摘されている。

「遺言者と各相続人との身分関係及び生活関係、
各相続人の現在及び将来の生活状況及び資力その他の経済関係、
特定不動産その他の遺産についての特定の相続人とのかかわりあいの関係等」

(2) 次に、
「他の相続人も右の遺言に拘束され、これと異なる遺産分割の協議、
さらには審判 もなし得ないのであるから、このような遺言にあっては、
遺言者の意思に合致す るものとして、遺産の一部である当該遺産を
当該相続人に帰属させる遺産の一部の分割がなされたのと同様の
承継関係を生ぜしめるものであり、当該遺言において相続による承継を
当該相続人の受諾の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、
何らの行為を要せずして、被相続人の死亡の時(遺言の効力の生じた時)に
直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継される。」
「そしてその場合、遺産分割の協議又は審判においては、……
当該遺産については、右の協議又は審判を経る余地はない。」とする。

(3) もっとも、
「……当該特定の相続人……が所定の相続の放棄をしたときは、
さかのぼって当該 遺産がその者に相続されなかったことになる」し、
「また、場合によっては、他の相続人の遺留分減殺請求権の行使を
妨げるものではない」とする。

三、この判決の問題点

1.被相続人が特定の不動産を特定の相続人に相続させる旨の遺言をした
場合において、その遺言の趣旨をどのように解釈するかは、被相続人の
意思解釈の問題である。
したがって、本件においても、Aの意思がどのようなものであったかを
合理的に解釈するほかない。
ところで、遺言は遺言者の最終の意思を尊重するため、相手方のない
単独行為とされている。これは、意思表示をすれば、それだけで遺言者の
死後に効力を生ずることを意味する。つまり、意思表示が相手方に到達
しなくとも、または、相手方の承諾を得なくても、意思表示としては効力
を生ずる。このため、遺言によってなしうる事項は、法律によって特に
許されたものに限られている。
そこで、遺言事項として法定されているものの中から、本件の遺言に
該当し得るものを選び出すと、以下があげられる。
(1)相続分の指定(§902)、(2)遺産分割方法の指定(§908)、(3)遺贈(§964)

2.では、本件遺言は上記(1)(2)(3)のいずれにあたると解すべきであろうか。
この点を検討するに先立ち、まず(1)(2)(3)を分類すると、2分できる。
1つは、(1)及び(2)で、他は(3)である。
前者のいずれかに該当すれば、遺産分割協議を経て相続人は権利を取得し、
取得原因は相続である。これに対して、後者に該当すれば、直ちに受遺者は
権利を取得し、取得原因は贈与になる。
その他、農地につき「相続」と「遺贈」があった場合を例にして両者を比較すると、
下記のようになる。

相続と遺贈の比較

  遺贈 相続
登記原因 贈与 相続
登記申請人 共同申請
(受遺者と相続人全員)
単独申請(相続人)
登録免許税 20/1000 4/1000
農地転用許可 必要 不要

この表からいえることは、遺贈よりも相続の方が権利取得者にとっては有利であるということである。
また、遺贈なら、相続人全員の協力を要する以上、遺言者の通常の意思に 反すると思われる。
なぜなら、共同相続人間で容易に遺産分割協議が合意に至る保証はない。
そのため、あえて遺言を残す趣旨は、残 された共同相続人間に無用の相続争いが生ずることを避け、
自己の望みどおりに財産を処 分したいと考えていたからこそである。
以上より、「相続させる」旨の遺言の解釈としては、(3)の遺贈にあたる場合は、
通常はなく、特段の事情がある時のみであることになろう。例えば、受遺者が
相続人でなければ、相続により権利を取得し得ないのであるから、遺贈にあたる
ことになる。
また、受遺者と相続人の全員から贈与を原因として登記申請があれば、
たとえ受遺者が相続人の一人であったとしても、遺贈と扱ってよいと思われる。
なぜなら、相続人の全員があえて遺贈として申請している以上、その意思を
尊重してよいからである。
(前記二、(1)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

そうすると、本件遺言が上記(1)(2)のいずれか(又はその組合わせ)にあたるかを
検討すればよいことになるであろう。

3.この場合の問題点としては、相続分の指定や遺産分割方法の指定においては、
後の遺産分割協議を予定していることである。つまり、分割協議が済まない以上、
最終的に権利取得し得ないのであるから、上記(1)(2)のいずれかに該当するとは
直ちには言い切れない。
では、「相続させる」旨の遺言において物権移転効を認めてよいであろうか。
(それともやはり、遺産分割協議を要するとすべきであろうか。)
この点については、認めてよいと考える。
なぜなら、前記三、2.で述べた趣旨から、やはり物権移転効を欲していたと
することが、遺言者の通常の意思(合理的意思)に合致する。
しかも、相続分の指定や遺産分割方法の指定があれば、もはや相続人は、
指定に反する遺産分割をなし得ないからである。
(前記二、(2)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

そして、以上からすれば、本件遺言は、(2)の遺産分割方法の指定に当たる
と考える。

4.もっとも、以上のように遺言者の意思を貫くことは、民法の予定する
均分相続の原則を破ることでもある。
そこで、遺言者の意思に均分相続の原則を破るほどの効力を与えてよいかを
検討しておかなければならない。
しかし、これも認めてよいと考える。
なぜなら、遺言者はもともと自己の自由に処分できる財産を有している。
(民§964)
そして、相続人としては、相続財産のうちの自由分を差し引いた残りの財産
である遺留分の限度で保護されているにすぎない。(民§1028、民§1031)
したがって、相続人の遺留分を侵害しない限り、均分相続の原則が遺言者の
意思を制限する理由になるとは思われない。
(前記二、(3)の判示は、以上の趣旨に基づくものと思われる。)

四、結論

かねてより、登記実務においては、「相続させる」旨の遺言に基づき相続を
原因とする所有権移転登記を認めている。
(昭和47年4月17日民事甲第1442号民事局長通達)
本判決が、本件遺言により相続人は直ちに権利を取得すると判断したのは、
以上の理由に基づき、この実務を追認したものといえるであろう。

以上

なお、残された問題点として、物権移転効をめぐって

(1) 登記の要否

(2) 遺言執行者の代理権の有無

(3) 遺留分減殺請求権行使の順序

Q §1033の趣旨

結論
①相続させる旨の遺言→②死因贈与→③生前贈与

07年10月26日(金)

法務省告示第124号(「特定活動」改正告示)

posted by  西山 忠  in 09_未分類 | 

これも、本日開催された、行政書士会の研修会で得た情報ですが、
入管行政の内実を構成する以下の法務省告示が、官報に掲載されました。
入国管理局のサイトにもまだ載っていないので、以下に全文を掲載します。

法務省告示第124号

出入国管及び理難民認定法(昭和26年政令第319号)第7条第1項第2号の規定に基づき、同法別表第1の5の表の下欄(ニに係る部分に限る)に掲げる活動を定める件
(平成2年法務省告示第131号)の一部を次のように改正する。

平成19年3月23日
法務大臣 長瀬甚遠

第11号を次のように改める。
11 法別表第1の5の下欄(イ又はロに係る部分に限る)に掲げる活動を指定されて在留するものと同居し、かつ、その者の扶養を受けるその者の父若しくは母又は配偶者の父若しくは母(外国において当該在留する者と同居し、かつ、その者の扶養を受けていた者であって、当該在留する者と共に本邦を転居する者に限る。)として行う日常的な活動

第15号中「盲学校、聾学校、養護学校」を「特別支援学校」に改める。

附則
この告示は、交付の日から施行する。
ただし、第15号の改正規定は、平成19年4月1日から施行する。

翻訳法令集

posted by  西山 忠  in 04_法令 | 

本日開催された、行政書士会の研修会で得た情報ですが、
日本の法令を英訳して公開するプロジョクトがあるそうです。
内閣官房のサイトでその成果物が公開されています。
調べてみると、以下のようなサイトがありました。
現在のところ、約90本の翻訳済法令が公開されています。
辞書データも掲載されているので、重宝するかもしれません。

法令翻訳データ(標準対訳辞書対応)(内閣官房)

法令翻訳に関する情報(リンク等)

・関係省庁部局課名・官職名英訳名称一覧(PDFファイル

会議関係データ

ご意見募集

07年10月21日(日)

ADR研修課題 (その3_民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第2課程は、民法です。
9月22日は、民法の最後の講義が演習形式で行われました。
講義終了後、以下の設問に対するレポートの提出を命じられました。

問題1
Aは遺言なしに死亡し、Aの子、XYZの3人が相続人である。
3人の間で未だ遺産分割協議は成立していない。

(1) Aの死後、遺産である土地と居宅(以下「本件不動産」という)は、
Aの生前中から一緒に居住していた長男のXがそのまま占有し、
そこに居住している。

YZは、Xに対して、その明渡し又はYZの持分に相当する賃料相当額を請求できるか。

参考:
・家族法判例百選(6版)P144
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P114

(2) 相続人Yは、遺産に属する本件不動産の3分の1の持分を第三者Bに譲渡した。
Bは、YZに対して分割請求できるか。

参考:
Q 遺産共有の性質
→共有説
(理)§909但

Q 遺産中の特定財産の持分譲受人は分割請求できるか

参考:
・家族法判例百選(6版)P138

(3) Zは、自分の会社の事業資金としてCから1000万円の融資を受けた。
ところが、会社が倒産した。
Aの遺産分割協議において、XYZは本件不動産につき、X持分2分の1、Y持分2分の1とする遺産分割協議を行い、その旨の登記をした。
Cとしてはどのような法的措置を講じることができるか。論じなさい。

※ 解答を作成するにあたっては、法規定、学説、特に通説の立場、判例理論をふまえた上で、各自の結論を導きなさい。

参考:
Q 債権者の権利保全手段

Q 遺産分割協議と登記
・家族法判例百選(6版)P148

Q 遺産分割協議は詐害行為取消の対象となるか
・家族法判例百選(6版)P140
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P280

Q 遺産分割協議を取消後にどのような措置を講じることができるか
(1) 相続登記を抹消する
(2) 法定相続分に応じた共同相続登記(代位登記)
(3) Zの持分を目的とした担保権の設定登記

問題2
「相続させる」旨の遺言に関する最判平成3年4月19日(民集45巻4号477頁)について、事実関係及び最高裁の判断の概要(主たる判決理由をそのまま引用して下さい)を説明した上で、この判決の問題点や実務に与える影響などに触れつつ、この判決に対するあなた自身の意見を述べなさい。

※ 解答する際に、参照ができる場合には、本判決の評釈である
家族法判例百選【第6版】176頁、
伊藤昌司・ジュリスト平成3年度重要判例解説83頁等
を見てください。

参考:
・家族法判例百選(6版)P176()
・最高裁時の判例Ⅱ私法編(1)P282

07年10月1日(月)

情報公開請求例

posted by  西山 忠  in 02_業務資料 | 

行政文書名:「入国・在留審査要領」を請求する方法のメモ

行政文書開示請求書(法務省における行政文書の開示請求の標準様式)

法務省の開示請求先一覧表(入国者収容所,地方入国管理局)

手数料: 約1万5千円

07年9月24日(月)

共同経営契約の分類

posted by  西山 忠  in 07_事業開始後 | 

1.共同経営契約には、以下の場合がありうる。

(1)施設の賃貸借契約にすぎない場合
(2)組合契約(民§667)である場合
(3)営業の賃貸借契約である場合
(4)営業の経営委任契約(狭義)(広義の経営委任契約_1)
(5)営業の経営管理契約(広義の経営委任契約_2)

2.(3)(4)(5)の比較

  営業 計算
(3)賃貸借 賃借人 賃借人
(4)経営委任 委任者 受任者
(5)経営管理 委任者 委任者

07年9月13日(木)

ADR研修課題 (その2_民法)

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR) | 

金沢大学で行われているADR研修の第2課程は、民法です。
9月22日には、演習形式で授業が行われる予定となっています。

以下は、その際に使用するために樫見先生が出題された事例問題です。
ざっと眺めただけですが、手強そうな問題もあります。
こんなのホントに我々がこなせるのでしょうか。

【事例問題1】
AのBに対する貸金債権850万円について、Cを連帯保証人とする契約が
成立している。
この連帯保証契約は実は、Cの子であるYがCから預かっていた実印を
Cに無断で押印して成立させたものであった。
その後、Cが死亡してCの妻DとYとが、Cの権利義務を2分の1の割合で
相続した。
Aより右債権を譲り受けたXは、Yに対して、民法117条に基づいて
850万円の支払いを請求した。
これは認められるか。
X側の主張としては、YはCを相続し、本人の地位と相続人の地位が一体となり、本人Cがしたのと同様になるから、2分の1については連帯保証契約の責任を負うべきだと主張し、残りの2分の1は無権代理人として1177条の責任を負うべきだというものであった。

【事例問題2】
本件建物はAが所有し、本件土地はその妻Bが所有していたが、Aが死亡し、その後Bも死亡したことから、本件建物は、最終的にはABの養子であるYとCとが持分2分の1で相続することとなった。

その後、YCの間で遺産分割協議が成立していない段階で、CがXに本件土地建物の持分2分の1を贈与し、XはYに対して共有物分割の訴えを提起した。

Yは、遺産を構成する特定財産の共有持分権が第三者に譲渡されても遺産分割の対象から除外されないから、遺産分割前には共有物分割の訴えを提起できないと主張した。

Xの共有物分割の訴えは認められるか。

【事例問題3】
被相続人A所有の山林の立木を買主であるYが、売買契約において約定した本数を上回って伐採したために、AはYに不法行為に基づく損害賠償として400万円を請求した。

ところがAは訴え提起後死亡したために、妻X1・子X2が訴訟を承継したとして、X1とX2は、それぞれ相続分に応じた各200万円の支払いを求めた。
これに対して、Yは、遺産は合有であり、可分債権であっても相続により直ちに分割されるものではないと主張した。

Xらの主張は認められるか。

【事例問題4】
被相続人Aの遺産について、共同相続人X・Y・Bの遺産分割協議が成立した。

しかし、Yが勝手に本件土地について所有権移転登記を済ませたため、XはYに対して所有権に基づく抹消手続を求めた。

Yは、本件土地について、先に行われた遺産分割協議を修正する合意(遺産分割の解除を含む)が共同相続人間で再度行われ、Yが2分の1で、残りはBが2分の1で、Xに所有権はないと主張した。

遺産分割の合意解除は認められるか。

ADR概論レポート

posted by  西山 忠  in 08_生活・紛争(ADR), 09_未分類 | 

以下は、7月22日に掲載したADR概論の研修課題について、当方が提出したレポートです。締め切り間際になって、担当者から怒られて大あわてて書いたものなので、出来映えはよくないかもしれません。一応、参考になれば幸です。

問題 1
食肉の卸売りを業とするXは、Yとの間で、売掛金をめぐって紛争となっていたが、
両者は、次のような内容で和解が成立した。

① YはXに対して、Xの主張のとおり250万円の支払い義務があることを認める。
② Yは250万円の内金200万円の支払いに代えて、YがAに保管させている国産牛肉を譲渡する。
③YがXに対して牛肉を引き渡したときは、Xは残債権50万円の支払いを免除する。

その後、Yは、Xに本件牛肉を引き渡した。
以上を前提として、以下の場合に、Xは和解の効力を争うことができるか。

(1) その後、Yの債務が実は300万円であったことが判明した場合
(2) Yが引き渡した牛肉が実は、国産牛肉ではなく、外国産の安物であることが判明し た場合
(3) Yが牛肉を引き渡した後、ほどなくして、国産牛にBSEが多発し、国産牛の価格 が暴落するに至った場合

解答

一、はじめに
XY間に和解が成立した以上は、契約は維持されねばならないのが原則である。
しかし、契約の拘束力がいかなる場合にも制限されないとすると、当事者に酷な場合が生ずる。そこで、法は、例外的に契約の拘束力を制限する制度を設けている。

本問において検討すべきものとしては、以下の2点であると考えられる。
第1は、法律行為時において意思表示に瑕疵・欠缺があり法律行為が無効・取消となる 場合である。
第2は、法律行為は有効に成立したが、後の事情により、契約が解除される場合である。

ところで、小問(1)~(3)は、いずれも、一見すると和解契約の拘束力を維持することに難があると思われる事案である。しかし、子細に分析すると、(1)及び(2)と(3)では、事情が異なっている。すなわち、(1)と(2)は、和解契約の当初から契約内容に瑕疵が存在していたとも考えられる事案である。これに対して、(3)は契約当初において瑕疵はなく、契約後に事情が変化が変化している事案である。
したがって、小問(1)と(2)においては、法律行為が有効に成立していないのではないかが問題となり、小問(3)においては、有効に成立した和解契約を解除できるのではないかが問題となる。

以上を前提として、Xが和解の効力を争えるかを検討する。

二、小問(1)

和解契約により250万円の債務の存在が確定したが、300万円の債務の存在が判明した以上、Xとしてはこの金額を請求したいであろう。
そして、契約の一般原則から考えると、意思表示に錯誤がある以上、契約は無効であるはずである。(民§95)

そこで、Xは、和解契約の錯誤無効を主張できないかを検討する。

ところで、和解契約が成立すると、たとえ合意後に契約内容と異なった証拠が現れたとしても、新たな法律行為をしたものとして契約は維持され、錯誤無効の主張が許されない。(和解の確定効)(民§696)

これは、以下の理由に基づく。すなわち、和解は、当事者が互譲して、争いの対象となった権利関係を不問として、新たな法律関係を形成することにより、争いを終結することを目的とした契約である。それなのに、争いのむし返しを許すと、和解をした意味をなさないからである。

では、本条の適用範囲はいかなる事項に及ぶのであろうか。
和解の確定効が及ぶ範囲は、争いの対象となった事実に限られると考えるべきである。

なぜなら、もともとは無効であるはずの契約について、一般原則を変容して確定効を設ける以上、その適用範囲は制限的に考えるべきだからである。

そこで、本問において和解の確定効が及ぶか否かを考えると、本問の争いの対象は、売掛金の存否(ないしはその金額)であり、これは争いの対象そのものである。
したがって、確定効が及び、Xは、錯誤無効の主張ができない。

三、小問(2)
本問においても、和解契約当時において錯誤が存在しているので、Xとしては契約の無効を主張することが考えられるが、和解の確定効(民§696)が適用されるとすれば、この主張が封じれらる関係にある。
そこで、Xが錯誤無効の主張が封じられるのではないかを検討する。

しかし、本問においては、和解の確定効は及ばないと考えるべきであろう。
なぜなら、前問で検討したとおり、和解の確定効の及ぶ範囲は制限的に考えて、争いの対象となった事項に限られ、XY間にいて、争いの対象となっていたのは国産牛か否かではないからである。

では、Xは、錯誤無効の主張ができるか。
Xとしては国産牛と思っていたものが実は外国牛であったのであるから、この点に錯誤がある。しかも、これは和解契約の重要な要素として、この錯誤がなければ和解契約を締結しなかったと考えられる場合には、錯誤無効の主張要件(民§95)を満たす。

もっとも、給付物に瑕疵がある以上担保責任を主張することもできる。(民§570)そこで、この場合、錯誤と瑕疵担保責任のいずれをも主張できるのかが問題となる。
ところで、瑕疵担保責任の主張期間には制限(民§570、§566-3)が設けられている。
これは、法律関係を早期に安定させようとする趣旨に基づく。ところが、無効の主張期間には制限が設けれていないため、いつまでたっても契約の無効を主張できるとすると、法律関係は安定しない。

以上より、錯誤無効の主張はできず、瑕疵担保責任のみを主張できるにすぎない。

四、小問(3)
いったん有効に成立した契約を、後に生じた事情により解消できる方法としては、契約の解除が考えられる。
しかし、一方的な意思表示により解除できるとする明文の規定は、債務不履行を原因とする場合に限られる。(民§540以下)
本問では、国産牛の価格暴落につきYに帰責事由がないので、Xは債務不履行により解除できない。
もっとも、いかなる事情があろうとも、Xが契約の拘束に服さねばならないとすると、不合理な場合がありうる。そのため、事情変更の原則を適用して、契約内容の改訂することや契約を解除することが認められてよい。なぜなら、もともと契約当事者間においては、信義に従い誠実に合意内容を履行すべき関係にある以上(民§1-2)、合意の基礎とした事情に著しい変更が生じた場合には、当初の合意内容に変更を認める方がむしろ信義にかなうからである。

そこで、本問において、事情変更の原則を適用できるかを検討する。

まず、この原則の適用要件は、一般に以下の3つと考えられている。
①事情が著しく変更したこと
②事情の変更が予見不可能であったこと
③事情の変更につき当事者の責めに帰すべき事由がないこと

しかし、本問では上記要件のうち②を満たさないと思われる。
なぜなら、事情変更の原則は契約の拘束力を例外的に解消するものであるから、その要件は厳格に解さなければならないからである。

したがって、戦争時等の非常事態においてはこの要件を満たすことがありうるが、通常は価格が暴落したとしても当事者に予見可能性がないとはいえないと考えるべきである。

本問においても、Xに予見可能性がないとはいえないと思われる。

以上より、Xは、事情変更の原則を適用して契約を解除できないと考える。

以上

07年9月7日(金)

金融商品取引法について調べました。

posted by  西山 忠  in 06_事業の開始(許認可) | 

1.金融商品取引法とは

証券取引法や金融先物取引法などの法律をひとつにまとめて、
資産運用のルールを定めている法律です。

金融商品取引法では、一般投資家を十分に保護するために、
これまでは規制の対象とされていなかったファンドの持分も規制対象とした。
そのスキームを、「集団投資スキーム」というようです。
もっとも、法はこれを直接に定義していません。
したがって、ファンドを包括的に規制するための講学上の概念にとどまり、
具体的な中身は、金融商品取引法第2条第2項第5号及び第6号に記載されています。

2.参考サイト

(1)知財・法務Q&A「集団投資スキームとは」(NIKKEI・NET)

(2)金融庁のサイト
金融商品取引法制の概要について
証券取引法等の一部を改正する法律 概要1
証券取引法等の一部を改正する法律 概要2

(3)これでわかった!金融商品取引法(行政書士 川崎善徳)
:ファンド運営者のために登録申請の手引等が解説されている。

(4)金融商品取引法の基礎知識

(5)wikipedia(金融商品取引法)

07年8月1日(水)

高齢者優良賃貸住宅制度

posted by  西山 忠  in 06_事業の開始(許認可) | 

高齢者の居住を目的とした施設には、次の3つがあります。
1.有料老人ホーム
2.グループホーム
3.高齢者向け優良賃貸住宅

以上の簡単な説明は、下記をご覧下さい。
「高齢者福祉施設を建てたい」

以下は、3番目の高齢者向け優良賃貸住宅の概要です。

1.制度概要

高齢者居住安定法により、事業認定・助成・登録・賃貸借契約の特則などが定められています。

制度の概要は、以下をご覧下さい。
「高齢者向け優良賃貸住宅制度」(財)高齢者住宅財団

2.事業を開始するには

次の認定を受ける必要があります。
(1)事業計画の認定 石川県建築住宅課
(2)事業者の認定 石川県建築住宅課

3.入居者(賃借人)を集めるには

「高齢者に優しい賃貸住宅の登録と入居について」
(石川県建築住宅総合センター)

4.公的助成を受けるには

____助成内容________________担当部局___________
①建設費の一部補助—— 金沢市公営住宅課、住宅政策課
②家賃の補助————石川県建築住宅総合センター
③家賃の債務保証——–高齢者居住支援センター
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
①については、1.のページに制度の紹介が載っていますが、
金沢市では、街なかの定住促進のための制度として位置づけられています。
「街なか」の区域はどこか、などの詳しい内容は調査中です。

②と③については、以下をご覧下さい。
「高齢者に優しい賃貸住宅の登録と入居について」
(石川県建築住宅総合センター)

5.実例を見るには

(財)高齢者住宅財団に、登録された物件などのリストがあります。
以下をご覧下さい。

高齢者専用賃貸住宅(石川県版)


高齢者円滑入居賃貸住宅(石川県版)

高齢者家賃債務保証(石川県版)

« 前のページ次のページ »

HTML convert time: 0.273 sec. Powered by WordPress ME